第四話
「寒波とな?」
玉座でカルが尋ねた。
「はい、北国で寒波が襲いそれを邪術のせいだとして『ラディア』が起きています」
「そうか」
「メイ、メイは居るか?」
「はい、カル様。何でしょう?」
女→男のベルダーシュが呼ばれた。
「勇者ロインとともに行動してくれるか?」
「え!? 勇者様と。あの歌に歌われる伝説の勇者様とですか?」
「私は魔力の弱いベルダーシュです。足手まといになる気が……」
「しかし、そなたは厨房機器を応用して暖房器具を作ったではないか」
「あ、あれは弱い炎魔法と弱い風魔法を組み合わせただけ」
「それでいいのだ」
「土魔法は出来るな?」
「はい、魔石も探せます」
「決まりだな」
「セヤは居るか?」
「セヤ、こちらに」
「ベルダーシュの顧問になってくれるか?」
「私めでよろしいのでしょうか?」
「私は前回の戦いでロインやゾイから逃げ回った『恥のベルダーシュ』でございます」
「出来る魔法も転移魔法と幻惑の術と簡単な炎の術ぐらい」
「構わぬ」
「命令とあらば」
メイはビーバーの仮面、セヤはタヌキの仮面を持った。
「期待してるぞ」
「はい、師よ」
「我も一緒に行こう。もっとも断れたらダメだがな」