第五話
村にカル、メイ、セヤがやってきた。
転移魔法を唱えればあっという間だ。
「酋長はいますか?」
「はい。あ! あなたは元顧問のカル様!」
三人と酋長が一緒になった。
「実は一大楽団を率いることになってしまい、ここに顧問としてもう一回残ることが出来ない」
「それに、顧問は二回目の就任が許されてないしのお」
そうだよね、酋長。
「そこでセヤがこの村の顧問になる」
「セヤと言います。よろしくお願いします」
「タヌキの仮面のお……いざというとき、役に立つのか?」
「セヤは幻惑の魔法が使えます。そのうえでいざという時は皆様を転移魔法で安全な場所に転移させます。どうか、ロインをまた貸してくれないでしょうか? このメイとともに凍土の魔界に行って『ラディア』に苦しむものを救う旅に出させることはできないでしょうか?」
「本人を呼んで来ようぞ」
こうしてロインが来た。
「カル! 久しぶり!!」
「ロイン……本当に済まない」
「じゃあ、さっそく本題に入ろうかのお?」
「酋長はどう考えてるの?」
ロインは酋長の意見を聞くことにした。
「わしか?」
「ロイン、お前最近働いて無いじゃろ? また白い目で見られているぞ」
「それは……世界を救ったばっかりだし休暇もいいかなって」
「でも日常に戻ったら『勇者』ほど危ない存在は居ないんだぞ? 危険人物としてまた標的にされるぞ」
「……」
「ロイン、行って来い」
「酋長……」
「分かったよ。行く」
「嫌なら残っていいんじゃぞ?」
「いいや、行くよ俺。だってこのところつまらなかったし」
「ロイン、それと楽団本拠地の水道建設もお願いしたんだがお願いできるか?」
「いいよ、カル!」
「じゃあまたこれが必要だな」
「あ、水晶!」
「また君の冒険物語が増えるんだ。凄い事じゃないか」
「物語を聞かせてくれ」
「ああ! 行くぜ。冒険!!」