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町のはずれの小さな家に、

魔女の師匠と、見習い魔女 が いっしょに 住んでいました。


師匠の魔女は、

国じゅうを 飛びまわる すごい魔女。


でも ある日、

長いお仕事の旅に 出てしまいました。


「しばらく 留守に なるけど、

ちゃんと 留守番 できるわね?」


「……たぶん」


そう言って、

師匠は ほうきに 乗って、

空の かなたへ 飛んでいきました。


こうして 見習い魔女は、

ひとりで 家を 守ることに なったのです。


……と、思ったのですが。


家には、もう ひとり、いるのでした。


それは――

部屋の すみに ある、大きな ゴミ箱。


お片付けが 大嫌いな 見習い魔女は、

ある日、その ゴミ箱に 魔法を かけました。


「ゴミ箱さん、

わたしの かわりに

お片付け してくれない?」


すると ゴミ箱は、

ぽんっと 目を あけて、

パクン、と うなずきました。


それから ゴミ箱は、

見習い魔女の 使い魔 に なりました。


「ごみ、ある?」


「ある……いっぱい」


「まかせて」


ゴミ箱は、

よちよち 歩いて、

部屋の ごみを 集めてくれます。


見習い魔女は、

ちょっと うれしく なりました。


「これで、ひとりじゃ ないね」


でも ある日――


「ごみばこさん、

ぜんぶ 捨ててきて!」


と、強く 命じた とき。


ゴミ箱は、

ごおおーっと 大きく 息を 吸いこんで、

部屋の ごみを どんどん のみこみました。


そのときです。


「きゃーーー!」


なんと、

見習い魔女まで、

ゴミ箱の 中に

すいこまれて しまったのです!


ゴミ箱は、

命じられた とおり、

よちよち、よちよち。


見習い魔女を のせたまま、

ゴミ捨て場へ 歩いていきました。


そして――


どさっ!


ゴミと一緒に、

見習い魔女も 捨てられてしまいました。


しばらくして、

ようやく 外に出てきた 見習い魔女。


まわりを見ると……


ゴミ、ゴミ、ゴミ。

どこまでも広がる ゴミの山。


でも、よく見ると、


壊れた くまの ぬいぐるみ。

ひびの入った ティーカップ。

箱の つぶれた おもちゃ。


「……あれ?

これ、まだ 使えるかも」


見習い魔女は、

いくつかゴミ箱に入れて家へ持ち帰りました。


「魔法で 直してあげる!」


えいっ!


……でも、何も起きません。


「どうせ 私は

出来損ないの 魔女だもん!」


ぷんぷん 怒りながらも、

見習い魔女は 言いました。


「でも、持ち帰った以上、

ちゃんと 面倒は見るもん」


ちくちく 縫って、

こつこつ 直して、

ひびを のりで くっつけて。


ゆっくり、ゆっくり。


すると――

ある日、不思議なことが 起きました。


えいっ!


こんどは、

魔法が きらりと 光って、

ぬいぐるみが すっかり 元通り。


「……あれ?」


それから 見習い魔女は、

毎日 ゴミ箱と一緒にゴミ捨て場へ 行って、


「まだ 使えそうなもの、あるかな?」


そうやって 拾って、

直して、 大事に使いました。


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