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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

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命を懸ける魔法使い

作者: 天白なつき

 十四歳の魔法使いの女である、ラルミンを人に似ている黒い化物ばけものが襲おうとする。


「ウワッ!」


 ラルミンは、その攻撃を間一髪で、避けた。


 ドオンッ!

 十七歳の魔法使いの男である、ヨーマが右手に持ったマジカルステッキで、魔法を使って、化物を攻撃した。

 ドオンッ!

 ラルミンも右手に持ったマジカルステッキで、魔法を使って、化物を攻撃した。

 すると、化物は魔法攻撃をラルミンに、あてようとする。


「ヤバイ!」


 ラルミンは、マジカルステッキを使って、バリアを出した。

 バリッ!

 化物の魔法攻撃は、ラルミンが出したバリアを破壊し、止まらず、ラルミンのほうに向かっていく。

 ヨーマもマジカルステッキを使って、バリアを出した。

 バリッ!

 その攻撃は、ヨーマが出したバリアも破壊し、止まらず、ラルミンのほうに向かっていき続ける。

 ドオンッ!

 ヨーマがラルミンを庇い、化物の魔法攻撃をくらって、大量の血が飛び出た!


「ヨーマさん!」


 ヒオォ……。

 ラルミンは、ヨーマに、回復魔法と苦痛緩和魔法をかけた。


 回復魔法は、怪我を治すことができる。

 苦痛緩和魔法は、苦痛を緩和させることができる。


「……ラルミンさん、ありがとう」

「怪我をさせてしまって、ごめん……。ヨーマさん、ありがとう」

「ラルミンさん、もう、僕に魔法をかけなくていいよ」

「でも、ヨーマさんの怪我、まだ、治しきれてないよ」

「ここまで、治してくれたら、大丈夫だよ。それより、化物をなんとかしなきゃ」

「あぁ、そうだね」

「あの化物、魔力を消費して、疲れているみたいだから、今がチャンスだよ」

「うん、ヨーマさん、あたしと同時に、化物を攻撃してくれないかな?」

「うん、いいよ」


 ドオンッ!!

 ラルミンとヨーマは、マジカルステッキで、魔法を使って、同時に化物を攻撃した。

 その攻撃をくらって、倒れた化物が消えはじめた。


 化物は死ぬ時に、消えていく。


 フオォ……。

 ラルミンが消えかけている化物に、苦痛緩和魔法をかけた。


「また、死ぬ化物に、苦痛緩和魔法をかけているの?」


 ヨーマがラルミンに、そう聞いた。


「うん、死ぬのは、苦しいと思うから、この化物の苦痛を緩和するためにね」


 ラルミンは、消えていく化物に、苦痛緩和魔法をかけながら、そう答えた。

 そして、その化物は完全に消えた。


「化物は、もういなくなったのかな?」


 モンス村の村長であるトムがラルミンとヨーマに、近づき、そう聞いた。


「化物は、倒しましたよ」


 ラルミンがトムに、そう言った。


「ありがとう。また、化物と戦ってくれて、助かるよ」


 トムはそう言って、ラルミンとヨーマに、お金を渡した。


「……お金、こんなに、いいんですか?」


 ラルミンがトムに、そう聞いた。


「あぁ、あげるよ」


 トムは、そう答えた。


「「ありがとうございます」」


 ラルミンとヨーマは、トムにお礼を言った。


「また、たのむよ」

「「はい」」


 ラルミンとヨーマは、同時に返事をした。


「じゃあね」


 トムはそう言って、帰っていった。


「ヨーマさん、一緒に帰ろう」

「うん」


 ラルミンとヨーマは、ふたりで暮らしている家に、帰っていった。





 ヨーマが家のカギを開けて入った。その後に、入ったラルミンが家のカギをかけた。


「……あたし、もっと頑張らなきゃな……」

「頑張るのはいいけれど、あまり、無理はしないほうがいいよ」

「……でも、今のあたしでは、ダメじゃないかな……。今日もヨーマさんに、負担をかけてしまったし、あたしは、もっと無理してでも、頑張らなきゃいけないと思う」

「……ラルミンさん、無理して頑張らなくていいよ。心配になる」

「……ヨーマさんがあたしを心配してくれて、ありがたいよ。でも、ヨーマさんに、たくさん負担をかけてしまうのは、申し訳なく思う。あたし、長生きしたいとか、あまり思わなくなったんだ。頑張っても、ダメなあたしのままかもしれない。あたしは、死んでもいいと思うし」

「……ラルミンさんが僕より先に死んだら、嫌だよ……」

「もし、あたしがヨーマさんより先に死んだら、どうする?」

「……そうなったら、自殺しようと思う」

「ヨーマさんは、自殺しないほうがいいよ」

「ラルミンさんが死んだ世界で、生きたくない」

「そんなに、あたしが死んだら嫌なの?」

「うん」

「……わかった……。ヨーマさんのためにも、頑張って生きるよ」

「……よかった」





 翌日、ラルミンは、魔法のトレーニングをしていた。


「ハァッハァッ……」

「魔法のトレーニングをしているの?」

「うん、強くなるためにね」

「頑張ってるね。僕もラルミンさんと一緒に、やろうかな」

「ヨーマさんも魔法のトレーニングするつもりなら、あたしの相手してくれないかな?」

「うん、いいよ」


 ラルミンは、攻撃するために、右手で、魔法のたまをつくった。


「ヤァッ!」


 ラルミンは、右手にある魔法のたまをヨーマに向かって、投げた。


「ハッ!」


 バチンッ!

