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1話 エルミナ視点 

 適材適所と言う言葉が好きです。だから私は王位継承権の争いには参加しませんでした。私自身が私より第一王子---ジャック・ロドリゲスに王位継承者となってほしいと思ってしまったから。ジャックお兄様はいつも優しく、私に勉強を教えてくれました。財政のこと。国のこと。魔法のこと。ジャックお兄様がいたから今の知識があると言っても過言ではありません。私はジャックお兄様には一生政治の事では勝てないと思いました。だからジャックお兄様を王位継承者に推薦しました。


 そしたら第二王子---ハリーお兄様が私に言いました。


「なんでジャック兄さんを推薦したんだ? なぜ俺じゃないんだ!」


「それは...」


 ここで本音を言うか迷いました。ハリーお兄様はいつも私に厳しくしてくれました。剣術や弓術のこと。実践向けなことをよく教えてくれました。そんなハリーお兄様を嫌いにはなれません。だから本音を言ってもいいと考えました。ですが、ここで本音を言ってお兄様が怒ったら? 兄弟の縁を切られたら? そう思ったら声が出ませんでした。


「はっきり言え!」


「ごめんなさい」


 私は走って逃げました。私にとってどちらのお兄様も大切な人。だからそんな人を傷付けることはできません。はっきり言ってジャックお兄様とハリーお兄様は典型的に違います。ジャックお兄様は政治・財政面などの国全体を動かすことが得意な知性派。一方ハリーお兄様は一言で言えば武力。誰にもまねできなさそうな動きをして、若くして大将になっています。


 だから私はジャックお兄様とハリーお兄様は手を取り合って国を動かせばいい、そう思いました。ですが現実はうまくはいかなくて、ジャックお兄様とハリーお兄様は喧嘩をしてしまい、私はどちらにつけばいいか分かりません。このことをずっと考えていてもらちがあきません。そのため私自身がこうなってほしいと思った人を推薦しました。


 そしたらハリーお兄様が私の命を狙ってきました。最初は食事に毒。その次は馬車に乗っている時に暗殺者が私のところに来たりもしました。このままではいずれ死ぬ。そう思い国を出ました。


 行く当てもない。たとえ町についても頼る人もいない...。そう思いながら森を歩いていたらゴブリンが10体ほどが周りを囲んできます。


(このままだとやばい。女性がゴブリンにつかまったら...)


 そう考えただけでゾッとします。私は弓でうまく数体を倒しつつ悟りました。このままだと負ける。そう思った瞬間なぜだか声が出ました。近くに人がいるかもわからないのに...。


「誰か助けて!」


 助けを求めて数分立ったところで1人の男性が来て助けてくれました。その人を見て私は最初怖いと思いました。どこを見ているかわからない。私を助けているのに私も敵のように見てくる。それでも助けてくれたからにはお礼をしなくてはいけない。


「あなたのおかげで生きることができたわ。ありがとう」


「いえいえ。あなた一人でもなんとかなったと思います」


「そうでもないわ。私は弓使い。だから前衛職がいなくちゃきついの」


 ここで一つ嘘をついてしまう。弓使いと言うのは嘘じゃない。でも精霊使いって言ったらこの人がなんていうかわからない。精霊使いはごく一部のエルフにしかなれない職業。そのため精霊使いは貴重です。だから本当の事をいったらなんて言われるかわからなくて嘘をついてしまった。


「そうですよね...」


「では」


「まっt」


 悲しそうな顔をしながらその人は何も聞かずに立ち去りました。ちゃんとしたお礼をしたい。この人ももしかしたら私と一緒で困っているのかも...。


 この人なら...。この人なら私と一緒に...。そう思い、明日ギルドで会いに行こう。そう決意しました。

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