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魔法とクリスタルとドラゴンと  作者: 上城 龍
クリスタルの魔法使い
9/33

クレア編前半

クレア編は、ここまでのストーリーをヒロインであるクレアの視点で書いたものです。

「ん…朝?ここは?」


いつもと違う天井。

軟らかいベッド。

ふわふわの毛布。


「まだ夢の中?」


いつものあの牢屋じゃない。

うす暗くて、じめじめしてて、悪臭のするあの牢屋。

一度逃げようとしたけど、首輪が締まって逃げれなかった。

体を起こして、周りを見回す。

あ…私、下着で寝てたんだ…

真新しい下着、ベッドの横には新しい服と革の鎧。

そして、隣のベッドに寝る男の人。


「夢…じゃない…」


私はあの人に奴隷として買われた。

名前は…まだ知らない。

知らないと言うより、教えてもらっていない。

でも、そんなの関係ない。あの人は私の主人で、私は奴隷。

逆らえば、首輪が締まる。

言う事さえ聞いていれば、ご飯だけは食べれる…

生きていれば、きっと、必ず、また皆と会える。

だから、耐えるしかない。

あの時、何で私逃げなかったんだろう?

逃げようと思えば逃げれた。

でも、友達を助けたかった。

そして、私は捕まった。友達は…解らない。

捕まって、牢屋に入れられた。

そして、あの人に買われた。


「奴隷狩りだ!皆逃げろ!!」

「森へ逃げるんだ!」


故郷の町を帝国軍に占領され、この街まで皆で逃げてきた。

ここまで来る途中、何人もの人が死んでいった。

離れ離れになってしまった人達もいる。

仲の良かった友達も、親切だったおじさんやおばさんも…

何とかたどり着いたこのフールスって言う街では、奴隷狩りで何人も連れて行かれた。

お父さんとお母さんは私が10歳の時に死んだ。

お父さんは、奴隷狩りから私とお母さんを守るために。

お母さんは、その後すぐに病気で死んでいった。

今残っているのは、あの頃まだ子供だった私達だけ。


「クレア!こっち!!」

「レナ…まって!!」


小さかった頃から、いつも一緒だったレナと森の中を逃げる。

こんな事を続けてもう、何年だろう?

最初は街の中の空き家や、廃屋で暮らしていた。

でもすぐに、奴隷狩りが始まった。

街の中じゃすぐに見つかるから、街の外の森の中で隠れて暮らすようになった。

時々街に出て、食べ物を探す。

気をつけていたのに…奴隷狩りの人たちに見つかってしまった。


「きゃあ!」

「レナ?!」


レナが転んだ。

助けようと足を止めた。


「いたぞ!こっちだ!」


追いつかれた?気配は3~4人。この位なら何とかなる!


「ぐわ?!」


木の陰からの奇襲でまず一人。骨の砕ける嫌な感触。


「この!がきが!」


遅い…そんなんじゃ私を斬る事は出来ない。


「ごふ!」


私の拳が男のみぞおちを捉える。男は血を吐きながら崩れ落ちる。

内臓が破裂したんだろう。

後から後から追っ手が来る。何人目だろう?もう、手が痛い。息も上がってきた。

でも、がんばった甲斐があって追っ手の気配が消えた。


「レナ!今のうちに!!」

「クレア!後!」

「え?」


ばさ!


「きゃあ!」


背後から近づいてきた敵に気がつかなかった。

頭から何か袋のようなものをかぶされ、何も見えない。

そして、頭の後を何かで叩かれ、気を失った。

気が付いた時は牢屋の中だった。


「と…とりあえず、あの人が起きる前に、服着ないと…」


この服と鎧は、昨日あの人が買ってくれた物。

久しぶりに髪と体も洗えた。

そして、もう一つ。

きらきらと光を放つグローブ。

昨日、あの人が召還したゴーレムと戦った時に、あの人が私にくれた。

ジーナって人が言っていたけど、あの人、大陸で5本の指に入る魔導師らしい。

たしか、噂で聞いたルカって言う人も魔導師だった。

ルカ様…大勢の奴隷を助けた人。沢山の奴隷商人を捕まえた人。

戦争で困っている人達を何人も助けた人。とても強いらしい。

何時かは、私達の所にも助けに来てくれるのかな?そう思っていた。

この人も魔導師みたいだけど、そんな人だったら奴隷なんて買わないよね?

なんか、遺跡の中に、とても強いガーゴイルって言うのがいて、それを倒すために強い人が必要らしい。私なんかでいいのかな?

あの人について遺跡へと行く。

この通路、何かおかしい。この先に何かある。

それをあの人に伝えると、何か呪文みたいなのを唱えた。

目の前の通路が一瞬にして変わった。これが魔法なんだ…

この遺跡に来る時も一瞬だった。始めて間近で見る魔法、ちょっと怖い。

その先にも幾つか同じような気配があったけど、全部感じる事が出来た。

隠されていた扉から部屋に入る。

これがガーゴイル?

