16話 闘技大会 本戦1
明日も本日同様10時から2時間おきにアップしていきます。
闘技大会当日。いつもより少し早く目が覚めた。
(今日負けたらルビアさんとパーティが組めなくなるってことだもんな...)
それにしても本戦は誰になるんだろう? 去年の1位の人だけは嫌だな...。俺ですら知っているぐらい有名な人---アーサー・ミラー。今後この国最強騎士となると言われていて、ノアさんと一緒の聖騎士。ノアさんとは魔法を使って五分五分ぐらいまで戦えたが、アーサーさんと戦う時はそううまくはいかないと思う。この人は俺から見ても別格だ。なんせ1対300で勝ったという噂もあるし、使える技---グランドクロスがやばい。前方方向の敵に向かって十字の斬撃が飛んでくる。まずよけることができない。それほど範囲が広い。それに付け加えて威力も高く、当たったらまず間違いなく軽傷じゃすまない。
(この人は化け物だな...)
アーサーさんレベルとまでは言わなくても、このレベルに近い人が最低でも後3人はいると思う。なんせこの大会でベスト4に入る実力があるってことは並大抵の人ではないってことだもんな...。
そんなことを考えながら闘技場に行くと対戦表が張り出されていた。俺の相手は...去年ベスト4の人。どんな人なんだろう? 去年の今頃はこの大会に出ることすらないと思っていたから闘技大会を見ていない。
(情報がないって言うのはきついな...)
それでもし勝ち上がれば次はアーサーさんか...。ノアさんは1回戦が去年ベスト8の人。ノアさんなら勝てるんだろうな...。
そんな時エレノアと会う。
「いよいよ本番だね! 頑張ってね!」
「あぁ。それで俺の対戦相手の人知っているか?」
「ミノ・カーナさん? 確か宮廷魔導士だったはず。全然知らなくてごめんね」
宮廷魔導士? だから去年もベスト4まで勝ち上がっているのか...。でもどんな魔法を使うんだ? 遠距離魔法? 近距離魔法? そのどちらかに加えて回復魔法や状態異常の魔法も使うのか? でも魔導士って聞いた時点で勝ち目はある。それをどうやって勝ちまでもっていくか...。
「すごくいい情報だったよ。もしかしたら勝てるかもしれない」
「もしかしたらじゃなくて勝ってよね!」
「そうだったな」
「頑張ってね!」
「あぁ」
魔導士ってことが分かった。なら戦い方次第で勝てるかもしれない。
☆
試合会場に入る。すると20代前半ぐらいの男性が出てきた。
「今年も私より若い人と戦えるのは嬉しいですね」
「よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
見てはっきりわかった。この人も尋常じゃなく強い。相手の魔力が強ければ魔法を使う人ならだれでも力量差が分かる。体からにじみ出ているように魔素が出ている。
「では! 試合開始!」
試合開始の合図と同時にミノさんの頭上に炎の玉がでできた。
(でかい...)
ゆうに俺を燃やし尽くせるぐらいの大きさはある。相手が撃ってくる前に俺も身体強化を使いながら高速を使う。
「では準備は整いましたか?」
「...」
待っていてくれたってことかよ。なめやがって。
「あぁ」
「では行きますよ」
ミノさんが合図すると俺に向かって炎の玉が飛んでくる。俺はすぐさま場外になる寸前まできてよける。すると2発目、3発目と撃ってきた。
(そんなの反則だろ)
2発目をよけられたが、3発目がよけられる軌道じゃない。俺は無意識に手を炎の玉に触り、魔法無効化を使ってしまう。すると炎の玉が一瞬で消える。
「は?」
「...」
序盤で使うつもりはなかった。でもこれでこの魔法はバレた。作戦では身体強化と高速で間合いを詰めて、近距離の魔法を魔法無効化で消して倒す予定だった。
これで作戦も立て直さなくちゃだな...。
その後も炎の玉が来たが魔法無効化で消す。するとミノさんが言う。
「降参します」
「え?」
今なんて言った? 降参? まだ始まったばかりなのになんで...。
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