神威の森
今のままだと将来的にはこうなるのかも。
「エンヤ~レン、ソ~ランソラ~ンソ~ランソ~ランソ~ラン、ハイハイ……」
朧げな月の浮かぶ北の海で、老婆が歌う。
しかし、彼女は海に居ない。それ処か砂浜にも岸辺にも居らず、大地に立ってすらいなかった。
今、老婆が腰を下ろしているのは、エゾマツが密集する深い深い針葉樹林の一画に聳え立つ巨塔。薄汚れた金属を継ぎ接ぎした茎が開閉式のドームで傘を被った、茸のような雲のような、退廃的かつ罪深いデザインのそれは、この地における人間の生活領域だ。それ以外の土地は神の住まう土地であり、決して人間の生きていけるような環境にはない。何せ完全に森と化しているのだから。人に害為す動植物など、幾らでも居る。
「クソッ、何なんだよ、チクショウ……!」
そんな神森に、一人の男が居た。如何にも人を殺していそうな面構えだが、実際に彼は過去に連続殺人事件を起こしており、懲役十七年の実刑判決を受けている重罪人である。本来なら森の中だろうと何だろうと、こんな穢らわしい咎人が外に居る事自体おかしいのだが、彼は一体全体どうして禁足地の中をほっつき歩いているのだろうか?
だが、当事者たる男に、そんな事情を察する暇も説明している余裕も無かった。
「くっ、寄るな、来るな、虫けら共!」
先ずは無数のダニや蚊の大群が集まり、男の身体中に引っ付いて吸血を行う。全身を猛烈な勢いで痒みが走り、彼自身も払っているのか叩いているのか掻いているのか分からない程に、悶え苦しみながら森の中を駆け廻る。当然、方向感覚も何も無いので、手と言わず足と言わず頭と言わず、至る所をぶつけて流血し、更なる害虫を呼び寄せる悪循環へ陥っている。
「痛っ、いでででででっ、ぎゃあああああっ!?」
次いで現れるは、野鼠の津波。血の臭いに誘われたに違いない。ついでに蛭も参戦して、痒みとは比べ物にならない激痛を男に与えた。最早走る事すら叶わず、寄り付く害虫や害獣を潰しながらのた打ち回る。
「あぐぅ……あっ?」
突然、男は小動物による拷問から解放された。痛みや痒みはまだ続いているものの、追加ダメージを受けずに済んだからか、どうにかこうにか周囲を意識する程度の認識力を取り戻した。
『お~い……お~い……お~い……』
すると、森の夜闇から野太く低い、誰かを呼ぶナニカの声がした。正体は分からないが、少なくとも人間では無かろう。きっと、神と言う名の化け物に違いない。
――――――ヴゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウッ!
さらに、災害を告げるかのような、不気味なサイレンが鳴り響く。
「あっ……ああっ……!」
そして、男に最期の時が訪れ、悲鳴すら遺せず大自然へと還元されて行くのであった……。
◆◆◆◆◆◆
閻魔県要衣市古角町、峠高校の屋上。
「よし、旅行に出掛けよう」
唐突に香理 里桜が素っ頓狂な事を抜かした。
「急にどうした?」『ビバ~♪』
天道 説子がビバルディを撫で回しながら聞き返す。
「だって、世の中は夏休みの最中だろ? だったら、私らも遠出したって良いじゃねぇか」
「そうだけどそうじゃねぇだろ」
どうやら、里桜の行動原理に訳など無いらしい。気紛れにも程がある。
「そんで、何処へ行きたいのよ?」
「「敗北道」だよ」
「「神威道」だろ。つーか、あそこは旅行処か人の住む場所ですらないだろうに……」
「神威道」とは、日本列島で一番北に在り、二番目に広い面積を持つ、「都道府県」で唯一の「道」を担う島だ。かつては別の名前で呼ばれていたものの、自然の驚異に屈した末に土地の大部分が森に還ってしまった為、“神の威光が示された”という意味を込めて、現在の名に為ったという。そうした経緯からか、“試し終わった大地”だの“敗北道”だのと揶揄されたりもするのだけれど。