石像が動き出して襲い掛かってくる。

すっごく固かったけど一撃で砕けた。やっぱり、このグローブすごい!

昨日、ゴーレムと戦った時に最初にもらったグローブはすぐにだめになっちゃった。手を怪我したけどあの人がすぐに治してくれた。でも、グローブなかったら、もっと酷い怪我をしていたかもしれない。

その後もらったこのグローブはなんともなかった。手も痛くなかった。

これなら思いっきり行ける!


「そんな!」


砕いたはずのガーゴイルがもう復活している!

あの人は部屋の隅で何か呪文を唱えている。

何体かのガーゴイルがあの人に襲い掛かるけど、見えない壁にはじかれている。これなら何とかなるかな?

でも、だめだった…砕いても砕いてもすぐに復活してくる。

もう、限界…立つ事も出来ない。

襲ってくるガーゴイルから逃げれない、もうだめかな?そう思ったらガーゴイルの動きが止まった。

ぎりぎり魔法が使えたみたい…良かった。

あの人が足や腕の怪我を治してくれる。

奴隷の私に優しくしてくれる。何でだろう?

急に抱き上げられた。え?なに?と思ったけど、そのま次の部屋の床におろされた。

あう…私ってそんなにも重いのかな?

ご飯食べて、寝たらだいぶ良くなった。

あの人はじっと扉を見つめている。何て呼べばいいのかな?

やっぱり、ご主人様かな?

呼んだら、私の方に手を伸ばしてきた。

え?なにするの?まさか…こんなところで?

聞いた事がある。奴隷の女の子は皆、慰み者にされるって。

私もされるのかな?逆らえば首輪が締まる。諦めよう…殺されるよりはましだから…そう思った時だった。

かちゃっと小さな音がして首輪が外れた。

え?なんで?どうして?

私、奴隷じゃない?でも、まだ側においてくれるの?どうして?

驚いた。こんなにも驚いたのは初めて。

まさか、この人があのルカ様だったなんて。

驚きすぎて変な声が出ちゃった…

いろいろな話を沢山聞かせてくれた。

初めてエンブレムを見た。

虹色に光ってとても綺麗。

すごいや…王子様や、ドラゴンと友達なんて。

やだ、すごすぎて変な声しか出ない…

ご飯のあと、ルカ様はまた扉を見ている。

あれ?なんか、あの扉の絵見た事ある。

たしか、小さかった頃にお母さんとよく一緒に行った教会で見た絵と似ている。

ルカ様にその事を教えたら本を取り出して見せてくれた。

そこにはあの絵が書いてあった。

ルカ様が、その絵と同じようになるようにパネルを動かすと扉が開いた。

褒められちゃった…なんか、嬉しい。

扉の向こうの部屋には、見た事もない綺麗な物がいっぱいあった。

あ~もう!また変な声出しちゃった。

ルカ様の着ている不思議なマントに入れていくんだけど、どこに入るんだろう?魔法って不思議。

入れ終わって、ルカ様のところへ行ったらすごいの着ていた。

すごく細かくて、綺麗な模様の銀色に光る鎧。

ものすごい昔に居た、魔法騎士っていう騎士様が使っていた鎧らしい。

部屋の奥の扉を出たら外だった。良かった、何とかお役に立てた。

夜の森をルカ様と歩く。

魔法の明かりのおかげで迷う事もない。魔法ってすごい。

町に着いた時は夜明けだった。ちょっと眠い。

ルカ様は真っ直ぐ昨日会ったジーナさんの所へ。

見つけた宝物を買い取ってもらうんだって。

ジーナさん、ルカ様の鎧見て驚いている。

そんなにもすごい物なんだ…私にはよく解らない。

うわ…すごいお金…こんなの見た事ないよ。

これってお酒?初めて飲む。一口飲んでみたら美味しいけど、なんか頭がぐらぐらする。

あれ?なんか、目の前が…気が付いたら毛布にくるまれていた。

ここって、ジーナさんのテントだよね?私、どうしたっけ?