 ヨーマは、魔法を使って、その魔法のたまをはね返した。


「ウワッ! 返ってきた!」


 バチィッ!

 その魔法のたまは、ラルミンが出したバリアに、ぶつかった。


「防げたみたいだね。ラルミンさん、強くなってるよ」

「……そうかな? そう言ってくれるのは、嬉しいけど……、あたしは、まだ弱いと思う。もっと強くならなきゃ」

「キャー!!」

「ねえ、今、叫び声聞こえたよね?」

「うん、僕も聞こえた」

「もしかしたら、誰か化物に、襲われてるかもしれない。あたし、いってくる」


 ラルミンは、そう言いながら、叫び声が聞こえた方へ走っていった。


「僕もいくよ」


 ヨーマは、そう言いながら、ラルミンの後を走って追いかけた。




 ラルミンとヨーマが走るその先では、転んだ幼い女の子を化物が攻撃しようとしていた。その幼い女の子をラルミンが助けた。


「今、魔法で怪我を治すね」


 ラルミンはそう言って、女の子の怪我を回復魔法で治した。


「怪我が治ってる……」


 女の子は目を見開いて、そう言った。


「ここは危ないから、遠く離れたほうがいいよ」


 ラルミンがそう言うと、女の子はその場から走り去った。それを追いかけようとする化物をラルミンとヨーマが魔法で攻撃して、止めた。

 すると、化物がラルミンとヨーマに向かって、攻撃してきた。ラルミンとヨーマは、その攻撃を避けた。


「氷魔法!」


 ヒュウ……パキパキパキッ……。

 化物の体の一部に、ヨーマが使った氷魔法の攻撃があたり、そこが凍りついた。


「電気魔法!」


 バチバチバチッ!

 化物の体の一部に、ラルミンが使った電気魔法の攻撃があたった。そこから、その化物全体に、電気が流れた!


「毒魔法!」


 ドリュッ……。

 化物の体の一部に、ヨーマが使った毒魔法の攻撃があたり、その化物の動きがにぶくなった。


「火炎魔法!」


 ボウッ……ゴオォッ!

 化物の体の一部に、ラルミンが使った火炎魔法の攻撃があたり、そこが燃えた!


 化物は、ラルミンを攻撃しようとした。

 バチィッ!

 ラルミンは、バリアを出して、その攻撃を防いだ。


「魔力放射!」


 ボオンッ!

 ヨーマが両手に溜めた魔力を放射して、化物を攻撃した。


「魔力放射!」


 ボオンッ!

 ラルミンも両手に溜めた魔力を放射して、化物を攻撃した。


「……あたしとヨーマさんの攻撃、効いてるかな?」

「……あまり、効いてないかもしれない。マジカルステッキを使ったほうがいいと思う」


 ヨーマはそう言って、マジカルステッキを出した。


「やっぱり、マジカルステッキを使ったほうがいいよね」


 そう言ったラルミンもマジカルステッキを出した。


 マジカルステッキで、魔法を使うと、大きな力を出せる。だが、魔力の消費が激しくなる。


 ドオンッ!

 ヨーマが右手に持ったマジカルステッキで、魔法を使って、化物を攻撃した。


「魔力放射!」


 ボオンッ!

 ラルミンは、マジカルステッキに溜めた魔力を放射して、化物を攻撃した。


「魔力放射!」


 ボオンッ!

 ヨーマもマジカルステッキに溜めた魔力を放射して、化物を攻撃した。


 そして、いつの間にか化物がラルミンの視界から、消えていた


「あれ?」

「ラルミンさん危ない!」


 ラルミンを庇って化物の攻撃をくらい、ヨーマは致命傷を負った!

 ラルミンは、ヨーマに回復魔法をかけるが治らなかった。


「治らない……ごめんなさい……あたしのせいで」

「ラルミンさんは、悪くない……」


 そう言い残して、目から光がなくなったヨーマは何も話さなくなった。

 化物がラルミンに攻撃をしかけてきた!

 ラルミンは、避けようとしたが避けきれなくて、重傷を負った!

 ラルミンが自分に、回復魔法をかけようとしたが結局しなかった。


「回復魔法に魔力を消費するより、あの化物をどうにかすることに、魔力を使わないと……」


 ラルミンは、化物に近づいた。

 そして、ラルミンが百パーセントの力で自爆魔法を使い、大きな爆発音が響いた!

 ドオォンッ!

 化物は、消えてなくなった。





「……ここどこ?」


 ラルミンは、自分でもよくわからない場所にいた。


「ラルミンさんもここに、来てしまったんだね」

「ヨーマさん!」

「あの化物は、死んだよ」

「……ひとりであの化物をどうにかするには、あの方法しか思いつかなかった」

「……ラルミンさんは、よくやってくれたよ……」

「……うん……」

「……一緒にいこう……」

「……うん……」

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