第三話
「次の目的地、どうしようか」
ロインが聞く。
「コミギ村どうなってるんだろう。俺の故郷」
「気になるな。でも戻ったらまた『ラディア』を食らうぞカズヤ」
ロインがコミギ村行を止める。
「カホキア村はどうだ?」
ゾイが提案した。でもあそこは、ねえ?
「ああ、あの街みたいなところ」
二人は行きたくなかった。
「闇のベルダーシュが居ることは確実だ」
ゾイの言うことはもっともなのだが。
「カホキア村の闇のベルダーシュを倒すことが効果的だ」
そりゃ、そうだけどさ。
「あんな大きな街にいる闇のベルダーシュなんて相当位の高いベルダーシュじゃないか?」
カズヤの言うことは最もだろう。戦うとなると苦しい戦いになる。
「そうだな……。でも俺たちは四天王の一人を倒したんだぞ」
ロインは拳を鳴らす。
「おいおい、ロイン……俺たちは戦力が一人居なくなってる事忘れてない?」
カズヤ、お前は弱腰だな。
「だとしてもあんだけの巨大な街が敵の勢力ってことは見逃せないし、衛生状態をよくしたい」
「ロイン、約束して」
ゾイは迫った。
「へ?」
「状況が悪化したら逃げる。転移魔法唱えるぞ」
「ゾイ、それって恥じゃないか」
「逃げるのは恥だが命あってのだぞ」
「今度はそこらの小さな村じゃない」
「わかった」
「じゃあ、明日カホキア村に行くか?」
◆◇◆◇
翌日、三人はカホキア村に転移した。
勇気出して酋長に言った。
「水道!? それは素晴らしい。水道建設のベルダーシュとはあなたたちの事なんですね」
「ほかの村々よりも建設期間が長くなりますが、お願いします」
ロインの提案によりこうして建設がはじまった。
例によってこの辺は木材がないので転移魔法で木材を運ぶ。
雷の魔石も大量に必要だ。
そしてこのことが闇のベルダーシュにも露見した。
「四天王すら倒すベルダーシュだ。四天王に報告する。いいな!」
「はい……」
そしてこの話はエル四天王様とイル四天王に伝わった……。
「二人で行くぞ」
「お前は見届け人になれ」
「御意」
闇の鹿の仮面のベルダーシュが答えた。
翌日ロインとカズヤとゾイが水道建設しているさなかにそいつは現れた。
「ロイン! カズヤ! ゾイ! 我々は一騎打ちを申し込む!!」
「さっそく出たぜ、四天王が」
「ああ」