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16話 決着

 アーサーさんたちが来てくれたおかげで形勢逆転した。俺が2体相手しているところにアーサーさんとミノさんが戦ってくれて、ノアのところにハリソンさんが増援として行ってくれた。


 アメリアが俺のところに駆け寄る時、アーサーさんたちがうまくカバーをしてくれたおかげで無事俺のところに来て回復してくれる。


「クリス! クリス大丈夫?」


「なんとか...。助かった」


「無茶しないで...」


 それは無理だよ。俺が無茶しなかったら今は無かったと思う。俺かノアしか殿はできなかった。だから無茶しないと言えなかった。それに今後もこういう状況が起きても俺はまた殿をすると思う。


(仲間を失うぐらいなら俺が死んだ方がましだ...)


「...。そっちの状況は大丈夫?」


「あの騎士が来てくれたから大丈夫だと思う」


「そっか。よかった」


 少し動けるようになったところで周りの戦闘を見る。アーサーさんたちの方はもう決着が付きそうだった。アーサーさんが前衛でミノさんが後衛。この戦闘スタイルで戦っているのに俺たちと違ってブレがない。


(これが実力の違いか...。それにしてもすごい)


 ベルゼブブがミノさんの方に行こうとするとアーサーさんがグランドクロスを撃ち道を塞ぎ、そのすきを突こうとするもう1体のベルゼブブをミノさんが攻撃魔法で援護する。お互いが何も合図してないのにこの状況になっている。


 もう一方の戦いはノアとハリソンさんが前衛で戦いつつエルミナとルビアで援護している。ベルゼブブがルビアを狙おうとするとハリソンさんの魔法でカバーをしていた。それでもベルゼブブはハリソンさんのカバーをかいくぐれるチャンスはあった。その時はエルミナの攻撃魔法で回避していた。


 ノアとハリソンさんが交互に攻撃してエルミナが隙をつくような攻撃魔法で援護。この形で2分間ぐらい戦ったところで1体目のベルゼブブを倒す。


 それと同時にアーサーさんのグランドクロスが1体のベルゼブブに直撃して倒した。


「あはは。ここまで強いとは思いませんでした。1人ぐらいは殺せると思っていたのですが...」


「お前はここで殺す」


 アーサーさんがそう言ってもう一度グランドクロスを撃つ。だがそれを簡単そうにかわす。


「おっとあぶない」


「まあ今回はいいでしょう。憑依していた分身体ではこの程度が関の山でしょう」


「...」


 ベルゼブブの分身体は本体で言うどれぐらいの強さなんだ? 今回憑依していた分身体の分身体ですら倒すことができなかった。


「今はどれぐらいの力なんですか?」


 俺は聞いてしまった。聞かずにはいられなかった。これが本気じゃないってことはわかっている。魔王なんだから今の俺が相手できるはずがない。でも分身体ならって思っていた。それでも倒せなかった。そう思うと圧倒的の実力差がある。だからこそ聞いてみたいと思う欲求が出てしまった。


「まあそうですね。10分の1ぐらいじゃないですか?」


(10分の1...)


「いずれあなたたちとは戦うと思いますので待っていますy」


 ベルゼブブが言っている瞬間、アーサーさんがグランドクロスを使い倒す。すると黒い霧が消えて日光が当たった。この状態だったため周りからの光や霧の外の音が聞こえていなかった。周りには居住者たちが集まっていた。


「全員宿に入ろう」


 アーサーさんが言う通りみんなで一旦宿に入る。誰も入れないようにしてもらい、俺たち以外がいないことを確認してアーサーさんが話し始めた。


「まずはみんな生きていてよかった」


「はい...」


「それでだけど今回の件は誰にも話さないでほしい」


 アーサーさんの提案にエルミナが怒りつつ言う。


「なんでですか!」 


「今回の件が世間に広まると勇者の地位がなくなると言ってもいい」


「そんなのその雑魚勇者のせいでしょ!」


「そうだね。でも人はだれしも誰かに期待したいんだよ。そして勇者はその代表格。そんな人物が魔王に憑依されていたと知ったらどうなると思う?」


「...」


 そんなの分かりきっている。


「そう。みんな絶望する。もしかしたらあと少しで魔族に占領されてしまうかもしれない。そう思う人が少なくない。すると生きることをやめてしまう人が出てくる可能性がある。それだとダメなんだ」


「じゃあ私たちは勇者のしりぬぐいをしただけってことですか?」


「簡単に言えばそうなるかな。だから君たちの処遇を私たちから国に相談してみる。それでどうだろう?」


 俺たちの処遇か。そんなこと俺にとってはどうでもいい。今回呪いをアメリアに助けて、この戦いで誰一人死んでいない。それだけで俺にとっては満足だから...。


「クリスはどうなの?」


「俺はそれでいいよ。誰一人欠けなかっただけで俺は満足だから」


「そう。リーダーがそう言うならいいわよ」


「ありがとう」


 俺の決断でみんなに迷惑をかけてしまったかもしれない。みんなはもっと褒賞がもらいたかったかもしれない。でもこのことが大事になればエルミナの命が狙われる可能性が高まる。だから申し訳ないけど納得してもらわなくてはいけない。


「それでだけど、アメリアさん」


「はい」


「勇者とのパーティから抜けてもらえないかな?」


「え?」


「勇者を治療する時間が欲しい。だから君には一時的にでもいいからパーティを抜けてもらいたい」


「...。分かりました」

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