表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪人ー井伊直弼と共に生きた男ー  作者: Making Connection
53/211

第五十三幕

西村孫左衛門が三浦北庵先生と長野主膳を埋木舎に連れてきたのは日が落ちてからだった。僕は玄関で三人を出迎え

「ようこそお越しくださいました。

井伊直弼様の従者の脇貞治と申します。」

長野主膳に向かって自己紹介をすると三浦先生が

「彼は優秀な蘭学者でもあるんですよ。

和歌などは苦手なようですが剣術や砲術に関しては直弼様に次ぐ実力者なんですよ。」

僕の追加情報を言って貰えて誉めても貰えたが、国学者が蘭学者に対してどのような印象を持つかは人それぞれだ。

敵対的な立場をとる人も中にはいる。長野主膳の様子を見ると

特に関心が無いような顔で

「ほう、蘭学者ですか。

直弼様は噂には聞いてましたが、色々な知識に貪欲であるようですね。知識を得ることは重要な事です。

脇殿もお若いように見えるのにご立派ですね。」

「お褒めにあずかり光栄です。

まだまだ未熟者ですので今後も精進せねばと常々おもっております。」

どうにもお世辞を言っているようにしか聞き取れなかったがここで対立するようなことは直弼様にとって良くないと思い差し障りのない言葉で返した。

「それでは・・・・」

僕が案内をしようとした所で一人の若い男が走り込んできて、

「失礼致します。

彦根藩家老の西郷家の者でございます。

脇貞治殿はご在宅でしょうか?」

「脇貞治は自分ですが、いかがされましたか?」

「失礼致しました、藩主・直亮様からの書状が江戸より届きまして、貞治殿に直接お伝えしたい事がございますので、当家へお越しいただきたく。」

「なるほど、そうですか。

孫左衛門、三浦先生と北庵先生を直弼様の元にご案内してくれるか?」

「承知しました。

貞治様の事もご説明した方がよろしいですか?」

「ああ、そうだな。

和歌の会から逃げたと思われたくないから直亮様の手紙について西郷殿の家に行ったと伝えてくれ。」

「承知しました。」

僕は三浦先生長野主膳の方に向いて

「すみません、急用が入りましたので引続き孫左衛門に案内を任させて頂きます。

では、急ぎますのでこれで失礼します。」

僕はそう言って西郷家の使いの者と一緒に西郷家に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