第六話
クミラ村にやってきた。
「ほえ~」
「けっこう豊かだな」
木造住宅の邸宅が並ぶ。家ごとにトーテムポールがある。
そしてここにもやっぱり……家を訪問すると……。
「調理器具があるよ」
酋長を訪ねた。なんと女性酋長だ!
「何? 水道? お前らが例のうわさの水道を組み立てる連中か」
「はい」
「それは助かる。ぜひともやってほしい」
「ありがとうございます」
四人はもう遅いので明日から作業を始めることにした。
夜も更けた頃……。
酋長の家の中に突然転移魔法で闇色の隼の仮面を被ったものが現れた。
「酋長、やつらが来たのだな?」
闇色の隼の仮面が言う。
「間違いない、あいつらだ」
「水道の事は諦めろ。我々が奴らを始末する」
「……」
「我々に反抗したらどうなるか分かるな。ここは火の海だぞ」
「はい……」
「では四人で魔法を唱えて奴らをしびれさせよう。動けなくすればこちらのもの」
四人は転移魔法でクミラ村の宿屋の前にやってきた。
「「いくぞ」」
四人で一斉に呪文を唱えた。
「「増幅魔法も四人同時で唱えるんだ」」
「「了解!!」」
一方宿屋の中……。
既に就寝をしようと思っていた先にそれは起きた。
「何だ!?体がしびれて…‥」
ロインが動けない!
「回復魔法唱えても効かねえ!?」
カズヤは初めて回復魔法が無力の状態に陥った。
「これは麻痺の術!?」
ゾイは闇魔法に熟知しているのかすぐに種類を当てた。
「なんて強烈なんだ!! とても普通の麻痺の術に見えない!」
ゾイは急いで闇の狼の仮面を被り闇の僧衣を着込む。
闇の仮面と闇の僧衣は闇魔法の威力を低減する力を持っている。
ゾイは隣のハルが居る部屋に行く。
「しっかりしろ!」
「だめ……全然動けない……逃げて。貴方だけでも逃げて……」
「「よし、突入」」
四人は一気に宿屋に突入した。
主人がしびれて横に倒れている。
ゾイは突入の声を聴いた。
「やむを得ない!」
ゾイは暗闇霧の魔法を唱えた。
もっとも相手も闇の者。効き目は薄い。
「すまない!!」
ゾイは窓から逃げていった。
「いたぞ、縛り上げろ」
ゾイは敵の声を聴きながら道具屋の門を叩いた。
「開けてくれ!! 宿屋が襲撃されてるんだ!!」
道具屋が扉を開けると闇のベルダージュだった。
「ひっ! 闇の者」
「お願いだ。麻痺に効く薬をくれ!」
「ああ、やる。やるから何もしないでくれ」
「店主、代金は明日払うからな!」
四個分もらう。うち一個を自分に使う。感覚が戻ってきた。
ゾイが宿屋に戻ると三人が闇のロープで縛られている。
「ほお、裏切り者が居るぜ?」