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8話 決断を迫られる

 立っていることすらできない。それほど魔力を使ってしまった。倒れている目の前にティーさんがやってきた。


「いい戦いだったよ。最後斬られてしまうとは思っていなかったよ」


「それは俺のセリフですよ。服の端っこしか斬れないなんて...。完璧なタイミングだったと思ったんですけどね...」


「完璧なタイミングだったからこそだよ」


「...?」


 完璧なタイミングだったからこそ? 完璧なタイミングが悪い事なのか? あのタイミングは俺にとって最高のタイミングだった。それが原因だって?


「それにしてもクリスくんとノアくんは強いね」


「本当ですか! でもグランドクロスをあんなにあっさり消されてしまうなんて...」


「じゃあノアくんはクリスくんを連れて部屋まで入って来てくれ」


「はい」


 ノアがそう言うとエルミナとルビアも俺を部屋まで連れて行く事に手伝ってくれた。


「ありがとう」


「いいって。本当にいい試合だったね」


「本当ですよ! 二人とも本当にお強いですね」


「あはは...」


 今そんなことを言われても素直に喜べない。ティーさんにあそこまで弄ばれて強いと言われても...。皮肉を言っているわけじゃない。それでも喜べる自信がなかった。あのタイミング、あそこまで持ち込めたら一太刀ぐらい入れられると思っていた。だけどそれができなかった。


(悔しい...)


 今歩けなくなっている俺自身が悔しい。なんでこんなになっているんだよ! ティーさんは軽く動いているし、ノアも自分で歩けている。それなのに俺は...俺は...。


 部屋に入るとティーさんから言われた。


「まずノアくんはこのまま練習をしていったら12騎士付近まではいけると思うよ。問題はクリスくんだね。はっきり言って自分の実力を使いこなせていない。ノアくんは自分の力を理解して戦っていたけど、クリスくんは違うよね? 多分だけど今まで本気で長時間戦ったことがなかったんじゃない?」


「はい...」


「だから君には一人で練習する危なっかしさがあるし、魔法をうまく使う方法も知らないだろう。さっき戦ってみて思ったけど魔法を使う際魔素が駄々洩れだったよ。これを抑えるだけで魔力消費が結構減ると思うんだよね」


「はい。どうすればいいですか?」


「だから一つ提案があるんだ」


「なんですか?」


「クリスくん。私の弟子にならない?」


「え?」


「聞き取れなった? 私の弟子にならないって言ったんだ」


「...」


 弟子...。この人の弟子になれるのは嬉しい。だけど弟子になってしまったらオージラから出れなくなってしまう。そしたらみんなの迷惑をかけてしまう。弟子になるならパーティから脱退するしかないのか...。


「まあワイバーン討伐もあるし、それが終わってからでいいよ」


「はい...」


 はっきり言って迷いどころだった。ここで弟子になったら実力が上がるし、みんなのことも守れるような力がつくと思う。でもそれを選んだらよくて一時的なパーティ脱退。最悪パーティに戻れないかもしれない。


 今の俺があるのはエルミナのおかげ。エルミナがいなかったら今みたいな楽しい生活もできていなかっただろうし、ノアやルビアみたいな仲間にも出会えていなかった。今の生活が俺は好きだ。それをやすやすと捨てる選択ができなかった。



 3時間ほど休憩をして、俺が動けるようになったところでワイバーン討伐に向かう。この時もテレポートを使ってもらいすぐさま移動した。


 ワイバーン討伐はルビアがやる予定だったため見学をしている。ルビアはエリア強化を先に使ってから、ついさっき身に付けた雷玉(エレクトロボール)を使う。すると一体目のワイバーンにあたったところから伝染するかのように2体目にも雷が移り、倒れた。


 その時ティーさんがワイバーンに水玉(ウォーターボール)を使い濡らす。


「ルビアさん魔法を撃ってみて」


「はい」


 ルビアが雷玉(エレクトロボール)を使うとさっきは2体だったのが5体まで帯電して倒れた。


「すごい!」


「水と雷は合わせやすいからね」


「参考になります!」


「じゃあ牙を回収して家に戻ろうか」


 ティーさんがそう言う通りに牙を回収して家に戻った。部屋に入り少しリラックスしていたところで聞いてきた。


「それで弟子にはなるの?」

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