当たり前の事であるが、人間の生活領域は非常に限られており、少なくとも旅行感覚で出向いて良い場所ではない。自殺志願者なら話は別だが。
「だからこそだよ。一度で良いから、現地調査に行ってみたかったんだよね~」
しかし、その分だけ手付かずの大自然が広がっていて、豊かな生態系を織り成している。生物学に携わる者なら、危険を顧みずとも、一度で良いから訪れてみたい場所であろう。もちろん、命の保障は無い。
「まるで虫取り少年みたいな奴だな。……ま、良いけどよ」『ビバル~ン♪』
まぁ、こいつらなら問題は無さそうだけれど。全員が人智を超えた戦闘能力を持っているし。
「じゃあ、決まりだな~。早速予約を取るぜ~」
そういう事になった。
「――――――あっ、ついでだから、もう一人連れて行っても良いか?」
説子の提案で人数も追加して。
◆◆◆◆◆◆
日本で一番寒く二番目に広い島、「神威道」。
針葉樹林、広葉樹林、平野に河原、砂浜や岩礁地帯など、ありとあらゆる寒冷気候の大自然が揃い踏みとなっているが、代わりに人類の生活域は本当に少ない。「黒棺」という巨大な塔の上にしか住む事が出来ず、その楽園もかつて「市」であった場所に一つか二つくらいの割合でしか存在しない為、純粋な意味で人間が暮らせる大地は無いと言える。
「到着~♪」
そんな神威道で一番「黒棺」が建つ「箱禰市」に、里桜一行はやって来た。専用の円盤染みた輸送機に揺られた果てに、「五稜郭」という名の「黒棺」へ着陸する。直後、彼女らを迎え入れる為に開かれていた花弁状の隔壁が固く閉じられた。一応は電磁障壁が張られているものの、念の為である。
「まるで穴倉の鼠だな」
「本当に人が住んでるんだな……」
「………………」『ビバ~♪』
今回のメンバーは、里桜・説子・ビバルディの屋上三人組に加えて、流 龍馬と蜂紋 未乘の訳アリ兄妹の計五人。歩くだけで事件が起きそうな、米○町の名探偵染みた死神みたいな連中である。
「じゃ、後は若い人たちで!」
そう言って、里桜はさっさと隔壁の外へ行ってしまった。早速現地調査と洒落込むつもりらしい。
「お前も若いだろうに……」
「いや、それよりチェックインとかしなくて良いのか?」
「それもそうだな。馬鹿は死んでも治らんし、放っておこう」
里桜を見送る説子は実に冷ややかだが、何時もの事なので放置で良かろう。それよりも早く本日のホテルにチェックインしないと困った事になる。正しくは「民宿」なのだが、建物自体が大豪邸なのでホテルと言って差し支え無い。
「でも、何で急に旅行なんかに誘ったんだ? しかも、こんな馬鹿みたいに高い所に」
と、色んな意味でお高い宿を前に、龍馬が純粋な疑問をぶつけた。
「お前の為じゃねぇよ」
対する説子は、未乘を見遣って応えた。ビバルディをテディベアの如く抱き締める未乘の顔は、暗く意気消沈している。
「なるほど……」
ようするに、そういう事だ。
「ま、お前も少しは羽を伸ばすと良い」
「ありがとな、説子」
「別に……」
龍馬の素直な感謝に、説子は顔を背けた。
◆◆◆◆◆◆
「クソが……!」
尾切 夢衣は犯罪者である。ただし、死刑や終身刑になるような事はしておらず、精々空き巣やスリを繰り返しているだけのコソ泥だ。
だが、ある日スリのターゲットにした女性が偶然にも呼吸器系の発作を起こして倒れ、思わず彼女を助けたのだが、何と回復したその女性からセクハラで訴えられて逮捕されてしまい、ついでに余罪も判明して懲役五年の実刑判決を受ける事となった。
さらに、何の司法取引があったかは知らないが、留置所に詰められる事無く、直接的に神威道の森へ放り出されたのである。おそらく、助けた女が有力者の娘でフェミニスト(笑)だったのだろう。
しかし、これは珍しい事ではない。ズブズブになり切った行政と司法が、「禁固十五年を超えるような凶悪犯は神威道の「黒棺」の整備員及び開拓者として従事する」という実質死刑宣告のような法律を秘密裏に定めてしまったからだ。彼らからすれば、何の生産性も無い外道を体良く始末出来て万々歳であろう。