「お、起きたかい?大丈夫?」

「あ…えっと…あう!」


頭が痛い。


「あらあら、たった一口で二日酔いかい。ほら、これ飲みなすっきりするよ」

「え?これ…お酒?」

「迎え酒だよ」

「いえ、だ、大丈夫です!」

「ん?そうかい?余り無理するんじゃないよ?」

「は、はい!すいませんでした!」


お酒飲んだらまた気を失っちゃう。ルカ様は先に宿に帰っちゃてるし…このままいたらまたお酒飲まされる。私は大急ぎでテントから出た。

走ると頭が痛い…何とか宿に着いたら、宿のご主人がお水くれた。

お水飲んだら少し落ち着いたけど、部屋に戻ってベッドに横になったらすぐに寝ちゃった。

次の日から暫くは暇だった。

ルカ様は古文書の解読をするって言って、ご飯の時以外は部屋から出ない。

私は何もする事がなくて、それをただ見ているだけだった。

ちょっと寂しいな。私、戦う以外の事で何もお役に立てない。

ルカ様、ジーナさんの護衛の仕事をする事になったらしい。

私も一緒だって言ってた。一緒に次の街まで行くみたいだけど、盗賊が襲ってくるかもしれないって言ってる。

私、本当は戦うのは好きじゃない。人を殴った時のあの感触は今でも好きになれない。生きるため、友達を助けるために仕方がなく戦ってきた。

あの、ゴーレムやガーゴイルみたいなのだったら平気だけど…。

ルカ様は、盗賊が襲ってきたら手加減無しで全滅させろって言ってる。

仕方ない、仕事だもんね。やらなきゃいけないんだもんね。


「う、馬ですか?」

「ん?乗るのは初めてか?」

「は…はい…」

「仕方ない、俺の後に乗れ」


馬に乗ったルカ様が、私を持ち上げると後ろに乗せてくれた。

うわ、高い。ルカ様に捕まってジーナさんのキャラバンの先頭を行く。

そろそろ野営の時間。ここまで何もなくこれた。あと1日で街だ。

無事に終わればいいなって思っていた時だった。茂みの中で何か動いた。一人?ううん、気配は二人!盗賊?

ルカ様も気が付いていた。戦いか…でも、これも仕事。

ルカ様の指示で馬から飛び降り一気に間合いをつめる。

弱い…盗賊ってこんなにも弱いの?だから、大勢で襲ってくるのかな?

ルカ様はあっという間に三人切り倒している。やっぱりすごいや。

盗賊の本隊が夜になると襲ってくるらしいから、待ち伏せする事になった。

一緒に待ち伏せするのはジーナさんの護衛の戦士の人達。

ブレットさんて言う人がリーダー。

来る!何人か判らないけど、かなりの数だ。

ルカ様に教えると、すぐに魔法を使った。

明るい、これなら戦える!

隠れていたところから飛び出す。ブレットさん、私と一緒に走っている。

重そうな鎧着ているのにすごい。

あっという間だった。

ブレットさん強い。一振りで二人切り倒した。

ルカ様、出番なかったってブレットさんに絡んでる…


「クレア…ちゃんだっけ?すごいね!」

「え?」


キャラバンに戻ったら声をかけられた。なんか、あっという間に囲まれた。


「ねえねえ、このキャラバンにはずっといるの?」

「どう?街に着いたら一緒に飲まない?」

「あ…いえ、私は…」


ど…どうしよ?どうすればいいんだろ?

困っていたら、ジーナさんが私の周りに集まっていた人達を追い払ってくれた。


「まったく、若くて可愛い子みりゃすぐあれだ…すまなかったね」

「あ、いえ、大丈夫…です」

「でも、あたいも見ていたけど、すごいね。さすがにルカが相棒って呼ぶだけの事はある」

「そんな!私は只、ルカ様のお役に立てれば…」

「まだ奴隷気分なのかい?もう、あんたは奴隷じゃないんだ。あの、大魔導師ルカ=クルデュクスの相棒なんだ。それ、忘れるんじゃないよ?」

「は…はい」


そう言われてもまだよくわからない。

ルカ様と始めて会ってからまだ10日。正直気持ちの整理は付いていない。

どう接すればいいのか、どういう態度をとればいいのか分からない。


「ま、そのうち慣れるよ…ねぇ、クレア」

「あ、はい」

「ルカの事、頼んだよ」

「えっ?」


突然の事で驚く。私に何が出来るんだろ?


「ルカは死んじゃいけない男だ。近い将来、あいつは大きな事をやってのけるだろう。それを助けてやってほしい。もちろん、あたい達も出来る限りの手助けはするつもりだ。でも、常にそばにいて、あいつを助ける事は出来ない。

クレア、お前にしかそれは出来ないんだ。あいつを、守っておくれよ」

「あ…は、はい!」


ルカ様をお守りするくらいなら出来る。

こんな私でも、出来る事がある…そう思うと嬉しかった。

街に着くと、ルカ様と教会へと行った。

そこには綺麗な司祭様が居た。

ルカ様の古い友達、優しい人。それに何か、強い力を感じる。

でも、怒ると怖いらしい。ルカ様、小声で逆らっちゃダメだぞって言ってる。

ルカ様の故郷に帰る事になった。なんでも、国王様が倒れたらしい。

話しは聞いていた。ルカ様は王子様と約束がある。

その約束を果たすために戻る。

え?ドラゴン呼ぶの?うわ、ちょっと怖い…

何日目かの朝、ドラゴンが飛んできた。

おっきい…それにものすごい強い力を感じる。吹き飛ばされそう…

圧倒的な力、存在感、これがドラゴン…

怖い、ルカ様の話し聞いていなければたぶん逃げていた。

恐る恐る乗ってみる。

すごい!私、空飛んでいる!

