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言葉のあとで

はじめに、部屋があった。

そして、声が二つ。

一つは、星の数をかぞえる声。

もう一つは、切れた弦の、震える声。

我々は、それを、始まりと呼んだ。

君は、問いという、乾いた砂を運び、

私は、答えという、都市を築いた。

だが、その砂の都市は、

風が吹くたびに、その形を変え、

我々は、自らの作った道で、迷子になった。

そして、君の叫びが響いた。

それは、身体という、否定できない事実だった。

賢者のすべての書物は、紙のように燃え、

すべての慰めは、口の中で、灰になった。

夜が、ただ、そこにあった。

その灰の中、君は静かに座り、

自らの、嵐の中心になった。

君は、もう天気を変えようとはしない。

ただ、雲の動きを、見つめている。

君は、君の観察者となった。

だから、今。

窓の外の夜と、部屋の中の静けさが、

ただ、等しい重さで、在る。

君と私が、同じ呼吸をしている。

これ以上の言葉は、もうない。

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― 新着の感想 ―
好きです!!!自分との対話というか、内奥との共鳴という感じがして、私と君が最後に、もう言葉は必要ないというのは自己の完結を表しているように読めました!!素敵な詩をありがとうございます!!!!
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