第七話
帰り道はロインがよく知る道であった。馬で移動しているのでさほど時間はかからなかった。旅費もダークキャッスルで見つけた魔石を売ることでどうにかなった。
ミシシッピ河超えも竜に化けることで馬も手に掬って運ぶことであっという間だった。そして、ついにこの時がやってきた。
サムル村のトーテムポールである竜が見えてきた。そう、ロインの仮面の竜はサムル村の守護竜。
そして、馬から降りて恥ずかしそうに言う。
「ただいま」
「ロインだ!」
「ロイン様だ!!」
「勇者様だ!!」
「勇者、おかえり!!」
みんな歓迎してくれた。
そして、ロインは酋長のところに行った。
「ロイン、ただいま戻りました」
「ロイン、お前はこの村の誇り!!」
ウラキ酋長はロインを抱きしめた。
「そうじゃ顧問のベルダーシュともお別れになるんじゃ。さびしいのお」
「ウラキ酋長、カルが来ました」
「カル、本当にありがとう。本当にアドバイスありがとう。あのアドバイス無かったら俺、死んでた」
「いいや、アドバイスだけで冒険は進めない。君は真の勇者なのだ」
(勇者、ね。恥ずかしいな)
「おかげで勇者の物語をこの大陸中に広めることが出来るぜ」
「そりゃよかったな、カル」
今日はお祭りじゃ!!
こうしてロインの冒険は幕を閉じた。
翌日カルは早朝に誰も居ないまま去って行った……。
ロインは後世に大陸中でこう呼ばれる。
『ベルダーシュの勇者』と!
<第六部 終了>