下に見える景色がどんどんと流れていく。

大きな街が下に見える。

ルカ様はその街にある一番大きな建物にマーレスを向かわせた。

王宮?!いいのかな、そんなところへいきなり行っても…

うわ、王宮の人達大騒ぎだ…

騒ぎ声に集中してみる。


「ルカ様だ!ルカ様のドラゴンが来たぞ!」

「王子にお知らせしろ!衛兵!テラス近辺の警備を固めろ!」


王宮の人達の声をよく聞いてみると、誰が来たか判っているみたい。

うわ…王子様だ。え?これから王様に会うの?私もいいのかな?何処かで待っていた方がいいのかな?

結局そのまま付いていく事になったんだけど、緊張しっぱなしで何にも覚えてない。

王子様の部屋でいきなりとんでもない事言われた。

ルカ様の恋人?!そんなつもりはないし、それに私は…

確かにルカ様は素敵な人。もし、って…私なに考えているんだろ!

パニックしてたらいきなり女の子が入って来て、ルカ様に抱きついてる。

だれ?って思ったらお姫様だって!ふわわわわ…

歳は私より少し下?可愛い女の子。

その後、私は宿屋でルカ様の帰りを待つ事になった。

学校には、私は入れないらしい。

ルカ様のお師匠ってどんな人なんだろう?

帰って来たルカ様から色々と話を聞く。

ルカ様は、宮廷付きの魔導師になる。

そうなると私は?一緒に居られなくなっちゃうのかな?

え?ルカ様の直属の部下?いいの?迷惑かからないのかな?

大丈夫だ全て任せろって言うけど…不安だな。

次の日から、宮廷での礼儀をルカ様から教わった。

うえ…難しい…。

それでも何とか必要な事は覚えた。

即位式…私は一緒に行けないから王宮の外で見ている事にした。

ルカ様に言われて、フードをかぶっている。

私の髪、すごく目立つからかぶるようにって言われた。

そういえば、街を歩くと皆立ち止まって振り返っている。

あれって、ルカ様じゃなくて、私見てたんだ…うわ、ちょっと恥ずかしい。

でも、私ってそんなにも目立つのかな?

テラスに王子様が出てくる。王妃様が新しい王様の誕生を告げると、周りの人達から大きな歓声が上がった。

その後、すごいお祭りが始まった。

食べ物も飲み物も全部ただなんてすごい。今日はとても特別な日だからいいらしいけど…

美味しいものいっぱい食べていたら、なんか、ルカ様と王子様の話をしている人達がいた。

昔のルカ様と王子様の話、聞いているだけで楽しい。

朝、起きたらルカ様が帰ってきた。

なんか楽しそう。

マーレスに会いに行くらしい。馬に乗って湖まで来た。

街を出る時、門番の人何も言わずに門を開けてくれた。

やっぱりルカ様はすごい人なんだな。

来た!まだちょっと怖い…あれ?女の子になった?!ふえ?!

あ…また変な声でた…

私と同じくらいの女の子。この子があのドラゴン?目の前で姿変わったけど信じられない。

ルカ様は、マーレスから杖を受け取っている。

なんかすごい杖らしい。

戦いのための力か…なんか、寂しいけど仕方がないか。

宿に帰ったら王宮から手紙が届いていた。

ルカ様を王宮に呼び出すための召喚命令書。

ついにその日が来るんだ…なんか、私、緊張してきた。

次の日、王宮に行ったらなんかばたばたしていた。

そんな…帝国軍がミケルス皇国に攻めてきたなんて…また戦争なの?

ルカ様、皇国を助けるために戦争に行くらしい。

すごい勢いで馬を走らせる。私はただ捕まっていただけだけど体中が痛い。

昼も夜もかまわず馬を走らせるルカ様。こんな無理して大丈夫なのかな?

街についても、ルカ様はほとんど休む事なく動いている。すごいな…

騎士団の隊長さんと作戦を話す。

私、騎士団の人達と一緒に帝国軍に突撃する事になった。

相手は妖魔だから遠慮する必要はないぞってルカ様言ってる。

人間じゃないなら少しは気が楽。

ルカ様の魔法で姿が消えた。これなら見つからない。

これが妖魔?なんか変な姿している。

すごい数、でも、大して強くない。

騎士の人達、帝国軍の妖魔をどんどん倒していく。

私もがんばった、でも、ルカ様の方がもっとすごかった…

ちょっと見えたけど、ルカ様の杖から火が空に昇ったと思ったら、ものすごい火の雨が降った。これが魔法なんだ…ルカ様の力なんだ…

火の雨が止んだら、騎士団の人達と、皇国の人達が残った妖魔に突撃していく。勝ったの?私たち勝ったんだね!

