表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第二部 ロイン達の後日談  スローライフ
107/117

第十五話

 メイがミルとともにやって来た。


 「じゃあ、私はこれで失礼します」


 ミルは闇の渦を巻き消えていった。夫婦、子ともに酋長の最後を見ることが出来たのである。


 「ロイン、ロインなのか」


 「はい」


 「その子は……」


 「レインになります」


 「大きくなったのお。もう何歳だ」


 「十二歳になります」


 「今何しておるのじゃ」


 「食を探す旅の最中です」


 「食?」


 「息子はベルダーシュではなく職人を選びました」


 「大陸中のうまい料理を探しては自分のものにするという旅です」


 「それは大変だな」


 「とうもろこしパンの中に餡を入れる料理が最近流行ってるぞ」


 「菓子パンって奴だな」


 「ああ、わしも自然に帰ったらいいもの食いたいわい」


 そういうとこと切れた。


 「酋長……」


 「酋長!!」


◆◇◆◇


 「酋長のアドバイスを無駄にするんじゃないぞ」


 「うん」


 「いつものとうもろこしのパン粉に……」


 「熱して」


 「パンになったら」


 「あんこを入れるのか」


 「これは枝豆」


 「枝豆を潰して」


 「入れると……」


 「うまい……」


 「うまいぞ……」


 「どうだ? ほかの村人も」


 「そうそう、この味」


 「ウラキ酋長、よかったな」


 「ウラキ酋長、喜んでるよ」


 「新しい酋長は選挙で選ぶんだ」


 「即日で選ぶんだよ」


 四十人ほどの村で即日で投票が行われ、ミサミが決まった。


 新酋長が元酋長の亡骸を村の中心部で燃やす。ベルダーシュのスミトが葬儀を仕切る。


 「幸せにな」


 「風になれ」


 「我々は風から生まれ、風に帰るのだ」


 レインにとって重要人物の葬儀は初の葬儀となった。


 ウラキ酋長、享年六三歳。かなり長生きしたほうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