表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベルダーシュの勇者  作者: らんた
第二部 ロイン達の後日談  スローライフ
102/117

第十話

 「はい、今日も終わり」


 「ありがとうございます」


 子供もミルとレインは10歳と8歳になっていた。まだ重労働は出来ないが農場で働くには十分だ。


 ベルダーシュ同士の結婚は珍しいのかミルとレインの2人だけだ。片親がベルダーシュというのはありふれているが。このためベルダーシュじゃない者は農業や商店を営むのである。


 「あらあら、今日もこんなに汚れちゃって」


 洗濯も今や分業体制になってきている。洗濯は今や非ベルダーシュの稼業だ。ロインは1階に洗濯工場まで作ったのだ。


 「この子たち、いよいよ試練の年齢まであと二歳、四歳だな」


 「この子、ちゃんと試練を超えられるのかな?」


 ゾイ?


 「うちの子はベルダーシュになることを望んでるよ」


 「へえ」


 「やっぱ魔法はあこがれるって」


 「それにここフォークロアキャッスルは暖房器具や調理器具売って儲けてるしな」


 工員は呪文を掘る工程があるため非ベルダーシュはなれない。もっともローテーション制だ。ずっと工場従業員というわけでもない。楽師団は工場の従業員になるだけの存在じゃない。それ以前に土魔法が出来ないと工場にかかわることも出来ない。もっともほぼ全員が土魔法の初歩は習得できるが。


 「レイン君はどうするの?」


 「俺の子かあ……まだ何も決めてないよ」


 「そろそろ聞いておいた方がいいよ」


◆◇◆◇


 食堂で食事を終えて四天王の部屋に戻る三人。居室に入ってくつろいだ。


 「ねえ、レイン。君はベルダーシュになりたい?」


 ロインははじめて聞いた。


 メイは驚いた。


 「う~ん」


 「……」


 「なりたい」


 「いいのか? お前、女装するんだぞ?」


 「女装、嫌がる人だっているんだぞ。女装すること嫌がったらベルダーシュ失格になって元の男に戻るんだぞ?」


 「だって、かっこいいもん。お父さんみたいに呪文でどっかーんと岩を壊したい」


 「そっか」


 我が子は試練受けることが決定か。


 平和な日々が続いたロイン一家とフォークロアキャッスル。ロインはこの時30歳になっていた。


 楽師団がフォークロアキャッスルに戻って来た。音楽の余韻からか入り口の広場で音楽を披露しながら踊っていた。いつもの光景がそこにはあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