むろん、法律という物は権力者に悪用される物。今では有力な政治家や警察の幹部、果ては筋者たちが邪魔な人間や気に食わない奴を葬る為の、伝家の宝刀と化している。夢衣は、そんな“日本の闇”に呑まれ、死地へ追いやられたのである。
だが、今は己の境遇を嘆いている場合では無い。何故なら現在進行形で死の脅威が迫っているからだ。
「うぉあああっ!?」
早速、無数の毒虫たちが夢衣へ襲い掛かる。彼らに血を吸われた者は、全身を掻き毟った後に小動物に貪られ、最後は森の神々の供物となる運命が待ち受けている。夢衣とて例外では無い。
そう、埒外の事が無ければ。
「おやおや、虫けらが虫けらに襲われてやがらぁ」
毒虫たちが夢衣の下へ到達する前に、空から悪魔が降って来て、その全てを滅ぼした。言うまでもなく里桜である。
『キュゥン!』『チュゥン!』『キキキキッ!』
すると、今度は並みの小鳥よりもデカい、ホウジャクガやスズメガらしき魔物たち群がって来た。上半分だけが鳥の嘴で下側が口吻となっている。脚は二本だけで、残りの前脚と中脚は翅と融合して強靭な翼となり、長時間のホバリングを可能としていた。人間に躊躇無く襲い掛かる事を鑑みるに、口吻を突き刺して吸血する肉食の蛾鳥なのであろう。
◆『分類及び種族名称:復蜟超獣=アシトマチカプ』
◆『弱点:翼』
――――――キィイイイイイイイン!
『『『ピキャアッ!?』』』
もちろん、里桜の敵になり得る筈も無く、微小化粒子破壊光線で大半が消し飛ばされ、生き残りが慌てて逃げ出し、その一部が里桜の捕獲カプセルに収納される。
「あ、あんた一体……」
「えい」
と、驚き固まる夢衣の胸と股間を、里桜が思い切り鷲掴んだ。
「な、何しやがる!?」
「何だお前、男か女かハッキリしろ」
「どっちでもねぇよ……」
どうやら、夢衣は彼でも彼女でもない、どちらでもあるようである。
「まぁ良いや。ここで会ったのも何かの縁だ。ちょっと妖怪採集に付き合えよ」
「えぇ……」
こうして、里桜の気紛れで助かった夢衣は、そのまま虎の威を借る狐となるのだった。
◆◆◆◆◆◆
「ようこそ、いらっしゃいました。わたしゃここの宿の女将を務める、湯谷 泉と申しますじゃ。と言っても、暮らしているのはわたしゃ一人で、他は機械人形任せじゃがのぉ~」
説子たちを迎え入れたのは、齢九十歳はあろうかという老母であった。それだけなら唯の富豪の長寿だが、彼女は他には無い特徴があった。両手共に“左手”なのである。
「気味が悪くて済まないねぇ。……こういう土地柄故、血が濃くなりがちでの。富と権力という物は恐ろしい物じゃ。簡単に人は翼をもがれる。ひゃっひゃっひゃっひゃっ♪」
《どうぞこちらへ》
しかし、その奇形を泉は軽く笑い飛ばし、説子たちを持て成す。むろん、やるのは泉の所有する機械人形なのだが。無駄に精巧な和服美人ばかりだが、たぶん彼女の趣味であろう。金持ちは思い切りが良く、頭がおかしい。
「お若い二人はそちらでゆっくりとお過ごし下され。……お嬢ちゃんには、わたしゃが昔話を聞かせてあげようねぇ~♪」
「「「………………」」」『ビバ?』
ただ、悪い人という訳でもなく、普通に悪ノリも出来る良い婆ちゃんだった。
「はぁ……」
「どうしてこうなった……」
という事で、説子と龍馬は二人だけ部屋に通され、一足先に郷土料理を味わう運びとなった。幸い料理は地産地消のご馳走ばかりで文句の付けようが無い。二人きりなのは大いに問題だけれど。
「変な事考えるなよ?」
「勝手に狼にするなよ」
「そうだな。“泣き虫龍馬くん”じゃあ、成長しても子犬程度かな?」
「煩いなぁ……」
腹が膨れれば、後は布団にごろ寝しつつ昔語りに華を咲かせるだけだ。
「とりあえず、温泉に入ろうぜ」
「男女は?」
「混合だとよ」
「お前の方が獣だろ、まったく……!」
と言うとでも思っていたかぁ?
