第1話 海に行こう
前回は、プロローグ的なものです。
ついに来た夏休み……今年もさっさと宿題終わらせてゴロゴロ堕落した生活を送ろう。
……そんなことを考えているのは、本作主人公である神谷英士である。外見はというと、前髪が目の辺りまでかかっていて根暗な印象を受けるあとは普通の男子高校生である。
どうせ、今年も隼人は彼女さんとイチャイチャして過ごすだろうし、他に一緒に遊びに行くような友達もいないしな。
隼人とは、英士の唯一の遊び友達である鈴木隼人のことだ。気さくで運動神経が良くて人望もあるイケメンである。
はぁ〜、俺も彼女とか作れたらなー、海やら山やら一緒に遊びに行けるのに……でも仲の良い女子とかいないしなー……
などと考えていると声がかかる。
「どうしたの?英士」
声がした方向を向くと、隼人がいた。
「ああ、俺も彼女が出来たらなーって思ってさ」
「英士にしては珍しいね。なんでまた?」
「夏休みに涼しい部屋でゴロゴロと過ごすのは素晴らしいが、やっぱ誰かと出かけたりしたいだろ?」
「英士がそんなこと言う日が来るなんて思わなかったよ」
「そういう日もあるんだよ」
中学一年生以来だけど。
「まぁ、そういうことならちょうどいい。英士、明後日から三日間空いてる?」
「聞かなくてもわかるだろ。俺は今から約1ヶ月、特に用事がないからな!」
「自慢げに言ってるけど、言ってて悲しくならない?それ。……話を戻すけど、明後日僕と明理で海に行こうと思っていてね。毎年、夏になると海の家を開いている親戚のおじさんとおばさんが連れて行ってくれるんだ。で、あと二人連れて行けるから誘っていいよって言ってくれたから明理と僕で一人ずつ誘おうって話になったんだ」
明理とは隼人の彼女である。美人で運動神経が良く明るい女子だ。英士の数少ない友人の一人でもある。
「それで俺を誘ったと」
「そうそう」
「なんで、誘ったんだ?恋人の他に俺とかが居たら邪魔だろう?」
「邪魔なら誘うわけないよ。やっぱり人が多い方が楽しいからね。それで来てくれる?」
とても魅力的な話だとても魅力的なのだが……
「……明理の友達っていうと、やっぱり女子だよな」
「もちろん!一番仲良くて美人な子をつれてくるって……「じゃあ俺はやめておこうかな」……えぇっ!?どうして!?」
「どうしてって……だって恋人の二人と良く知らない女子、それも全員美男美女ときた、その中には居づらいだろ?俺冴えない見た目してるし、良く知らない人ともいい感じに話せる気もしないし、なんか精神がゴリゴリと削れそうだから……」
「はぁ〜」
「……なんだよ?」
「英士。そんなことばかり言ってるから一緒に遊ぶような友達も、恋人も出来ないんだよ?本当に恋人や友達が欲しいならせっかくだから行かせてもらおうかなー、くらい言わないと!予定ないんでしょ?遠慮なんてしなくていいから来なよ、というか来い!」
「お、おう。じゃあ行かせもらおうかなー」
「いいだろう!じゃあ詳細は、帰ってから連絡するね。まったく、手間のかかる友人だなー」
そう口にしながら教室を出て行く隼人。こうして英士は明後日7月25日に海に行く事になった。
ご拝読ありがとうございます。
早速、どうストーリーを進行しようか迷走している作者です。
キャラの容姿については、ご想像にお任せします。一応こちらでも考えておきます。