表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼穹幻島ミラクネア  作者: 楊咲
第一パーティー 序章
29/59

解説1 魔法と属性 キャラクターver.


「みなさん初めまして。金等級冒険者《爆炎(ばくえん)魔女(まじょ)》こと、アイナ・セルミスです。そして──」


(せい)等級冒険者《孤高(ここう)王女(おうじょ)》……こと、シェルミル・アス・ヴィセ―ラです」


「この解説といった枠では、私たちの世界に存在する様々なことをお話しさせていただきます。いわゆる補足みたいなものですし、私たちが知っている限りで解説しますのでよろしくお願いします」


「では、私とアイナのふたりで、今回お話しさせていただくのは『解説1 魔法と属性』ということで、この世界の魔法と属性についてです。軽快に、できるだけわかりやすく説明できるよう頑張りますので、みなさんも話に付いてきてください」



 ◆



「では早速ですが、魔法とは、と書かれた下記をお読みください」



 魔法とは、()()()()()()()()()()()が精霊といった神様に等しい存在から授かるもの。

 授かった胎児は成長していくに連れ、魔力といった魔法を使うために必要とされる力が増幅されていき、精霊から授かった属性を扱えるようになっていく。

 

 ※魔力は精霊から魔法を授からなければ、自身の体内に存在しません。



「ざっくりとした説明になるのだけれど、ここで疑問点を洗っていきましょうか。シェル」


「はい。こちらは絵本にも出てくる話ですが……まず、精霊から魔法を授かるというのは、生まれてきた赤ちゃんの回りに色の付いた精霊さんが飛び回ります。それが、魔法を授かったといった合図です。生まれてきた赤ちゃんには、確実に魔法を授かったかも魔道具を使って確認しますが、今まで飛び回って授かっていなかった、なんてことはなかったと聞きます」


「それで少数といった話になるのだけれど、本当に数少ない人たちしか授からないし、魔法は遺伝しないの。血は当然両親から受け継がれるけど、魔法は精霊からしか授かることができない。だから、例え両親が魔法を授かっていても、その間に生まれてくる子が絶対に魔法を授かるわけではないの。あと逆もしかりよ。私はお母さんが魔法を授かっていたって、お父さんから聞いたけど……シェルは?」


「魔法は私だけです。お父様もお母様も、それにお兄様も授かっていません」


「そうなのね。って言っても、ふたりだけの話じゃ信憑性は薄いかもしれないのだけど、そんな感じで魔法は遺伝しない。それは覚えておいてね」




「そして、授かることに関しては例外がふたつあります」


「ひとつ目だけど、基本は授かる属性はひとつだけなの。だけど例外として、二属性、三属性と魔法を授かる人物たちが存在するわ。ただ授かるだけで羨ましい限りだけど、複数はその中でも滅多にって感じよ。それでも、主軸となる魔法はひとつの属性だけで、ふたつや三つと完璧に操るのは厳しいらしいわ。魔神討伐だと、スイハちゃんとシキちゃんのふたりだけ。スイハちゃんは水より氷。シキちゃんは光より風魔法が主軸になるらしいわ」


「例外ふたつ目は、魔法を授からず生まれてきたのに、いつの間にか授かっていたといった事例があります。これこそ、おとぎ話のような噂に感じますが、あるらしいです。途中から授かる原因は未だ不明とのことで、精霊様の気まぐれかもしれませんね」




「あとは、魔法を使うための魔力の増幅量について簡単にお話しします。誰もが成長していくにつれ、魔力が増幅されるのは研究結果から出ているらしいです。そして、今回は人間で例えますが、魔力が限界まで増幅する年齢は平均二十代後半まで。そして、魔力が衰えてくるのは五十代かららしいです。例外として、年老いても若い頃と大差なく魔力が維持できている人はいるらしいです。選ばれた人。魔神を消してしまうアイナは、維持し続けるかも知れませんね」


「ちょっと、年老いた話は早すぎるわよ」


「例として挙げているだけです。──増幅方法は成長していくにつれと言いましたが、それ以外の方法はと言いますと……」


「それが、わからないのよね。小さい頃から使っているとって仮説はある。だけど仮説は多く存在し、人によって増幅量がバラバラだと、現在進行形でも研究結果が出されているわね。何か法則があるはずだって、研究者たちが頑張っているらしいけど、無理そうね」


「ちなみに小さいころですが、私は灯り程度で魔法を使うことはありました。アイナは?」


「私は小さいころ、魔法をあまり使っていない。子どもが火魔法を使いまわすなんて危ないでしょ?」


「そうですね」



 ◆



「次に魔法を持った人物たちが共通してできることについてです。それは以下の三つとなります」



    ・身体強化

    ・魔障壁(張る、纏う)

