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14話 闘技大会 予選1

 闘技大会前日。エルミナと一緒にエントリーをする。


「エルミナもでるの?」


「うん! 1人より2人の方が残れる可能性が高いじゃん!」


「そうだね」


 お互いエントリーを済ませて各自宿に戻る。この2週間ひたすら高速(ウィップ)の練習をしていた。まず高速(ウィップ)の下限を知るところから始めて、その次は高速(ウィップ)と身体強化の連携技。この二つを合わせるだけで大抵のモンスターは瞬殺できた。そして最終段階として高速(ウィップ)と身体強化の連携に付け加えて魔法無効化を使う。


 最終段階は結局ものにすることができなかった。高速(ウィップ)と身体強化を組み合わせるだけで大抵のモンスターを倒してしまうため、モンスターが魔法を使う前に終わってしまう。エルミナに頼んでもよかったが、多分ついてこれなかっただろうし。



 そして闘技大会当日。エルミナと一緒に闘技大会の会場に行く。


「頑張ろうね!」


「あぁ」


 そして会場に入る前でルビアさんがいた。


「二人とも頑張ってください。怪我だけはしないように...」


「うん!」


「ありがとうございます」


 これを言うためだけに言いに来てくれたのだろうか? 本当に律儀な人だな。そう思いつつルビアさんと別れて会場に入る。すると受付員にカードを渡される。


[第2ブロック 1番]


「クリスどこだった? 私は第1ブロックの100番目だったよ!」


 来た人順に分けているのか...。それにしてもブロックが別々でよかった。同じブロックになっていたらお互い勝ち上がれる可能性が低くなる。


「俺は第2ブロックの1番だったよ」


「じゃあ私が最初に始まるのね。期待してて!」


「あぁ」


 二人で話しているとこちらに男性が近づいてきた。


「生きていたんだね。よかった」


 迷宮ダンジョン入り口で話した人だ。この人も出るんだな...。


「はい。あなたも出るのですね」


「そうだよ。俺は第2ブロックの77番。君たちは?」


「俺も同じブロックです。エルミナは第1ブロックだそうです」


「ふーん。じゃあ君と対戦するってことか...。知り合いと当たるのは嫌だけど、戦う時はよろしくね」


「はい」


 その男性がそう言って立ち去っていく。


「あの人誰なの?」


「ダンジョンで少し話した人だよ」


「そっか。負けないでよ!」


「あぁ!」


 そうは言ったものの勝てるかわからない。あの人は多分できる人だ。歩き方から立ち振る舞い。はっきり言ってそこらへんにいる人とは次元が違う。それに加えて迷宮ダンジョンで15階層まで行ったって言っていた。俺は5階層できつかったのに更に奥まで行っているってことはやり手だ。


(本当に勝てるのだろうか...)


 そんな不安を抱えながら第1ブロックの試合が開始する数分前になる。


「じゃあ行ってくるね!」


「行ってらっしゃい。頑張ってきて」


「うん!」


 エルミナが闘技場に向かった。それを見送った時あの男性がまた話しかけてくる。


「あの人は上がれると思うかい?」


「え? まあ上がれると信じていますよ」


 俺がそう言うとその男性が真剣な顔で言う。


「本当にそう思っているかい?」


 ドキッとした。俺の真意を見通しているような言葉を言ってきた。はっきり言ってエルミナの実力じゃ厳しいだろう。それこそ運が良ければ2位通過できるかもしれない。だけど今の実力で上がることはほぼ不可能だろう。


「まあ厳しいでしょうね。でも上がれる可能性はあると思っていますよ」


「はは。そう言えば自己紹介がまだだったね。騎士爵家次男のノア・ホワイトだ。君は?」


「クリス・ペテロと言います。平民です」


「そうか。でもここでは貴族や平民、種族は関係なく個々の力を競う所。俺の見立てだと君はそこそこできるよね。一つ提案なんだけど、試合が開始したら手を組まないかい?」


「え?」


 そんなことしていいのか? 予選とはいえ正式な試合だぞ?


「予選は言わば団体戦。手を組む人も多いんだよ。だから残り二人になるまで手を組むって言うのはどうかなって思ってさ」


「...。いいですよ」


 それなら断る理由がない。今だけ仲間になるってことか。


「じゃあ試合が始まったらよろしくね」


「はい」


 仲間になったからって気を抜けるわけじゃない。もしノアさんに裏切られたら? もし他の人とも手を組んでいたら? 警戒をしておいて損はないだろう。


 ノアさんと会話が終わって試合を見ようとしたら第1ブロックの試合がすでに終わっていた。...。早くないか? こんなに早く終わるものなのか? すると司会者から勝利者にインタビューが入っていた。


「1位通過おめでとうございます!」


「ありがとう」


「ご職業は何ですか?」


「賢者」


「また珍しい職業ですね! 素晴らしい魔法でした。本戦でも頑張ってください」


「あぁ」


 そして2人目のインタビューに入る。エルミナじゃない...。やっぱりダメだったか。


「2位通過おめでとうございます!」


「ありがとうございます」


「ご職業を聞いてもいいですか?」


「騎士」


「2位通過するのも納得の職業ですね! 本戦でも頑張ってください」


 1位通過の人と2位通過の人のインタビューを見て思った。試合をあまり見ていなかったからわからなかったけど、多分1位通過の人がほとんどの敵を倒して終わらせたのだろう。2位通過の人が弱いわけじゃない。それでも1位通過の人が強すぎるんだろう。


 すこし待つとエルミナが来た。


「負けちゃった...」


「お疲れ様。怪我がなかっただけよかったよ」


「うん...。クリス頑張ってね」


「あぁ。行ってくる」


 エルミナが負けたため、もし俺が負けたらルビアさんと一緒のパーティが組めなくなる。ここが大一番だな...。


 そして第2ブロックの試合が来た。

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