"the game"
チェス盤の上で泣いている
小さな子どもの破れたすそを
踏みにじるように歩くのは
きっと愉快なことなんだろう
割れたガラスの奥で覗く
ガラスより澄んで淀んだ目は
剣よりも強いものがあることを
初めて疑った
白か 黒か
ほぐれていくその場所は
やがて いつか
モザイクのようにつながって
抜け出せる隙間もない
完全な世界は8×8の
盤上よりもさらに広くて
前に進むだけのポーンひとつでは
キングも殺せない
単純な答えを待つだけの声が
感情までも差し出したって
"player"が駒を弾くまでは
死ぬことは許さない
明らかな真理
チェス盤の中でルールなく
意味を失くして散らばった街を
慄きながら這いつくばるものと
世界が決めたんだろう?
白か 黒か
崩れていく日の価値は
まるで いつか
クリームのように分離して
飾りたてる余裕もない
混然一体の憎悪とか愛は
空想なんて虚仮にしたって
無限の灰を知ったからには
あきらめ切れないんだろう?
完全な世界は8×8の
盤上よりもさらに広くて
前に進んだってポーン一人なら
キングは殺さない
単純な答えを持ったから僕ら
感情すらも差し出したって
"prayer"が望む以外の火では
死ぬことを許せない
朧げな真理
間違った勝利
灰色の"story"