    ・微精霊を出し、魔法陣を描かせる



「身体強化はそのままの意味で、腕力や脚力と、身体に通常よりも倍の力を加えられること。そして、魔障壁なんですが……」


「これに関してもふたつあるの。ひとつが、自身の腕を伸ばし手の前に出すのと、武器の先端などに魔法の防壁を張るやり方。もうひとつが、自身の身体に(まと)う張り方よ。この纏う張り方が魔障壁の応用であって、できる人が少なく難しいのよね」


「はい。私はできませんし、魔神討伐に参加しました、スイハさんにシキさん、クラバンさんと等級の高い人でも苦労するらしく、たまに失敗するらしいです。纏おうとしても、魔障壁が前に出てしまいますし……できたら便利らしいですね」


「まぁ、そうね。特にムイちゃんみたいに敵を殴ったり、カイルみたいな守り専門は必須って言われているくらいだわ。今回の魔神討伐だと、私とアッカー、ムイちゃん、カイルの四人。あとは、ほかの冒険者が三人ぐらい使える人がいたわね。纏えたらどう変わるのかといったら、自身の身体への衝撃を抑えることができるの。殴った時、受ける時、地面に体を打ち付けるといった全ての衝撃が軽減されるわ」


「アイナは、張るのと纏うの、使い分けはどうしてますか?」


「物理的に受けてしまうのは魔障壁を纏うほう。遠距離だったり武器、魔法の類は張るほうが一般的ね。ただ、張るのは隙が生まれることがある。それを考えて使い分けることが多いわ。纏うに関しては武器にも付与はできる。だから、飛んでくる攻撃を武器で打ち返すことも可能よ」


「では、纏うに関して、痛みは体感でどのくらいになりますか?」


「言葉にするのは難しいわね。ただ、魔神討伐の最後の作戦で受けてたカイルが参考になるかしらね。あんな巨体を真っ向から止めるのに、骨にヒビが入る程度で終わったらしいから」


「そうですか……」


「あ、言い忘れていたけど、魔障壁を張る大きさの限界値は自信の身体の倍いかないほどが限界だわ。シェル、次いいわよ」


「──三つ目の微精霊に関してです。これは、魔力を籠めては小さな球体として、微精霊──正しくはそのような存在を出すことができます。使い方に関しては、魔法陣を描くことぐらいでしかないと言われています。魔力の理解を深めれば、偵察にも使えるとは耳にはしています。そんな魔法陣に関して詳しくは、また別の機会でお話します。すみません」



 ◆



「これが最後になるのかしらね」


「はい。最後は、魔法における属性の種類についてですね。こちらも下記をご覧ください」



属性種類一覧


    通常……火、水、風、雷、地、光、無 

       (赤、青、黄緑、黄、橙、光、透明)


    異色……木、氷、毒、闇、空間

       (緑、空、紫、紫紺、?)


    回復魔法……風、光、水



「現在まで判明しているのが、この十二属性です。異色というのは、魔法を授かるにあたって珍しい属性のことです。そして魔法を授かる場合は精霊さんに色が付いていると話しましたが、( )のなかがその属性を授けてくれたとわかる色です」


「私は火属性だから赤色。シェルは光のまま。カイルは木属性で緑色。そして、アッカーだけど……何色かしらね。本人に訊いてわかるかしら?」


「どうでしょう。そもそも空間属性って異色の中の異色になるんですよね? それに移動手段の魔法でしかないらしいです。枠を作って移動するとか、空を飛ぶことができるとか。言わば移動の便利屋。運送商会では重宝したいと叫んでいますね」


「そうね。あまり広まっていないのは、とある空間に閉じ込めたりもできる。これが文字通り空間属性って感じがするし、できるんでしょうけど……無属性もそうだけど、まだまだ判明していないことが多いから断定はできないわ」




「最後は回復魔法についてよ。回復魔法は風、光、水の三属性。風魔法は三つの中で一番強力な回復魔法を使えるわ。これは回復に特化していてと、少し大きめの傷を塞ぐだけではなく、動きの向上も見込めるの。次の光魔法は、風よりは回復力が劣るけれど、状態異常の回復が可能よ。最後は水魔法。これも光と同じ回復力だけど、水の回復魔法を使うと防御面も追加で強化されるわ」


「これは言わなくてもわかると思いますが、本人の魔力量などによって上昇も回復量も違いますので気を付けてください」




「それでは以上を持ちまして、『解説1 魔法と属性』の話を終わります。こんな感じで少し長くなってしまうのだけれど、ごめんなさいね。次回の話だけど──」


「はい、()()()が次回解説するのは、詠唱についてです。少し話しますと、詠唱にも、短縮詠唱だったり、アイナのグラキラーザを消し炭にした固有魔法。等級の高い人たちの無詠唱だったり、詠唱による段階などをひっくるめて、お話しさせていただきますのでよろしくお願いします」


「次の解説は、アッカーとカイルの男ふたりになるのだけれど聞いて行ってあげて。それが終われば、私たちの物語の始まり。よろしく頼むわよ、シェル」


「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