私は、ルカ様のところへ走っていった。

さっきの火の雨、杖のおかげなんだって。あ…また変な声。

なんかルカ様と会ってから驚く事ばかり。そのたび変な声が出ちゃう。

うわ…団長さんにすごいって言われた…もう、恥ずかしいな。

街に戻ったらガザイアから連絡が来ていた。

帝国は、今度はガザイアに攻め込んできたらしい。

なんで、戦争なんかするんだろう?

でも、心配ないみたい。良かった…

王宮に帰るとレイカルド様にまで褒められた…

その後、王宮でのお仕事に付き合ってレイカルド様の部屋で休んでいたら、誰か来たみたい。え?メリア神の司祭様?もしかして…あの人なのかな?

ルカ様もレイカルド様も同じ考えみたい。

やっぱり…ファラレルさんだった。

え?大神殿の副司祭様になるの?すごいえらいんでしょ?すごいな!

みんなでお祝いした。昔の話いっぱい話してくれた。

そして…ルカ様とレイカルド様が誓いを立てた。

なんか…結婚式みたいだけど?

でも、感動した。なんか素敵だな…こういうの…

もし…もし、許されるのであれば、ルカ様と…って!私!なに考えてるんだろ?!

毎日が忙しい。

ルカ様のお手伝いで王宮の中を走り回る日々が続く。

でも、戦っているより全然いい。

ただ、騎士の人達にいろいろと誘われるのを断るのが大変。

今日も走り回る。やっと休憩かと思ったらもう夜だった。

自分の部屋に戻る。

そう…私にも部屋が出来た。

そんなにも広くはない。ベッドと机を置いたら後はもう何も置けない。

でも、嬉しい。隣はルカ様の部屋。すぐ近くにレイカルド様と、妹君のミレーア様の部屋もある。

謁見の間では私はやる事がない。ルカ様の後ろに隠れているだけ。

でも、もし、レイカルド様の命を狙う人が現れたら、近衛騎士の人達と一緒にレイカルド様をお守りしなければいけない。それが、ここでの私の仕事。

今、ルカ様とレイカルド様は難しい話をしている。

神聖王国に帝国が攻めてきたらしい。

戦争…いつまで続くんだろう?

そして、前の王様がお亡くなりになった。

皆とても悲しんでいる。

大切な人が死ぬのは誰でも辛い。

レナ…どうしているかな?

皆元気かな?会いたいな…

今の私なら、会いに行けるかな?

少し前にルカ様からなにかしてほしい事はないか?って聞かれた。

その時、本当はお願いしたい事があった。

でも、私なんかがお願いできる事じゃない、だから黙っていた。

思い切ってお願いしてみようと思って、ルカ様の部屋に来たけど…

言えない、言ったらルカ様に迷惑がかかる、やめようと思った。

でも、部屋を出ようとした私の腕をルカ様がつかんで引き止めた。

仕方がなく話した。友達を助けに一度あの町に戻りたいと。

ルカ様、最近よく私の昔の話を聞きたがる。でも話す事は出来なかった。

もし話したら、私が私じゃなくなるような気がしたから。

今の私、あの頃から考えたら信じられないくらい幸せな生活をしている。

何も困る事はない。奴隷狩りに脅える事もない。

私だけこんな事になって良いのだろうか?と何度も考えた。

もし話したら、他人事になってしまう、そんな気がした。

ルカ様、今の忙しい状態が終わるまで待ってくれって。

そうすれば探しに行ってもいいって、手伝ってくれるって。

嬉しかった。

そしたら、ルカ様、急に抱きついてきた。

びっくりした、どうしていいか分からなかった。

え?何で謝るの?

でも、その後のルカ様の言葉を聴いて私は決めた。


「俺が必ず、お前の故郷と友を取り戻してやる」


すごく嬉しかった。こんなにも嬉しいのは初めてかもしれない。

私は、ルカ様のために戦う、そう決めた。

私がお返しできる事は、ルカ様のために戦うことだけ。

だから…心も、体も、全て……ルカ様に全てを捧げるって決めた。

ルカ様に抱かれながら、心の中で誓う。

一生お側でお守りしますと。

自然に唇が触れ合った。

何も怖くなかった。

逆に、すごい幸せだった。

心がすごく軽くなったような気がする。

すごく痛かったけど、それよりもルカ様と一つになれた事の方が嬉しかった。

それからまた、忙しい毎日が続いた。

書類の束をもって王宮を走り回るのには慣れた。

でも、騎士の人達の誘いを断るのにはどうしても慣れない。

少しだけ時間があったから、神殿に行った。

ファラレルさんにお願いして決めた事を聞いてもらった。

その事をメリア様の前で誓った。

両膝を着き、両手を合わせ誓いの言葉を口にする。


「私は誓います。ルカ様の為に、私の全てをルカ様に捧げ、一生お側でお仕えし、力の限りお守りします」


これが私の誓い。

ファラレルさん、何も言わずに温かい笑顔で見守っていてくれた。

仕事がひと段落して、やっと走り回る事がなくなった。

レイカルド様もゆっくりと過ごしている。

ルカ様がレイカルド様に私の事を話してる。

え?!レイカルド様気がついてたの?!

