12話 ミネルヴァの加護
「ここって...」
俺の予想だと...。俺はそう思い預言を使う。
{やっと見つけましたね。ミネルヴァを呼んできますね}
{あ、ありがとうございます}
やっぱりここが隠しエリアだったのか。普通こんな場所見つけられないぞ? それよりもここに来る際、壁から落ちてきたってことはここは迷宮ダンジョンの5.5階層ってことでいいのかな? いろいろ考えているとミネルヴァ様が話しかけてくれる。
{はじめまして。ミネルヴァと言います}
{初めまして。クリス・ペテロと言います}
{ノエルから話は聞いています。私の加護が欲しいのですよね?}
{はい}
{なぜそこまで畏まっているのかは分かりませんが、いいですよ?}
{加護を貸してもらう立場でこの疑問はおかしなことなのですが、なんでそこまで簡単に俺に貸してくれるのですか?}
はっきり言ってわからなかった。ノエル様と俺は契約をしているのだから、ノエル様が俺に加護を貸してくれるのはわかる。だけど、アマテラス様やミネルヴァ様が俺に加護を貸してくれるのが分からなかった。初めて会ったやつにあっさり貸してくれる理由がわからない。もし俺が神の立場だったらそんなにあっさり貸すわけがない。まずその人のことを調べて慎重に貸すかどうかを決める。
{それはあなたが選ばれた者だからです。それにノエルが私にお願いしてきたからですよ}
{ちょっと! それは言わない約束じゃない!}
え? こんなノエル様を見るの初めて! 神に向かってちょっとかわいいと思ってしまった。
{まだ納得いっていないようですね。このノエルって言う神g}
{それ以上は言っちゃだめだよ?}
{わかったわよ}
神同士の会話も人間同士の会話とあまり変わらないんだな。
{それで本題にもどるけど、あなたに加護を授ける理由は簡単ですよ? まず預言者とは神同士が話し合って決める。だからあなたが預言者になったことも知っていたわ。話し合ったってことは預言者として認めたってこと。そしたら加護が欲しいって言ってくるのも予想がつく。だから簡単に授けてあげられるってなるのよ}
今ミネルヴァ様が言っていたことはノエル様も言っていた。本当に俺は選ばれたんだなってミネルヴァ様の言葉で実感した。
{ありがとうございました}
{うん! それにしてもよくここを見つけられたわね}
{運がよかっただけです。本当は見つけられなかったかもです}
{そっか。まあいいわ。加護を授けます}
ミネルヴァ様がそう言うと俺の脳内にスッと力が入ってくる。
【魔法無効化】【エクストラヒール】
{魔法無効化はそのままの意味です。エクストラヒールとは簡単に言えば状態異常回復と少々の回復が組み合わさった回復魔法です}
魔法無効化って聞くだけで強そうだし、エクストラヒールも聞く限りやばい。まず状態異常回復ができる時点で麻痺、毒、睡眠を無効化できるってことだよな。それに加えてダメージも回復できるって...。
{ありがとうございました!}
{いえいえ。お礼はノエルにでも言ってあげて。天界で見守っていますよ!}
{はい!}
そう言ってミネルヴァ様の声が聞こえなくなっていった。
{ノエル様もありがとうございます]
{いいのよ。それよりも一つお願いをしてもいいかしら?}
話口調がミネルヴァ様と話しているようになっている。少し新鮮だ。
{はい。なんでしょう?}
{元々くだけた口調はたまに出ていましたし、お互い敬語は無しに決めませんか?}
...。嬉しい提案だけど、神に対してため口でいいのか? それでもノエル様がため口の方がいいって言っているし...。
{わかりましt。わかったよ。ノエル、今後宜しくね}
{はい! よろしくね。クリス!}
☆
5.5階層で少し休んだ俺はすぐさま5階層に戻る。
(周りにミノタウロスはいないな)
ミノタウロスがいないことを確認して5階層を歩き始める。今の俺なら勝てるだろう。でも今はそんなことより早くオージラに帰ってエルミナのサポートをしたい。
そのまま何もなく迷宮ダンジョンを抜けることに成功した俺は森に入る。森の中は行きと一緒で円を使ってモンスターと会わないで草原まで出れた。森をでてきた場所と一緒のところで野営をした。次の日、草原を歩き始める。草原でも森と同様に円を使う。すると行きは半日かかったのに、帰りは行きの半分の時間でオージラに着いた。
(本当に円って便利だな)
エルミナ。どこにいるかな?
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