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ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第三章 親友が、連れ去られた!?
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第五話

「アルがやられたようだな」


 闇色の鴉の仮面が吹雪の声で言った。


「所詮奴は四天王から落ちこぼれた一兵卒」


 闇色の蟲の仮面が凍り付く声で言う。


 「いよいよ我々が動く時ですな」


 闇色の鷹の仮面の者が北風の声で言った。


 「ならばここは我にお任せを」


 闇色のバファローの仮面の者が闇色の声で言う。


 「アルと同じ過ちは犯すなよ?」


 「安心してください。策があります」


 「部下の隼、雀、燕を連れて勝負します」


 「一対四なら負けて当たり前。しかし四対四なら……そして空中戦なら」


 「しかも隼、雀、燕の傀儡となっている酋長の村の力も借りる」


 「どれ、見せてもらおうか」


 「成功したら我は副官の身分を要求する」


 「ふっ」


 「いいだろう」


◆◇◆◇


 「これ便利だね~」


 コックをひねるとボッっと音がして火が付いた。


 「しかも持ち運べる軽さだな」


 カズヤは感心している。


 「薪要らずだねえ」


 ロインは自分の薪割りの作業の事を起こい出した。


 「小屋で寝る時、一番助かる」


 ハルはそうかなあと首をかしげる。この器具はあくまで調理用だからだ。やっぱロインはどこか発想が飛んでいるのだ。


 「もっとも俺たちは炎の魔法が使えるからあんまり意味ないんだがな」


 カズヤの意見に三人はごもっともとうなずく。


 「俺はアジトで暮らしてたのになんでこんなことにも気が付かなかったんだろ」


 ゾイは自分に悔やんでいた。


 「便利って怖いんだよ」


 カズヤがたしなめる。


 「しかもこれってカバーが石だろ」


 「うん」


 「こんだけ薄くできるってことは風の刃の術者によるものだ」


 カズヤは風魔法にも詳しいのかとロインは感心した。


 「俺たちが真似しても一日一個ぐらいしか作れない」


 「そっかー」


 「これ、風魔法じゃないかも」


 「えっ!?」


 「これ土魔法よ」


 「なんで分かる?」


 「これは石割の術」


 「見てて」


 そう言うとハルは呪文を唱え石に破を出した。すると石にひびが入りやがて平面な石が出来た。さらに呪文を唱えると空洞ができた。そこに炎の魔石を置く。


 「石の破片は風魔法で削って呪文を書かないといけないね」


 「すごい!!」


 ぽろっと石がこぼれると呪文の文字となった。呪文……そうだ、大事なことを忘れていた。


 「ところで食事が終わったら闇魔法の特訓を開始したい」


 「えっ……?いいけど……」


 こうして二人は特訓を始めた。


 「これが眠りの呪文だ」


 「もっとも精神力が高い人間には効かない。しかし使い方によってはメリットが大きい」


 「どういうこと?」


 「わざわざ眠り薬を使わずとも病者を安静にすることが出来る」


 「なるほど……」


 「やってみて」


 二人の呪文が夜更けに響く。

 

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