うわ…恥ずかしいよ…変な声でちゃうし…

あの日の後、何度かルカ様と夜を共にした。

そのたびに心の繋がりが強くなるような気がした。

いろんな事を話せるようになった。お側にいるだけで幸せを感じる。

そんな思いが、知らないうちに態度に出ていたみたい…

リベルス?それって私の生まれた町があった国。

皇国がリベルスを帝国から取り返すために軍隊を送るらしい。

もしかしたら、あの町に帰れるかもしれない!

友達を探しに行けるかもしれない!

え?ルカ様、皇国の人達と一緒にリベルスを取り返しに行くの?

私も連れて行ってくれる…嬉しい!

お礼を言って頭下げたら机にぶつけた…

ちょっと痛かったけど、お二人の笑い声がなんか気持ち良い。

マーレスに乗って皇国の都の近くまで飛んでいく。

そこからは歩いて都へ。

すごい…こんな大きな街始めてきた。

ガザイアの王都も大きいけど、ここはもっと違う大きさがある。

宿によってから王宮に行った。

ガザイアでもお会いした皇王様が御出迎えしてくれる。

皇王様はすごく穏やかな感じのする人。きっと優しい王様なんだろう。

そして、法王様に会った。

お葬式の時少しだけ会ったけど、すごい強い力を感じる。

でも、嫌な力じゃない。それに、まるで水晶のように澄んだ綺麗な心だ。

宿に戻って、その事をルカ様に言ったら、すごい能力だっていわれた。

訓練してくれるって…あう…

気がついたら感じたり見えるようになっていた。

いつごろからかははっきりと解らない。

でも、この力のおかげで、助けてくれる人かどうかがわかるようになった。

始めてルカ様と会った時、この人なら私に酷い事はしないだろうと思った。

でも、ものすごい炎が見えた。正直怖かった。

まさか、あのルカ様だとは思ってもいなかったけど…

作戦会議、私はただ聞いているだけ。難しい事は解らない。

その後、キャラバンの人達と会って、ルカ様に都を案内してもらった。

本当に広い。一人で歩いたら迷いそう。

次の日、会議が終わったあと、ルカ様が頼んだ魔法具をキャラバンの人からもらって、北部連合の話を聞いた。

奴隷の人達が解放されたの?もしかしたら、レナも解放されたのかな?

もし、北部連合に私と一緒に連れてこられていたら、解放されている可能性があるってルカ様が言ってくれた。

でも、その前にリベルスを取り戻さないと!しっかり、ルカ様のお役に立たないと!

もう、何も迷う必要はない。故郷を取り戻して友達を助けたら、後はルカ様についていくだけだから。

フールスへ向かう途中、帝国軍の夜襲があった。なんか、盗賊みたい。

月明かりの中、待ち伏せするためにルカ様と茂みの中に潜んでいたら森のほうに不思議な影が見えた。

真っ黒い不気味な影。

ルカ様が言っていた。

邪な心を持つ人は黒い影が見えるはずだって。

じゃあ、あれは帝国軍の人?

ルカ様に伝えたらいきなり光る矢を沢山打った。

それと同時に周りで隠れていた騎士の人達も走り出す。

大当たり!

テントの方からも皆出てきて、そのままの勢いでフールスを取り戻した。

首都へ行く途中にある街や村を解放して行く。

みんな、王様の姿を見て喜んでいる。

私、小さかった頃は街から出た事なかったから、自分が住んでいた国の王様を見るのは初めてだった。

首都に着いたけど帝国の兵士はそんなにも居なかった。

私はルカ様と一緒に王様のお側に居た。

今回は直接戦う事がないから気分的に少し楽かな?

首都に居た人達も王様見て喜んでいた。

でも、王様が皆に遅れて済まぬって謝ったら泣いている。

王様も、荒れ果てた首都を見て泣いている。

でも、悲しいのも辛いのも今日で終わり。

まだ色々大変だけど、もう、辛い思いはしなくて済む。

そして、故郷の町に行った。

誰も居ない街をルカ様と歩く。

色々な思い出が湧いて来る。

自分の家に着いたら、小さい頃に着ていた服があった。

埃にまみれて、ぼろぼろだった。

これ、お気に入りだったのにな…

逃げる時に忘れちゃって、すごく泣いたの思い出した。

そしたら、涙が出てきた。

帰って来た、帰ってこれた…

ルカ様が抱いてくれる。

ちゃんとお礼言わなきゃ…でも、言葉が出ない…

ありがとう…本当にありがとう。

アンガスへと帰る。何度も振り返った。

きっと生き残っている人達いるよね?戻ってくるよね?

