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ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第八章 ベルダーシュの勇者、旅を終える
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第三話

 「これが、コミギ村……」


 「ロイン?」


 「変わり果ててる……」


 そう、石造りの城に石造りの城下町が出来ていた。


 やむをえない。


 「我はロイン!! ベルダーシュの勇者!! 死にたくなければそこをどけ!!」


 この声に逃げ惑う者、戦う者……真っ二つに割れた。


 「お出ましだぞ、勇者が」


 ヤミンが嬉しそうに言った。


 「四天王と皇帝の五人で一気に攻めれば勇者なんざイチコロよ!」


 「我が四天王の一人サガン!」


 闇の蜂の仮面のベルダーシュが言う。


 「我が四天王の一人ヤミン!」


 闇の蠅の仮面のベルダーシュが言う。


 「我が四天王の一人アパル!」


 闇の蛙の仮面のベルダーシュが言う。


 「我が四天王の一人キミシ!」


 闇の蚊の仮面のベルダーシュが言う。


 「そして我が新・皇帝ルクナだ!」


 闇の孔雀の仮面のベルダーシュが言う。


 五人はばきばき音を鳴らしながら変化する。


 ロインもこれに応じ仮面を被り竜に変化した。


 「一斉に攻撃しろ!!」


 城下町を巻き添えにしながら五匹の強大な魔物が業火、氷、毒、隕石降下、風の刃を次々ロインたる竜に命中させる。


 「やったぞ……」


 しかしバリアによって全く無傷であった。


 「光の刃!!」


 竜は、ロインは五匹の怪物たちに次々光の刃を放った。


 バリアは破れ、五匹の怪物は次々肉片になった。


 ロインは変化を解いた。


 「残党風情が帝王だの四天王だの笑止」


 またロインの魔法によって多数が犠牲になった。


 「聞け! これ以上の犠牲を我は望まない。どうか元の楽師団に戻ってくれ! 我々は歓迎する」


 この声に身を潜めていた闇のベルダーシュが続々町の中央にやってきた。


 「ロイン、すごい……」


 しかしメイの言葉はロインに届いていなかった。


 こうして闇のベルダーシュの残党の拠点はあっけなく崩れた。


 「一つ聞きたい。カズヤの墓はあるか?」


 「カズヤ……。聞いたことあります!! 前の四天王様と戦って負けたベルダーシュにして最後の村人だったとか。こちらになります」


 町のはずれにカズヤの墓はあった。石碑があった。


 「ここだけは丁重にしろと言われており、綺麗にしております」


 「カズヤ……」


 (俺、お前の村を取り戻したよ。遅くなってごめんな)


 ロインは花束を置き、慰霊の踊りを行い、墓場を去っていく。


 「これから、ここを復興する。大丈夫、城とか壊したりしないから!」


 その言葉を聞くと元闇のベルダーシュ達は安堵した。


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