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二月には

作者: 武田道子
掲載日:2026/02/05

二月には



キーンと冷たい

頬を包む大気は

チリチリと肌を刺す

小川の流れが小石の上で立ち止まる

「明日はあったかくなるかな」

うすーく張った氷り

ねこやなぎは川縁で

ふかふかな衣をつけて

春までの日を数えながら

枝から枝へとうさぎ色の毛をした花を

咲かせていく

「ひとーつ、ふたーつ、みーっつ」

もうすぐそこまで来ているよね、春



ぐらぐらと硬い土を盛り上げて

しっかりと根を張り踏ん張って

少し土をつけたツヤツヤとした緑の芽

ふんわりと心が温かくなる

枯れ枝と枝との間から

チラチラ覗く日の光

陽の光は弱くやさしい

それは寒くて弱いのではありません

ゆっくりと春をあたためているからです

鳥が卵を温めて雛をかえすように

二月は大切に

春をしっかりと抱きしめて

生まれるのを待っているのです


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