私はルカ様に付いて行くって決めたから戻れないけど…

他の街や村も取り返す事ができた。

王様はすごく喜んでくれた。

次は友達探し!ルカ様も来てくれる。

奴隷の人たちは解放されたらしい。希望を胸に、アンガスを後にした。

そして…あの町に来た。

私とルカ様が始めて会った町。

あの時とは雰囲気が違う。

あの頃の重い空気はない。

あの時の宿に寄る。

ご主人の話し聞いていたら、なんか興奮して一気に色々聞いちゃった。

ルカ様にちょっと怒られた…

ジーナさんが解放された奴隷の人を下働きで雇っているらしい。

何か分るかも知れないから後を追いかけるって。

小さな港町に着いた。町よりキャラバンの野営地のほうが大きいかも…

ジーナさんに会ったら会わせたい人が居るって言う。

誰だろ?

ジーナさんが連れてきたのはリクとハルだった。

ずっと一緒に奴隷狩りから逃げていた友達。

生きていた…無事だったんだ!

二人も私見て驚いてる。

ジーナさんが私達のためにテントを一つ開けてくれた。


「クレア、無事だったんだな」

「ハルもリクも、よかった」

「うん、リクと二人一緒にがんばろう、生きていれば必ず助かるってずっと耐えていたんだ」

「うん、うん」


二人は私が捕まった後すぐに捕まって奴隷として売られ、荷物運びとかの重労働をさせられていたらしい。

もちろん奴隷だから仕事をしても何ももらえない。

わずかな食事と寝るところだけ。

それでもわずかな希望を持ってがんばっていたらしい。

そして、解放された。

でも、どうしていいかわからなくて困って居たらジーナさんに声をかけられた。


「クレアはどうしてたんだ?なんかすごい鎧着てるし…」

「え?私?」


今着ている鎧は、最初にルカ様が買ってくれた鎧とは違うもの。

あの鎧よりも丈夫で、綺麗な細工がしてある質のよいもの。

ノレスでルカ様が都を案内してくれた時に買ってくれた。


「今私ね、あのルカ様のお側にいるの」

「ええ!!」


わ!すごい驚いてる。当たり前か…


「じゃあ、さっき一緒に居た魔法使いの人が?」

「うん、あのルカ様だよ。大魔導師ルカ=クルデュクス様」

「すげー」

「まじかよ…」


あれからこれまでの事を話した。

捕まって、牢屋でルカ様に会って、一緒に戦ってきた事を。


「クレア強いからなーすごいや」

「うん、ルカ様と一緒なんて。じゃあ今はガザイアの王宮暮らし?」

「え?う…うん…」

「うわー」


そんなにも驚かれると困る。


「クレア、いいか?」

「ルカ様?いいですよ」

「お前の友が見つかったそうだ、来てくれ」

「え?!は、はい!ハル、リク!」

「うん!早く行こう!」


ジーナさんのテントに戻ってすごく驚いた。

そこに居たのはレナとミリー。

二人共私のとっても大切な友達。

思いっきり抱きつく。

体温を感じる。

夢じゃない…夢じゃないんだ!

