表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/23

6話 絶対絶命の少女


混乱に包まれた朝の境港。シェルアノスが暴れ回り、人々は叫び声をあげながら逃げ惑っていた。



その中に、友達とはぐれた一人の少女がいた。小学校低学年ほどの少女は、何が起きているのかわからず、泣きそうな顔でその場に立ち尽くしている。


「おい、早く逃げろ!」

逃げようとする大人たちが声をかけるも、少女は動けない。恐怖で足がすくんでしまっていた。


「……ここも汚すのか。」

シェルアノスの視線が少女に向けられる。瞳には怒りが宿り、彼の鋭い爪がゆっくりと少女に向かって持ち上がる。





「やめろ!」

遠くから男の声が響いた。その声の主は、昨夜逃げ出したWOLLの隊員、海翔だった。 



彼は自宅で休んでいるところ、叫び声を聞きつけて飛び出してきたのだ。人々が逃げる中、彼はその流れに逆らい、海沿いの現場へと駆けつけていた。



「このままじゃ、あの子が……!」

少女に向かって迫るシェルアノスを見て、隊員は迷わなかった。



彼の手には、WOLLが開発したパワードスーツの装着アイテムが握られていた。昨夜の自分の失態が頭をよぎる。しかし、今度こそは逃げないと心に誓った。



「WOLL出動!」


変身アイテムを起動させると、装置から発せられる光が彼の体を包み込む。次の瞬間、彼の体にはパワードスーツが装着されていた。



シェルアノスの爪が少女に迫る。だが、その直前に海翔が割り込み、その爪を手で受け止めた。金属音が響き、スーツのアーマーが火花を散らす。



「貴様は!」

シェルアノスが怒りを込めて叫ぶが、海翔は歯を食いしばり、目の前の敵を睨み返した。



「この子には、指一本触れさせない!」


少女を抱きかかえ、隊員はその場を飛び退く。スーツに備わった俊敏性が彼の動きを助けた。


「立てるか?」

隊員は優しく少女に声をかけた。少女は震えながらも小さく頷くと、彼にしがみついた。


「大丈夫だ。俺が守るから。」




一方、シェルアノスは怒りに燃えながら睨みつけていた。

「また人間か。愚かな者ども、海を汚し、我々を侮辱するお前たちが――!」



その時、周囲で騒動を見ていたイヲティスが声を上げた。

「シェルアノス、やめろ!これ以上の暴走は許されない!」


だがシェルアノスの耳には、イヲティスの言葉は届いていない。


海翔は、少女を安全な場所へ避難させると、再びシェルアノスに向き合った。



「海を守りたいのはお前たちだけじゃない。俺たちだって!」


次の瞬間、シェルアノスが再び爪を振り上げ、海翔との一騎討ちが始まろうとしていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