《こちらが湯屋になります。存分にお楽しみ下さい》
「余計なお世話だ」「さっさと入るぞ!」
そして、二人は満面の笑みを浮かべた機械人形に見送られ、湯煙の向こうへ――――――。
◆◆◆◆◆◆
「……で、こんな森の中に放り出されたと? 運が悪いねぇ~♪」
「余計なお世話だ」
「じゃあ世話しなくても良いか?」
「ごめんなさい、助けて下さい、お願いします」
「素直で宜しい」
死の大地を踏み締め、里桜と夢衣は神の森を進む。道中、様々な魔物に襲われたものの、その全てが里桜によって退けられ、研究資料として捕らえられた。意地汚く生きてきた夢衣は恥も外聞も無く里桜の庇護下に入り、ビクビクしつつも面白半分で森を闊歩している。
『お~い……』
すると、森の奥から誰かの呼ぶ声が。その瞬間、空に雲が掛かり、闇がより深くなる。
「な、何だ!?」
「熊だろ」
「熊なの、この声!?」
だが、里桜としては驚くに値しなかった。
「神威道は元々、羆退治に失敗した行政のせいで自然に還ったんだ。熊くらい出るだろうさ」
そう、神威道は人類が増え過ぎた羆によって屈した末に生まれた名前なのだ。戦後暫くは上手く数を調整出来ていたのだが、自称「自然愛護」の馬鹿者によるクレームや、舐め腐った態度を取り続ける行政に嫌気がした猟銃会のハンターたちが、狩猟の許否から始まり、最後は完全に見捨てて本土へ引っ越し骨を埋めてしまい、対処不能となった事で羆に追われる形となって、この地は一度滅びた。何せ“野生の戦車”とも言うべき猛獣である羆を狩るのに、日給一万円も行かない上に文句まで垂れられるのだから、呆れて見放すのも無理からぬ事だろう。
「羆に限らず、熊ってのは頭が良い。学習能力が高くて、餌付けなんてしようものなら、直ぐ様人間を「食糧庫」か「獲物」と見做して殺しちまう。身なりが良くて、叩けば潰れる肉の塊なんぞ、絶好のカモだろ」
羆は「森の○ーさん」のような愛らしい動物ではなく、圧倒的なフィジカルと凄まじい学習能力を持った怪物である。“人食い熊”は火も音も恐れず、仕留めた獲物を逃さない。何故なら、それがコケ脅しだと学んでしまうから。
「その結果が、この化け物って訳だ」
『ヴォオオオオオオオォォォィッ!』
と、声の主が遂に姿を現した。
「デカい……デカ過ぎる……!」
その威容に夢衣が言葉を失う。体高だけで五メートルを超え、体長に至っては十メートル以上もあるのだから、怖くない訳が無い。その上、全身の至る所が鬼のような甲殻で覆われ、本当の鬼にさえ見える。
◆『分類及び種族名称:悪羆愚魔獣=ウェンカムイ』
◆『弱点:尻』
『ヴォオオオッ!』
さらに、その野太い腕を振るえば、それだけで衝撃波が生まれ、大木ごと地面を抉り取った。まさに人智を超えた悪神だ。
「ほぅ、本土の鬼熊よりよっぽど強いみたいだな。こんなのがゴロゴロ居るんじゃあ、そりゃあ人間なんて相手にならんだろうよ」
「ひっ……あぁ……っ!」
里桜はヒラリと身を躱しつつ、夢衣を遥か巨木の天辺に引っ掛けた。
――――――ヴゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!
