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スペースコロニーのぼくら(仮)  作者: たいじゅ@音森の館
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2と3

2と3

この二つの数字はすごく重要なこととして教えられる。


幼稚園や保育園などで物心ついた時には2、つまり常にペアであることを意識する様に教え込まれる。

授業の中でも、他の人と二人組を作って何かをするというのが非常に多い。


今日も二人組になって、絵を描くという授業があった。

本当はリズと組めた方が気が楽なんだけど、そこは授業、思い通りにはいかない。

学校の授業で二人組を作る時には必ずあるルールが存在する。

それは、組み合わせが一巡するまでは同じ人と組んではいけないというものだ。

当然、あまり仲の良くない人や嫌いな相手とも組まざるを得ないことが出てくる。

それほど社交的じゃない僕にとってはこの授業はあまり好きじゃなかった。

当然、何でこんな嫌な授業があるのか全くわからなかった。


そんなある日、僕はとあるニュースを見ていた時にその理由を理解した。

そのニュースでは、とある事故で閉じ込められた作業員が、普段は仲の良くない他部署の人と嫌々ながらもペアを組んで窮地を脱したというものだった。

その時、彼らは気持ち的には嫌ではあっても即座にペアを組んで助け合ったという。

その後のインタビューで学校の授業で嫌な相手であっても一緒に助け合うことの重要性を教え込まれていたから、さほど長く悩まずに協力し合うことができたという話だった。

もちろん、すべての人がそううまくいくわけじゃないかもしれない。

でも、いざという時にすぐペアを組んで助けてくれそうな人を探し出し、協力を頼むということを習慣として身につけているかどうかによってどれだけ迅速に物事に対処できるかというのが変わってくるのは間違いない。

また、これが3や4じゃなくて2というのは一人が気にかけることができる相手として一番確実な数字だからだ。

3以上だとどうしても一人を気にしている間にもう一人が意識外になってしまう。

だから2という数字がベストということになっているらしい。


そして、二人組は可能であればさらに同じ様に他の人を見つけ、ペアのペアのペアという具合に協力し合う相手を増やして物事に対処することを自然にできる様習慣づけるための授業なのだった。

その中で自分とは違う考えの人や、それぞれが出来ることとできないことを認識し協力することが自然と必要となってくるし、それを踏まえた上で目的を達するためにどうするかを一所懸命に考える様になっていく。


それを理解してからは、ちょっとだけ積極的にみんなと関わる様になった気がした。



そして、3という数字。

これはどちらかというと環境的な話になる。

スペースコロニーは宇宙という極限環境の中に人為的に居住環境を作り出すわけで、様々な予想外のトラブルが起きる可能性は常に存在する。

そしてそれがライフラインに関することであった場合、特に生命の危機に直結する。

そこですべてにおいて三重の冗長性を持たせることを基本としている。


例えば、電気や水道、換気などの施設はメイン、サブ、バックアップの三つを必ずセットで運用する。

メインとサブまではそう珍しくはないけど、コストをかけてまで3つ用意することで万が一に対する備えを十二分に行うわけだ。


同じ様な考え方で僕らも万が一のことが起きた場合、最低でも三人緊急時の連絡先を登録している。

そのうち一つは家族、もう一つはその他の信頼できる誰かというのが鉄則になっている。

家族だと一緒に行動して一緒に連絡がつかないこともあり得るからだ。

そして最後の一つは任意の誰かとなっている。

僕の場合はリズの親と学校の先生を登録している。


遊びに行く場合は行った先の管理事務所やその周りの人のいる場所や緊急避難口など三つの項目を確認して不審者に声をかけられたり火事なが起きた場合などに活用することを幼い頃から教え込まれる。


幼稚園や小学校で2と3について特に重要視されるのはそういう安全のための基本的な考え方につながるからだ。

入学シーズンや長期休みに入る前などは2と3キャンペーンとしてそれらの重要性を再認識させるための冊子が配布されたり、教師から何のためにあるのか尋ねられたりする。


2と3

これは僕らにとって生涯大事な数字なんだ。



妄想ベースなので物理原則やその道の詳しい人たちから見ると、んなわけねーじゃん!ってツッコみたくなる部分がメチャクチャ多いと思います。

楽しけりゃいいってノリなのであまり考証せず書いてますけど、そーじゃなくてこーだ!って指摘は歓迎です。

ストーリーや世界観さえ破綻しなければ、さりげなく取り入れてしれっと書き直してるかもしれませんw

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