誰?立派な部屋と外国の人達
大沢と吉野の驚いた顔を見た次の瞬間、いきなり大きな歓声が上がり、驚いて俺は周りを見回した。
赤いカーペットがひかれた豪華で荘厳な雰囲気の大広間。ここどこだろう?
座り込んでいた俺らを、外国の人たちが円になって囲んでいる。
ある人は興奮した様子で何かを話し、ある人は笑い、ある人は抱き合い、泣き、膝をついて祈り……何語だろう?言葉が分からない。
祈られてる?なぜ?
訳が分からず不安になって、他の乗客がいるか確認すれば、吉野の隣に座っていた制服を着た女子高生や、前の席に座っていただろう男、前の方にはバスの運転手の帽子を被ったおじさんも見えた。ちょっと安心する。
でも、疑問だらけだ。
バスの乗客全員、ここに来たのか?
騒がしかったのに、次は急にシーンと静かになった。今度は何だ!とキョロキョロすると、ドアから一人の女の人が入ってきたみたいだ。
外国人の視線すべてが女の人に向かっている。
綺麗な女の人だ。
格好はシスターに似ているが、服の色はピンク色で装飾なのかフリルが付いている。
ドアから真っ直ぐ歩いてくると、行く手にいた人達は横に逸れ道を作り、俺らを囲んでいた全員は膝をつき、祈るように手を組み頭を下げた。
近づいてくるシスターの得体が分からず恐怖を感じた。
もう近づくな!そこで止まってくれ!と恐さから心の中で叫んだ。心の声は通じていないと思うが、シスターが足を止める。
そして上を向き目を閉じ、両手を上げた。
えっ?何?
そこから、そのまま止まっているシスター。
上に何かあるのか?と上を見たら、天井から、キラキラと粉が落ちてきた。
幻想的にパラパラと落ちてくる光る粉。それはバスの乗客全員に降り注ぎ、音もなく消える。
何だ?今の……粉を浴びた体を確認する。なんともないよなと体を摩っている最中に、言葉を掛けられた。
「私の言葉、分かりますか?」
声がする方に視線を移すと、シスターが優しい笑みを浮かべて、俺らを見つめていた。彼女が話した言葉は日本語だった。
異世界の賢者のトップ、マベルさん。
年齢は20代の美人さんです。
レースのついたピンクの修道服?を着ています。