すると、今度はサイレンの音が鳴り響き、やがて馬鹿デカいスズメバチのような怪物が現れる。前脚が翅と融合している以外はシルエットにあまり変化が無いものの、とにかく巨大で力強く、何よりウェンカムイと違って複数体で徒党を組んでいる事が非常に厄介である。ツキノワグマ並みの蜂が群れで迫り来る様は、脅威以外の何物でもないだろう。
◆『分類及び種族名称:蜂雀大怪獣=カムイシソヤ』
◆『弱点:腹部』
「なるほど、蜂の天敵は熊だが、今やライバル関係って訳か。まさに“神威”だな。……ならば、誰が本当の神か教えてやろう』
そして、里桜も大悪魔となり、カムイシソヤとウェンカムイに対抗する。
『ガァアアヴィアアアッ!』
『バヴォォオオオオオィ!』
『ヴゥウウウウウウウッ!』
「あ、悪夢だ……」
こうして、北の大地で現地の神と本土の悪魔による戦いが始まった。
◆◆◆◆◆◆
「――――――こうして、キムンカムイ様によって悪い大人たちはやっつけられたんじゃよ」
「そうなんだ……」『ビバ~』
落ち着いた雰囲気の部屋で、泉が未乘とビバルディを優しく撫でる。お婆ちゃんの昔話というのは荒んだ子供心であっても有効なようであり、ふさぎ込んでいた未乘の顔に少しだけ光が差した。そういう意味では、この旅行は実に有意義であったと言えよう。
「詭弁だな。正当化とも言う」
そんな老婆の語り口を、ほんの少しだけ開いた窓から盗み聞きした説子が呟く。
もちろん、彼女は今露天風呂に使っており、普通なら聞き取れるような距離ではないのだが、改造人間に常識を求めても仕方ない。
「童話に現実を持ち込むなよ」
説子と背中を合わせて温まる龍馬が、呆れ混じりにボヤく。実にけしからん光景であるものの、どうせ貸し切りなのだから、気にする必要も無いだろう。
「“兵どもが夢の跡”か」
「夏草か」
「――――――なぁにお楽しみしてんだ、お前ら」「あ、どうも……」
と、何処からともなく里桜(と夢衣)が現れた。
「探検ごっこは終わったのか?」
しかし、説子は慌てず騒がず尋ねる。
「ああ。中々に楽しめたよ。だから、汗を流しに来たのさ」
「そいつは?」
「社会のゴミだ。ここに捨てて行く。話は付いているしね」「酷い……」
勝手に話が進んでいるけれど、何時もの事だからしょうがない。弱肉が強者に食われるのは世の常なのだから……。
◆◆◆◆◆◆
『………………』
《………………》
里桜たちが去った後、完全に同一の二人が妖怪たちの亡骸から種子のような物を回収し、その後一体となって蒸発した。
◆キムンカムイ
アイヌ語で「山の神」を意味する羆の化身。神の国である「カムイコタン」に居る間は人型だが、下界に舞い降りる際は毛皮を被る事で羆の姿を取り、山の恵みを人々に与えるとされるが、人の血肉の味を覚えた者は「ウェンカムイ」と呼ばれ、追放の果てに抹殺される。
正体は言うまでもなく突然変異を繰り返した羆。同じく異形進化を遂げたスズメバチの怪物「カムイシソヤ」とはライバル関係にあり、獲物を巡って争い合う。




