表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/52

15話 闘技大会 予選2

 会場に入る。円形の石でできていて、場外は水になっている。そのため場外になったら、予選に復帰する不正行為はできない。そしてノアさんと合流する。


「じゃあよろしくね」


「はい」


 ノアさんを除く参加者を見る限り強そうな人はいない。でも俺は予選通過が目標なわけじゃない。本戦でベスト8以上が目標なためこの試合も工夫して戦わなくちゃいけない。まず実力を隠して戦わなくちゃいけない。本戦出場者も予選は見ていると思う。だから予選を本気で戦ってしまうと本戦で戦う時手の内を知られて戦うことになってしまう。予選を出ているため、本戦から出場する人たちより体力はディスアドバンテージだ。それに加えて手の内まで知られていたら勝てる気がしない。


 試合の合図がした。すぐさま周りの人たちが俺とノアさんに攻撃を仕掛けてくる。はっきり言って幼稚な攻撃だ。正面から剣で切りかかってくるなんて...。それも後衛の魔法使いがいない。的ですよって言っているようなもんだ。


 俺は相手の剣をかわしながら、痺動(ニール)を使い動きを鈍らせてから場外に突き落とす。この試合は痺動(ニール)と身体強化しか使わない予定だ。ノアさんの方はうまく剣で受け流しつつ気絶させていっていた。


 二人で何十人倒しただろう。それほどに感じるぐらい倒した。残り3人。


「ノアさんどうしますか?」


「そうだね。ここで二人で戦ったら簡単に行けるだろう。でも相手さんにも申し訳ないしここはじゃんけんで戦う方を決めようか」


「そうですね」


 俺はチョキ。ノアさんはパーを出した。


「じゃあ僕が戦うね」


「お願いします」


 そう言ってノアさんが戦い始める。ちゃんと戦いを見るのはこれが始めて。戦い方がきれいで見とれてしまう。相手をほんろうするフェイクを入れて倒す。それも剣の型を壊さずに倒してしまった。


「お待たせ。じゃあ戦おうか」


「はい」


 最初はお互い探りを入れながら間合いを図る。距離にして7.8メートル。この均衡を崩したのはノアさんだった。一瞬にして間合いを詰めてきた。


(速い...)


 剣で受けるのがやっとだった。その後も攻撃は続く。左から来ると思った剣が来なく、なぜか右から来た。俺はギリギリかわせたと思った。なのに腹部に痛みを感じる。


(なんでだ?)


 この攻撃が何度も来る。防戦一方...。


 俺は一旦後方に下がり身体強化を使う。そして切りかかる。剣技じゃかなわない。だったら力と動くスピードで対抗する。それに加えて痺動(ニール)を使う。一発目がかわされた。その後も様子を伺いながら痺動(ニール)を使う。それでもかわされる。身体強化と痺動ニールを使っても五分五分かちょっと不利な状況。


 そのまま8分ほどが経った。


「降参します」


 俺は降参した。勝ち目が見えない。預言や高速(ウィップ)火玉(ファイヤーボール)などを使えば勝てるかもしれない。でも今回は予選突破じゃない。本戦で1勝すること。


「まだまだだろ?」


「買い被りすぎですよ。俺はこんなもんです」


「そっか...」


 そして審査員が言う。


「勝負あり!」


 審査員が言うのと同時に司会者が会場に入って来てインタビューが始まる。


「1位通過おめでとうございます!」


「はい」


「ご職業は何ですか?」


「聖騎士です」


「すごいですね! 1位通過も納得です。本戦でも頑張ってください」


 そして俺の番がくる。


「2位通過おめでとうございます」


「ありがとうございます」


「ご職業は何ですか?」


 職業...。俺は預言者を気に入っているし、慣れてよかったと思う。でもみんなからしたら底辺職業。ここで本当のことを言っていいのか? 


 そう思ったが、ここまで強くなれたのはノエルやアマテラス様、ミネルヴァ様のおかげ。それなのに嘘をつくってことはあの方たちに失礼なことだと思った。


「預言者です」


「預言者...。マイナーな職業ですね。本戦も頑張ってください」


「はい」


 反応がこんな感じなのはわかっていた。観客もガヤガヤし始めている。だけど俺は観客や司会者などの目よりあの方たちの方が大切だし、尊敬している。だからこの回答が間違っているとは思わなかった。


 会場内に戻ると第1ブロック出場者たちからヤジが飛ぶ。


「俺も第2ブロックが良かったわ」


「俺もだよ」


「それな!」


「ちょっとあn」


 エルミナが何か言おうとしたところでノアさんが言う。


「お前たちは負けた存在なんだよ。外野は黙っていろ。それにこいつは本戦でもいいところまで行くと思うぜ」


「...」


「本戦でも頑張ろうぜ」


「あぁ。ありがとう」


 おれがお礼を言うと耳元で言われる。


「次は本気で戦おう」


「...」


 バレていたか...。そして予選初日が終わった。


「クリスおめでとう!」


「ありがとう! 次からが本番だから」


「そうだね!」


「じゃあ明日のために宿で休むよ」


「うん!」


 本戦の組み合わせは当日までわからない。でも予選2位通過者が当たるのは昨年の上位4人の誰か...。気を引き締めて挑まなくちゃだな...。

「うん!」

【作者からのお願い】

この作品が【面白そう!】、【期待できそう!】、【続きが気になる】と持ってくださった読者様、是非ブックマークと広告下にある評価【☆☆☆☆☆→★★★★★】で応援していただけると嬉しいです。


【評価だけでもしていただけると作者のモチベーションがものすごく上がるので、もしよろしけれお願いします!】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読み頂きありがとうございます!!

↑↑評価は広告下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしたらできます!

【続きが読みたい】、【少しでも楽しい!】と思いましたらブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。

▼煙雨の新作です!!!▼

パーティ追放された最強最弱ヒーラー~実は怪我を治していたわけではなく、時間帰還【タイム・バック】で時間を巻き戻して怪我を無かったことにしていたようです! 今更戻って来い? お断りです!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