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ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第五章 ダークキャッスル
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第十話

「あ! 見ろ!! ロインと裏切り者のゾイが来たぞ!!」


見張り小屋の兵士が叫ぶ。


「みんな戦闘準備!!」


宿屋や道具屋、八百屋や肉屋、洋服屋の主人までずらっ並ぶ!


「お前らを死なせたくない。どけ!」


ロインはもう王者の風格を持っていた。


「何を!! ダークキャッスルの恐ろしさを知れ!!」


そう言って一斉に魔法で攻撃する。しかし見事に跳ね返された。


そして逆襲とばかりにロインの風の刃が次々炸裂した。


残ったのは数々の肉片であった。


見張り小屋の横にある牢屋を念のために確かめる。


「大丈夫だった。誰も居ない」


ロインは虜囚りょしゅうの者が居ないか確かめたのだ。


「よし。行くぞ、ゾイ!」


「おう!」


「ま、まずい!!」


 ビーバーの闇の仮面の者は工場の門を閉め、そのまま魔石貯蔵庫となっている地下室に逃亡した。敵が逃げた魔石貯蔵庫へ深追いするのは得策ではない。危険物の塊である。爆発に巻き込まれる危険性が高い。


「工場は無視するぞ。このまま突撃だ!」


次に来たのは道場で学んでいる生徒と師範であった。


「実践訓練を行う!」


「「おう!」」


「やめろ! 君たちを死なせたくない」


しかしロインに対する返事は闇魔法であった。


ロインたちの手前で闇魔法がはじき返される。ロインはまたも光魔法でバリアを作ったのだった。


生徒に魔法が跳ね返っていった。生徒の阿鼻叫喚あびきょうかんが響く。


「広域風の刃!!」


ロインは広範囲に風の刃を出した。次々首、手、足を切断されていく生徒……。


「覚悟はいいな?」


ロインは両腕を失っている師範に言った。


「我が……人生……に……悔いなし」


ロインは言葉を聞き遂げると風の刃で師範の首を切断した。


「行くぞダークキャッスルの内部へ!」


ロインは死体を見下ろした。


「おう!」


◇◆◇◆


「いよいよ来たようだな。ロインが」


帝王が窓から様子を見ている。しかし仮面を被っているため顔の表情は分からない。


「はい」


「あれほど警戒せよと言ったのにまるで役に立ちません」


ザイロは嬉しそうに言った。


「逃げた者も居ます」


「逃げた者は重罪とせよ」


「カイ!」


「はっ!」


「我の前の部屋を死守せよ」


「はっ!」


「ザイロ!」


「はっ!」


「三階の廊下で奴らと闘え……城は壊すなよ?」


それを聞くと闇の鴉の仮面は顔を伏せ小刻みに震えた。


「ふふふ、くくく」


ザイロは笑っていた。


「御意」


「それでは捕らえた少女を生贄に捧げ食らってもよろしいですかな」


「もちろんだ。存分に食うがよい」


「ふふふ、くくく、くくく」


洞窟の中で笑い声が響く。


最後の決戦が始まった。


<第五章 終了>


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