2話 初クエスト
俺はその後も預言とコピーの魔法を使い、オーガから身体強化、リッチから火玉をコピーして使えるようにした。
そしてやっと冒険者ギルトに向かい、冒険者の登録をする。
「クリスさんは職業が預言者ですが本当に冒険者になられますか？ 冒険者は死と隣り合わせです。なので預言者だとあまりオススメできませんが...」
「大丈夫です」
「では登録しますね」
「お願いします」
俺は血を少しギルドカードに垂らして、登録を済ます。
「登録完了です。クエストは掲示板に貼ってありますのでそこから受けてください」
「はい」
「クリスさんはＦランク冒険者です。前後1つのクエストまで受けることができますので、クリスさんの場合ですとＥランクのクエストまで受けることができます」
冒険者にはランクがあり、Ｆランク～ＳＳＳランクまである。誰しもが最初はＦランクであり、ＳＳＳランクになると国家権力並みの権限を持つ。
「ありがとうございます」
「では頑張ってください」
「はい」
やっと冒険者になれた。これで一つの目標はクリアだ。でもなれてよかったじゃダメ。ここから実績を積んでＡランク～ＳＳＳランクを目指し、有名冒険者になってアメリアを見返してやるんだ！
「俺を捨てたことを後悔させてやる」
俺はそう思いながら宿に戻り、預言の魔法を使う。
{どの未来がみたいですか？}
{明日。どのクエストを受けたら安全かつランクを上げやすいかを見てほしい}
{わかりました。最初はＥランククエストのゴブリンです。それをクリアしたらコボルト退治。そしてアンデッド退治。この3つをクリアしたらＥランクに自動的に上がれると思います}
{ありがとうございます}
ノエル様に預言をしてもらい、明日の準備をする。まずはゴブリン退治。一人でやるには危険かもしれないが故郷で剣の練習したし、魔法も覚えた。それにガーゴイルやオーガに比べれば弱い。
次の日になり、ゴブリン退治をする。退治数は最低3体。上限は無し。
俺は森に入り、ゴブリンを一体ずつ倒していく。身体強化の魔法を使いどんどん切り倒していく。1時間ぐらいったところで少し休憩をはさむ。
「20体か...。結構倒したな。このまま倒してもいいが、最初のクエストだしここで終えておくか」
俺はそう思い、森を出ようとした。その時
「誰か助けて！」
南西の方向から声が聞こえた。俺はその方向に行ってみるとゴブリン10体に囲まれているエルフの女性がいた。
俺はすぐさま加勢する。数分後には10体すべてを倒すことができた。
「あなたのおかげで生きることができたわ。ありがとう」
「いえいえ。あなた一人でもなんとかなったと思います」
「そうでもないわ。私は弓使い。だから前衛職がいなくちゃきついの」
「そうですよね...」
そんなことわかっている。故郷で嫌と言うほどアメリアと練習したから。嫌なことを思い出してしまった。周りにモンスターがいないことを確認して
「では」
「まっｔ」
俺はその人の言葉を聞かずに帰った。
だがこの出会いが俺の人生をさらに変化させていった。
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