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「ザコいな」

少年Aはパソコンの目の前でそんなことを呟きながら、カタカタとキーボードを打っていた。

「やっぱし俺のレイヴは強いな。一撃だぞ」

全て独り言だ。悪いか?






■■■ とりあえず、ね ■




「ほら、たく兄、起きなよぉ。早くしないと遅刻しちゃうぞ?」

目を閉じていてもほんの少しだけ、いや、ものすごく眩しい。

うっすら目を開けると妹が俺の体に乗っている。

「うわぁっ、やめろ!俺はロリコンじゃないんだっ!!」

「朝から何言ってんのよ?おかしな拓兄。ほら、もうご飯だって出来てるんだから早く支度して?」

「・・・」

 なんだ、玲奈れなか。

 玲奈は中学2年生。ちなみに俺は高校1年生だ。

生まれつきの持病で喘息を持っていて、あまり体は丈夫ではない。性格も内気で、例えるとクラスの中のバカっぽい男子たちがこれまたバカな事をして主力的女子が大笑いしているのに、奥の隅のほうでクスクスと密かに笑っているアレだ。

普段は頭の上のほうで二つに結んでいる。いわゆるツインテールと言う奴だ。

可愛いとは思うが、俺のドツボには入らない。

 玲奈は部屋を出て行って階段を降りていった。

ベッドの下には数冊のエロ本やなんやらが種類別に重ねてある。きれいではない。

あんまり玲奈には部屋に入ってきて欲しくない。

 しばらくぽけーっとしていると携帯のアラームが鳴り出す。

「あ、そうだ。今日学校だ」

 こういう高校生もどうかと思う。


 高校生になって最初の夏が来た。

 一体いつからを夏というのかは知ったことじゃあないが、とりあえず暑くなったら夏なのだ。

それでいいんじゃないのか。

 梅雨も過ぎた真っ青な快晴の空を見上げて、俺はとてもためになる教師の言説を聞き流し、授業のだるさを満喫していた。

退屈だ。素晴しいまでに退屈だ。そして眠気が襲う。

机にぐったりと倒れこんでため息をつく。

 きーんこーんかーんこーんのチャイムの音で目が覚める。

無意識に時計を見てみると昼の3時を過ぎていた。今日の授業は終わったのか。

教室の一番前の席でぐったりしている生徒(俺)はほったらかしにされていたのだろう。

諦められてるんだな、と嬉しくも思わず、悲しくも思わない心境で、筆箱と財布しか入っていないスクールバックを手にし、教室を後にする。

 家はわりと近いほうで、歩いて30分。走ってせいぜい20分だ。

 家族構成・・・父、母、兄、妹、俺

父と母は結婚25年目だというのに未だその愛は出会った頃と変わらず(本人たちが言うにはの話しだが)、半月後くらいまでは海外で旅行している。

子供は親の元から巣立つのが最終的な仕事だといわれるが、俺の家庭はもはや親が子供放棄して巣立っていってしまっている。

でも俺の兄はもう社会人なので、毎日の食事の分は稼いでいける。

学費は親がどうにかして振り込んでいるらしい。どうやってやっているのかは知らない。


 家に着いて玄関を開けると、その兄が玲奈れなの腰辺りを膝まついて抱きついていた。

「おっ!お帰りぃたくぅ」

「拓兄、お帰りなさい」

「何やってんだ、お前ら」

こんなカタチでお出迎えされて嬉しいなんて思うはずがない。

すると兄は何にエバっているのか分からないが、そんなような態度を取って言った。

「これはロリコンの特権だ!!・・・・・なんだ?嫉妬してんのか?」

「してない。それ以前に俺はロリコンじゃない。玲奈、嫌ならはっきり言ってやったほうがいいぞ?」

「いいの。しょうがないし、言っても聞かなそうだし」

いいならいい。

そのままバカな奴らはほっといて2階の自分の部屋に行って荷物を置く前にパソコンの電源をいれる。

俺には毎日夜6時と深夜12時に必ずやる日課がある。

「まだ早いな。しばらく狩でもしておくか」

私服に着替えて椅子に座りキーボードをカタカタ打っていく。

何をやっているのか。

オンラインゲーム。ネトゲである。

2年半前くらいから始めたのだが、レベルはまあまあ、そこそこといった感じだ。

ジョブ(職業)は銃使い。名前はレイヴ。装備している服は軍曹のような格好をさせている。

自分で言うのもなんだが、かなりかっこいい。

気に入っているので、データを消そうにも消せない状態だった。

そして消さずにずっと遊んでいたら、まぁまぁ強くなったしパーティー(一緒に戦うチームのようなもの)を組める友達も出来た。

そして今日、夜の6時に待ち合わせをしている。掲示板のところだ。

しかもそれが、すげえ好みの女の子でウハウハしているところだ。

正直ネトゲで女の子と話したことなんて2.3回しかない。経験がない出来事が起こり、軽く動揺していると、勝手に話を進められて今日待ち合わせをすることになったのだ。

「ちょっと髪形変えていこうかな」

女の子の名前は『姫』。金髪のショートカットで、目は澄んだ青色。黒いコートみたいなものを着ていた。

ジョブは賢者。魔道士のクラスチェンジ後のジョブで、魔道書と杖、それから短剣を装備できる。

レベルは208と、かなりの上級者で強い。

こんな子とパーティーを組めたら・・・と思うと乱心だ。(冗談)