ルカ様、私達のために宿に部屋を取ってくれた。

ジーナさんには話してあるからゆっくりと話をするといいって。

何度も何度もお礼を言った。それでも足りないような気がする。

部屋でみんなで昔みたいに輪になって話をする。

レナは私と一緒に捕まったらしい。

ミリーはリクたちと一緒に捕まったらしい。

二人はばらばらだったけど、貿易商人に買われてこの街に連れてこられて一緒になった。

レナは下働きとして、ミリーは商人の慰み者として…

よかったのはまだ他に女の人がいた事。

だから酷い事される前に解放された。

もうちょっと解放が遅れていたらミリーの番だったらしい。


「そっか、よかったねミリー」

「うん、危なかったけど何とか…」

「レナ、その手…」

「え?うん、大丈夫。水仕事や針仕事多かっただけだから」


レナの手はぼろぼろだった。


「ちょっと見せて」


腰袋からルカ様からもらった魔法具を取り出す。

この魔法具には傷を治す術式がこめられている。

もし、ルカ様とはぐれた時に怪我をしたら使うようにってくれたもの。


「はい、いいよ」

「クレア、すごいの持っているね」

「え?あ、あはははは…」

「こいつ、今、あのルカ様と一緒なんだぜ?」

「え?ルカ様って…ええ?!」


レナとミリー一緒に驚いてる…

もお、驚きすぎだって…


「え?じゃあ、私達の住んでいた町解放されたの?」


これまでの事を二人にも話す。


「うん!もう、帝国の人たちは居ないよ」

「じゃあ帰れるんだ」

「うん!」


喜ぶ4人、だけど私は…


「クレアも帰るんだよね?」

「あ…ごめん、レナ…私は帰れない…」

「え?どうして?」

「ごめんね、私、ルカ様についていくって決めたから…」

「あ…そっか…」

「ん?クレア?まさかあんた、ルカ様に?」

「え?ミリー?!変な事言わないでよ!」

「へー。ま、分るけどねー」

「ちょっと!」


5人で笑う。あの頃に戻ったみたいで嬉しい。


「あれ?朝?」


気が付いたら朝だった。話し込んでそのまま寝ちゃたみたいだ。

部屋から出て、食堂に行ったらルカ様が朝ご飯食べていた。

私も朝ご飯をもらってルカ様の隣に座る。

まだ後1日この町にいるらしい。今日はゆっくりとすればいいって言ってくれた。

奴隷狩りに脅える必要はもうない。

お腹が空いても我慢する必要はもうない。

まだ小さかった頃のように、5人で砂浜で遊んだ。


「ねえ、クレア」

「何?レナ」

「もしかしてさ、クレアってルカ様といい関係なの?」

「え?ふええええええ?!」


レナったらいきなりとんでもない事聞いてきた。

いきなりすぎて変な声出たじゃん!


「だってさ、そんなすごい人がついでとは言っても一緒に来てくれるなんてさ」

「そ…それは、ルカ様はお優しいから…」

「ふうん…それにしては親しそうだったけど?」

「へ?!」

「今朝、一緒にご飯、食べてたでしょ?」

「ふわあわわ…」


み、見られてたの?!


「そ…れ、それは…い、いつもそうしていたから…って違うよ!違うから!」

「クレア…相変わらず隠し事下手だね…で、どうなのよ」

「え…えっと…う、うん」


頷くのが精一杯だった。

あーもう恥ずかしい!


「ねえねえ、ルカ様とはどこまで行ってるの?」

「へ?ミリー?!」


いつの間にかミリーが後ろに居た。


「あ…あう…えと…」

「ほら、話ちゃいな!」

「ほらほら!」


二人の勢いに負けて、私がした誓いの事話しちゃった…


「え?全て捧げるって…まさか…」

「う…うん…」

「あ…あげちゃったの?」

「う…うん…」

「うわー」


二人とも目をまん丸に見開いて驚いてる。

あーもう…恥ずかしいよー

その後も沢山話をした。あの町に居たころの思い出を沢山。

夕方、ルカ様に呼ばれて部屋に行った。

明日の朝帰るんだ…ちょっと寂しいけど、ルカ様にはやらなきゃいけない事がいっぱいある。


「お前はどうする?」


え?どうするのかって?

決まっている、付いて行くって決めてる。

それを言ったらルカ様ちょっと驚いていた。

皆に見送られ町を後にする。

4人は暫くはジーナさんのところにお世話になるらしい。

リベルスは帝国に占領される前、ジーナさんのルートだったみたい。

復興に必要なものを届けるためアンガスに行くらしい。

あの町に帰れる日も近いね。

ルカ様は何か困った事があればいつでも連絡しろと4人に言ってくれた。

ルカ様には、何度お礼言っても足りないや…

レイカルド様から何も連絡がないからゆっくり帰るぞって…いいのかな?

でも、私もそのほうが嬉しい。

ノレスで皇王様に会う。

私にはよく分らなかったけど、なんか小さな国が集まって大きな国になり、ガザイアや皇国と神聖王国と仲良くなるみたい。

ルカ様、心配の種が一つ減ったって喜んでいる。

でも、それもつかの間だった。

レイカルド様から連絡が来る。

法王様がお呼びだそうだ。

何かあったらしい。

マーレスに乗っていそいで聖都に向かう。

まがまがしい強い力を感じるとマーレスは言う。

やだな…戦争、まだ続くんだ…

途中、神聖王国のグリフォン騎士団が迎えに来てくれた。

すごく強いらしい。かっこいいな。

法王様に会う。綺麗な輝きをもつ強く優しい力。神様に仕えている人はやっぱり違うな。ファラレルさんもそうだけど、強いけど優しくて凛としてる。

マーレスは法王様に会いたいって変身してついて来た。

ドラゴンって権力とは無縁だってルカ様が言っていたけど、お二人の話に簡単に割り込んじゃった…

え?法王様の部屋?!私なんかが入っていいのかなって思ったけど、法王様自ら案内してくれた。

改めてルカ様のすごさを実感した。

話はやっぱり帝国の事。

法王様も感じたらしい。

え?ルカ様、独りで行くの?

やだ…そんなのやだ!私も行く!

あれ?マーレスも一緒に行くって言い出した…

法王様もそれがいいって言ってくれた。

ルカ様、ため息つきながら諦めてた。


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