第二話
「間違いないな」
無言でうなずく。
「これらのハーブでは病は治らない」
人体実験は成功したのだ。
「そして裁きの時が来たと民衆の前で言えばよい」
いつもの手段だ。
「そして……ネオ・ダークキャッスルに人を集めるのよ」
四天王らはカホキヤの街で病魔を次々撒いた。
そして裁きの時が来たと辻説法した。
最後に病魔が治る薬を与える。マッチポンプであった。
情報ネットワークを構築している楽師団にこの話が伝わらないわけがなく、ただちに楽師長にも伝わった。
楽師長はロインにこのことを水晶を通して伝える。
「だけど、俺カホキアは……ひどい目に会った。あそこは金の亡者の巣窟だ」
――ロイン、では俺と一緒に行かないか
――カホキアは寒冷地ではない。しかし、冬になればさすがに暖房機も必要だろう
「あ……」
――お金をもらうのではない。カホキアに泊まるわけでもない。拠点はここフォークロアキャッスルだ。まずはカホキアの衛生状態を良くしよう。そのうえでネオ・ダークキャッスルを攻めるのだ
「そっか……その方法なら」
「だいぶ北方でも水道普及は進んだだろ。一度フォークロアキャッスルに戻ってほしい」
「了解」
こうしてロインとメイはフォークロアキャッスルに戻りカル、ロイン、メイの三人でカホキアに移動したのであった。
◆◇◆◇
カホキアの酋長が病気で亡くなっていた。替わりの酋長が決まった。
急いで浄水場建設に暖房機普及に尽力した。村人はあの時の自分の姿を恥じた。
しかし、三人はなにも対価を要求せずただひたすら暖房機を作った。
こうして一か月。
ついに暖房機が行き渡った。村人は飛び上がって喜んだ。
「酋長、次は村人を取り返すぜ」
「本当、なんと言っていいのやら」
カルはフォークロアキャッスルに戻り、ロイン、メイの2人はザーカ村に転移した。
ザーカ村からコミギ村を目指した。