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14話 勇者の真実

 聖女が部屋の前にいる...。アメリアのことだろう...。なんて話しかければいい? あの時以来ちゃんと話していない。なのに今更なんて...。


「クリス大丈夫なの?」


 するとアメリアが部屋に入りながら勇者と一緒に入ってきた。


「うん。でもちょっとキツイかな...」


「待ってて。私が助けるから!」


「ありがとぅ」


 アメリアがそう言うと俺に魔法をかけてくれる。軽くかけてくれているのに体が軽くなる。


(アメリアの助けるから。その一言だけで俺がどれだけ嬉しかったか...)


 もう前みたいな関係には戻れないと思っていた。最初はアメリアが俺を拒絶した。拒絶されたことは許せなかったけど、後々考えたら俺も同じ行動をとっていたかもしれない。それに俺も拒絶されてからアメリアと目を合わせようとしなかった。俺も心のどこかで拒絶していたんだと思う...。だからその一言を言ってもらえたことが嬉しかった。


「まだ治ったわけじゃないわ。だから外に出てもらってもいい? そこじゃなくちゃ治せないから」


「うん」


 そう言ってみんなで宿を出る。日が直接当たるところまで行きアメリアが魔法をかけてくれる。


「スペクトルヒール」


 するとアメリアの周りが光りだして、その光が俺に向かってくる。すると呪いがみるみるうちに消えていった。


「え?」


「多分治っていると思うわ。聖女しか使えないスペクトルヒールはどんな呪いや状態異常も回復してくれる魔法だから。でもなんで呪いに何てかかったの?」


 俺とアメリアが話しているところにエルミナが入る。


「それは私のせいなの! 私をかばって...」


「そういうことね...。私はクリスに冒険者になってほしくなかった」


「なんで?」


 なんでアメリアはそんな風に思う? 俺の人生なんだから俺の勝手じゃないか? 


「クリスは底辺職業。それで冒険者になったら結果なんて見えているわ。今の状況になるのも時間の問題だったと思う」


「だからそれは違うわ。クリスは私を助けて」


「じゃあ底辺職業じゃなくてもっといい職業だったら? そしたら今みたいな状況にはならなかったんじゃない?」


「違うわ。クリスは私たちの中で一番強いもの」


「そうね。噂には聞いていたら。闘技大会でベスト8になったんでしょ。でもそれは結果論。クリスがもっと強かったらエルミナさんを助けて尚且つ自分も守れたんじゃない?」


「...」


 その通りだ。俺がもっと強かったら魔法を避けることができたかもしれない。今回に限ってはアメリアたちが近くにいたから俺は何とかなった。でももしアメリアたちが近くにいなかったら俺は預言通り死んでいた可能性が高い...。


「だからクリス。ジャック様とも話したのだけど一緒のパーティにならない? そしたら安全になると思うし」


「それはできない。今のメンバーで冒険しているのに仲間を裏切ってアメリアのところに行くことはできない」


「じゃあクリスも含めてみんなパーティに入るっていうのはどう?」


「...」


 仲間になってもいい。でもエルミナが昔言っていたことが頭によぎる。勇者はちょっと嫌な感じがする。だから俺はタブーだと思いながらも預言を使う。


{よかった。治ったのですね}


{あぁ。それでだけど勇者のことを見てくれないか?}


{わかったわ。...。この子魔族に何かされているわよ}


{え?}


{何個かの未来を見たけど夜一人でどこかに行って一人言をよく言っているわ。操られていたりしている人が良くとる行動ね}


(それって...)


{だから確かめた方がいいわよ}


{わかった。ありがとう}


{いいえ}


 ノエルが言うこと絶対に嘘じゃない。勇者が魔族に操られいている? そんなことあっていいのか? 人族の希望が魔族に操られているなんてこと...。


「勇者さん。一つ聞いてもいいですか?」


「なんですか?」


「あなた魔族に操られていますか?」


「は?」


「失礼なことを聞いているのはわかっています。でも俺の職業---預言者の能力を使うとあなたは魔族に操られていると言っていたので」


 俺がそう言うとアメリア以外のみんなが戦闘態勢に入った。


「クリス失礼じゃない。謝りなよ」


「これは必要な事なんだ。俺が間違っていたら謝るさ。でも間違っているとは思えない」


「かかわっているわけないじゃないですか!」


「そうよね」


「じゃあ確かめさせていただきますね」


 俺がそう言って身体強化と高速ウィップを使い勇者に斬りかかる。すると勇者から黒い靄が出てきた。


(なんだこれは...)


 黒い靄が物体に変化して、ミノタウロスみたいな存在になる。


「見破られてしまうとはね」


「え?」


「このままうまくいけば人族を崩壊することができたのに」


 勇者が倒れてる隣でアメリアが敵に尋ねる。


「あなた誰?」


「まあいっか。ベルゼブブ。聞いたことぐらいない?」


「ベルゼブブって」


 俺がそう言ってしまう。ベルゼブブって確か魔王...。魔王に操られていたってことか? 


「魔王。君たちでも知っているよね?」


「あぁ。いつから勇者を操っていたの?」


「それは言えないな。それより穏便に済ませたいからみんなここで死んでくれる?」


 みんな死ねだって? 何を言っているんだ? するとエルミナが言う。


「そんなの無理。それよりも魔族って日が当たるところでは力があまり発揮できないんじゃなかったっけ? それでこの数を倒せると思ってるの?」


「そうだね。でも君たちぐらいなら殺せると思うんだ」


 そう言って魔王があたり一帯を円状の黒い霧状態にして、外部からの視界を最ぎった。


「これで見られる心配もない。心置き無くやれるよ」


 魔王が俺たちに向かって攻撃を仕掛けてきた。

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