依頼人
やはり読みにくいかもしれません。
その時はごめんなさい。
窓から夕日の射し込む探偵事務所の一郭、男と女がテーブルを挟んで向かい合ってソファに座り話をしている。
男の顔は窓を背にしている為、逆光となり見えないのだか、女に渡された数枚の紙と1枚の写真を手に取り見入っているようだ。
「この旅館は、数年前から宿泊客が次々と行方不明になるという噂が実しやかに囁かれている所ですね」
男が、見ていた写真をテーブルに置いてそう言うと、女は躊躇いがちに「はい」と小さく頷いた。
写真にはとても古い木造の建物が写り、その玄関先に掛けられている表札には、白い毛筆の字で『奥山旅館』と書かれている。
「依頼の内容は全てその紙に書いておきました。宜しくお願いします」
男が紙を見ているのを見ると、女は男の顔をさぐる様に見て、
「無理に……とは言いませんけど」
と俯いた。
男は「ふむ」と言うと、
「分かりました。この依頼お受け致します」
と言い紙をテーブルの上に置いた。
「本当ですか?ありがとうございます」
ホッとした顔で嬉しそうに言うと、女は男に大きな封筒を渡して立ち、
「宜しくお願いします」
と頭を深々下げ、いそいそと立ち去って行った。
事務所の外から出て行った女と誰かの話し声が聞こえてくる。
「何かありそうですね」
男は小さく溜め息を吐いた。
はじめましての方もそうでない方も読んで下さりありがとうございます。
どんどん書きますよ!
では、次の作品でお会い?しましょう。
ここまで読んで下さりありがとうございました。