今の『姫』の設定はもちろん昨日とったメモを見た。

俺には人並みの記憶力がないらしく(決して病気ではありません)こうやってメモをとっておかないと忘れてしまうのだ。


6時になったら何の邪魔もなくネトゲをやっていたいから先に飯でも食っておくか。

パソコンをスタンバイの状態にして部屋を出た。

下に降りていくと玲奈れながもう夕食の準備をしていた。

そしておせっかいな兄→裕也ゆうやが手伝いをしている。

「あ、拓兄。もう少しでご飯できるからもう少し待ってて」

「拓〜。少しは玲奈の手伝いをしてやろうとかそうゆー気持ちはないのか?」

「俺がやったってまずいもんが出来上がるだけだよ。せっかくの玲奈のゴチソウにそんなこと出来ないだろ」

「た、拓兄・・・・」

少し赤面する玲奈はかわいい。―――可愛い奴め・・・

「あっ、何だ!さりげない言葉で何となくめたな?くそ〜、拓のクセにぃ」

だがゴチソウと言う言葉に偽りはない。

毎日毎日どんな平凡な料理でも、ものすごくおいしい。どんな隠し味を使っているのかは分からないが、下手したらそこら辺の喫茶店よりもうまい。

今日の夕飯も白いご飯に野菜炒め、卵焼きに味噌汁といったシンプルなコンダテだったがおいしかった。

裕也も「おいしいおいしい」と毎日毎日言いながら食べている。

「もう、お兄ちゃんお行儀悪いよ」

「だって玲奈の作ったご飯おいしいんだもん。拓だってそう思うよな?」

「ああ。この味には文句なしだ。普通にうまい」

「・・・もう、今更何言ってるの。」

「俺らにとっちゃ、おふくろの味なんだよ」

夕食を食べている間も俺と裕也は玲奈を褒めまわした。

結果ずっと顔を赤くしてパッパとご飯を食べて自分の部屋に行ってしまった。

「あーあ、玲奈行っちゃったじゃん」

「てめーも同伴だろ。皿洗いよろしく〜」

といって俺は食べ終わった食器と流しに置いた。

「・・・今日の当番は拓だけど?」

「えっ!?・・・そうだったっけな?」

「とぼけても無駄だ!ほら、玲奈がこんな可愛い字で書いているじゃないか」

壁に掛けられているミニサイズのホワイトボードを見てみると、


『今日の当番   拓兄』


とゴシック体のような文字で書かれていた。

しかたない。まだ6時まで少しある。さっさとやって準備しよう。

「じゃあ、がんばってねー」

と言って裕也は2階に上がっていった。

「さてと、やるか・・・」




「よぉし、今日は拓の部屋に点検に行こうかな〜」

そう言って裕也は拓也(主人公の名前)の部屋に入っていく。

「うわ〜、さすがに多くなってきたなぁエロ本。こんなベッドの下にぐちゃぐちゃにして」

しばらくベッドの下のエロ雑誌をあさっていて、ふと机を見てみるとパソコンがスタンバイになっているのを発見する裕也。

「あ、・・・拓はいっつもパソコンで何をカチカチやってるんだろうな。ちょっと見てみるか」

そうしてパソコンを立ち上げるとあるページが表示されていた。

「ん?なんだこれ・・・。オンラインRPG?・・・ネトゲか!そうかそうか、こんなものを一生懸命やってるんだな。ふふ」

机を見てみるとメモの切れ端がたくさん散らばっていている。その中からランダムでメモを取ってみると、何かのログインIDとパスワードが書いてある紙だった。

「ふふーん。きっとこれはこのゲームのだな。ちょっと覗いてみるか」

IDとパスワードを入力してログインする。

そして画面がキャラ選択のページになる。

「うわ、あいつこんなごついアバター(ゲーム内の自分となる分身の事)使ってんのかよぉ。よし、俺がちょっと手直ししてやろう」





「よし、やっと終わったぞ。」

早くしないと待ち合わせに遅れてしまう。せっかくの女の子との待ち合わせなんだ。遅れてくるわけにはいかない。

急いで2階に駆け上がって自分の部屋に入ろうとドアノブに手をかけた瞬間、中からドアが開いた。

「あ」

―――裕也だ。

「お前、部屋で何をやってた?」

「・・・いや、エロ本何冊か借りていこうかなって思って、部屋のエロ本あさって、読みたいやつがなかったからいいや〜みたいな感じだ。うん」

「はぁ?勝手に触んなよー。あれでも何がどこにあるか頭の中で把握してるんだぞ?ったく。また整理しなくちゃ。ほら、出てけ出てけ」

「はーい」

意外にあっさり出て行った裕也は

「れなあああぁぁぁぁ!!!」

と叫びながら廊下を走り去った。

さぁ、もうすぐで6時だ。ログインしておこう。

スタンバイになっているパソコンを立ち上げて、メモをしたものを見ながらログインする。

す る と


『早くプレイしないと撃ち殺すぞ?ばかやろー』


パソコンから女の子の声がする。

このオンラインゲーム、キャラ選択のときにキャラのボイスが勝手に流れるのだが。

え?

なにこれ。

なにこのロリっ子。

ピンクのロリータ服に金髪のツインテールが揺れている。

そのキャラの名は、



「レナ」



「なななああぁぁんだとおおおぉぉぉぉぉ?????!!!!!!!」




はじめまして。 恵恋えれんと言います。

物語の舞台はゲーム内という設定なんですが。。。

まあ、今回は初回なわけですし現実世界でもいいですよね?


私、作者も重度の2次元中毒者ですww

けど、ネトゲの経験はあんまりないです(ぇ

お気をつけください(何をだ)

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