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苦手な方はご注意ください。

短編

好きなひとから村八分

作者: シーナコ こみ

かわった小豚がいた


彼女は見た目はふつうでかわいらしいが

ものの考え方がかわっていた

みんなの好きなものが好きじゃなくて

みんなが眉をしかめるようなものが大好きだった

ただそれだけだった


小豚には好きなひとがいた

それはふつうのひとだった

でも小豚にしか見えない特別な輝きをもっていて

眺めてるだけで心が明るくなれるから

小豚はそのひとが大好きだった


その村に小豚は彼女ひとりだった

彼女の好きなそのひとはふつうの豚で

だから小豚の存在を異質に感じていた

豚の村に小豚が暮らしているのはおかしいと

彼女を目ざわりなものにしたがった


彼女から話しかけられても

そのひとは答えなかった

彼女から優しくされても

そのひとは肘で突き飛ばした


そのひとはそれを

自分の好き嫌いの問題だから

いじめなんかじゃないと言ったけど

彼女が自分たちと異質だからそうしているので

それは意図せぬ結託した村八分


小豚は大好きなひとに愛を伝えられなくて

近づくだけで許されなくて

泣いて

泣いて

遂には死んでしまった

冷たい湖の上にぷかぷか浮いて


わたしはそれを空から見ていた

アダムスキー型の円盤に乗って


小豚を助けようと声はあげた

でも村人たちの結束は固く

捏造されてしまった

わたしの言葉はわたしの身を守るための

わたしひとりのためのエゴなものだと


宇宙人が嫌いなひとがいるのはしょうがないでしょ

誰もから愛されるなんて無理だよ

見苦しい

そんなに万人から愛されたいのか


わたしが小豚のために声をあげたなんて

彼らにはわからないのか

それとも

気づきたくないのか

その村八分に



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― 新着の感想 ―
[良い点]  姑息な行為を豚で例える所! (≧∇≦)b巧い!
[一言] 辛いですね。
[良い点] 村八分は何も考えない小さな村社会が獲得した、みんなで一丸になるための社会構造なのでしょう。 レッテルを貼って攻撃される対象を作った方が、何故かまとまりが良くなる集団をどれだけ見たことか。…
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