第二話
「これは……」
四人はびっくりした。
各家庭の厨房に炎の魔石で起動させる器具があったからだ。なんて便利なんだ。
「この器具はアジトにあったもの」
「え!?」
「ということはカホキア村の酋長はもう闇のベルダーシュに飲み込まれたも同然」
「そんな」
「スタ村まで戻ろう」
「それがいい」
四人は転移呪文でスタ村に移動した。幸いここはまだ炎の魔石を使った調理器具は無かった。
ワクを訪ねる。
「あら、仲間が増えたのね」
「そうなんだ。あの時はありがとう」
「いいえ。で? 今日はどうしたの?」
「実は……」
「水道? それはスゴイわ。酋長に言ってくる」
そう言ってワクは酋長の家に行った。
そしてワクは戻ってきた。
「ぜひ酋長が会いたいそうよ」
「よっしゃ!」
そして酋長に会い水道建設の許可が下りた。
水道建設は四日かかった。木材は転移魔法で運ぶ。ゾイがいなかったら出来ない芸当だ。
雷の魔石はハルが探した。
こうして四日で完成した。
「よし、これで三村に水道作った」
「次はどうする」
「ここから先は訪れていない村に行くしかない」
「そっかー」
「南に行ってみるか」
「この辺は大草原。けっこう時間がかかるぞ」
「あれ、俺たちの馬は?」
「カサタ村に置き忘れてるでしょ?」
ハルが言った。
「え?」
「もう戻れないよ。私一年限定の旅なんだし」
「一年の旅で思い出した。暇な時に闇魔法の特訓するぞ」
「そうね、それしないと怪しまれるもんね」
こうして旅立つ前の前日にハルはゾイから闇魔法の一番初歩である暗闇の魔法を教わった。
ハルは一時的に敵の目を見えなくする術を身に着けた。
「馬はまたどこかで見つけよう」
しょうがない。
みんなのありがとうの声を背に四人はスタ村後にした。