第三話
突然矢が襲ってきた。
「ここはアパッチ族の土地! これ以上進ませない!」
「お前たちの物はここアパッチの地を踏んだからには全部俺たちの物。物は置いていけ」
「無茶苦茶いうな!!」
ロインが吠えた。
「そうか、ならば死あるのみ!」
なんと鉢巻を絞めた山岳民族が一斉に襲ってくる!!
「やむを得ない!!」
そういって三人は仮面を被って化身した。
「奴らはベルダーシュだ!!」
「きっと闇のベルダーシュに違いない」
そう言って次々毒矢を放ってくる!!
いかに竜と言えども、蒼鬼と言えども、梟と言えども刺さったら危険な矢である。
「ふざけるなー!!」
そういって竜に化身したロインはこれでもかと業火を浴びせる!
梟が次々応戦する。
巨大な蒼鬼は隙を見て次々パンチして顔を潰した。
「逃げろ、撤退!! 撤退だ!!」
「あいつら逃げていくぞ」
ロインは得意げに言う。
「辞めろ、追うな!!」
カズヤは必死にロインを止めた。
しばらくして、三人は元の姿に戻った。
「なんなんだ、あいつら……」
ロインはまだ怒りを露わにしていた。
「あ! 水晶の光が二つに割れてる」
ハルが気が付く。
「本当だ! 弱い光と強い光だ」
カズヤも感心する。
「弱い光のほうが帯が太い」
改めてこれを持っててよかった。
「ということはこっちが闇のベルダーシュなんだな」
ロインが光を見て……空を見上げた。あの山の向こうにゾイが居る。
「しかし、山賊戦士部族が居るなんて聞いて無いぞ」
(アパッチ族はベルダーシュを嫌悪してたような。アパッチ族にもベルダーシュが居るはずなのに……。やはり闇のベルダーシュのせいか?)
「ロッキーはいろんな意味で魔界だ。これからも気を引き締めるぞ」
カズヤの言うことはもっともだ。
「よし、もう一回化身して馬を運ぶぞ。ハルも蒼鬼に化身してくれ」
ロインはまた化身して馬を運ぶようだ。
「了解!!」
こうして三人はばきばき音をならしながらもう一回化身した。ロインは片腕に蒼鬼になったハルを、もう片方を馬をつかんだ。
「馬は一頭が限界だ」
カズヤはなんか申し訳なさそうに言う。
「おまえら、すまねえ」
そう言い残して竜たちは去っていく。
そしてアパッチ族の支配地から離れた地に着いたと思われる頃には深夜になっていた。適当に洞窟を見つけた。
三人は洞窟の入口で倒れるように眠り込んだ。