第一話
「寒い!!」
ロインはあまりの寒さに吠えた。
「真冬に逆戻りだ!!」
村から出て二日目。吹雪が襲っている。
「水晶の光は?」
「あっちに出てる」
吹雪なので竜化身して移動というのも難しい。
小屋を作るのも難儀する。
だが、確実に春はやって来ていた。
そしてニシキ村に到着した。
ここの村のベルダージュの仮面はアザラシである。
「へえ、アザラシって俺見たことない」
「海に行けば見れるよ」
女→男のベルダージュで名前のウシノという。
さっそく水道建設に取り組む。
春が訪れると広大な畑が現れるという。温水で取水すれば冬でも氷結しない。そして暖房器具には本当みんな助かった、助かったと言っている。
「さ、次の村に行くか!」
◇◆◇◆
「ロインは苦労してるみたいだな」
「はい、寒さとの闘いでしょう」
「屋上の祭壇で呪術を行おう」
水牛は用意しているな?
「はい!」
楽師長は屋上の祭壇に行ってバファローを屠った。そしてバファローの心臓を生贄に捧げた
「吹雪よ、氷の神よ、辞めたまえ……」
すると漆黒の竜の仮面の者はふわっと天に昇っていく。
そして空に昇ったかと思うと北に向けて光の矢を放った。
再び地上に降りてくる。
「少しは天候も和らぐことだろう」
(ロイン、がんばれよ……)