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ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第五章 ダークキャッスル
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第六話

「俺の故郷……!」


宿敵を前に戸惑うカズヤ。


「カズヤ。心配することない。だが村がまるで変ってるとすれば転移魔法は……使えない。それこそエラーで異世界に飛ばされる」


ゾイの力では転移できない。


「じゃあ、どうすればいい!」


「ザーカ村だ! そこから俺は……馬に乗ってコミギ村まで行った」


ロインの提案は的確だった。


「最初ザーカ村で……俺……初めて簡易な水道を作って……自分は水道建設で世の役に立てられることを知ったんだ」


「ザーカ村なら転移できるか?」


カズヤは必死だった。


「出来る。出来るけど……僕たち体力がもうないよ」


ゾイはもう限界だった。


「転移事故起こすかも……」


それでも行くしかない。


「転移した後に二人だけここに戻ることは出来るか?」


ゾイはかぶりを振った。


「難しい」


この声に村人は一斉に悲鳴の声を上げた。


「「なんとかしろ! 勇者!!」」


「お前が戦わないとこの村は火の海なんだぞ!!」


「もし、何もしないというのなら俺たちがあいつに突き出すぞ」


なんという掌返しなのだろうか。


「わかった……」


「ゾイ、やっ……てくれ」


カズヤは申し訳なさそうに言う。


「いく……ぞ。手を……繋いだか? 転移事故は覚悟しろよ」


「ああ」


ゾイは転移魔法を唱えた。


数分後……


二人は無事戻ってきた。


「戻れた……ぞ」


そのままゾイは意識をまた失った。


「だれか!! ベルダーシュをもう一回呼んできてくれ!!」


◆◇◆◇


カズヤはザーカ村から急いで馬を借りた。


この時ロインが失ってしまった分の馬の代金まで要求された。


カズヤが代金を払うと急いでコミギ村を目指した。


コミギ村に着いた頃には夕方になっていた。


村の様子は全く変わっていた。


中央に祭壇があり、立派な木材で家が建てられている。しかし家の塗料が闇色だ。


「来たな……」


ザイロは闇色の鴉の仮面を外す。家から続々と闇のベルダーシュが出てくる。


「我は四天王の一人ザイロ! ロインの師! お前に一騎打ちを改めて申し込む!」


そしてもう一回闇色の鴉の仮面をつけた。


「お前ら、手出しするなよ」


闇のベルダーシュ達は黙ってうなずく。


「いいだろう!」


 カズヤがそう言うと、互いがばきばき音を鳴らしながらカズヤは巨大な梟に、ザイロは巨大な闇色の鴉となった。


 互いの怪鳥が咆哮を上げた。戦いの合図となった。


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