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スペースコロニーのぼくら(仮)  作者: たいじゅ@音森の館
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雨とアップルパイ

かたつむりが葉っぱの上をお散歩している。

窓越しにそれをぼんやり眺めていたら、この雨の中を走ってくる人影が見えた。

人影は僕に気がつくと千切れんばかりに手をおおきく振ってきた。

軽く手を上げてそれに応える僕。

人影はそのまま僕の家の玄関の方へ走っていった。


玄関へ行くと、リズが立っていた。

いらっしゃいの言葉を言い終えるよりも早くリズは奥の方へ駆け込んで行き、お風呂場からタオルを引っ張り出して髪を拭きながら、手にした包みを僕に差し出す。

開けてみるとそれはアップルパイだった。



スペースコロニーでも雨は降る。

もちろん人工的に雨を模して散水してるわけだけど、これが僕らにとっての雨だ。

だから天気予報は限りなく的中率100%で、まず外れることはない。

過去に外れた時は、気象システムの不具合が起きた時だけだ。

週間で予報(予定)が出されるので小まめにチェックしてあればずぶ濡れになることなんてまずない。

それなのになんでリズは傘も持たずにこんなにずぶ濡れになってたんだろう?


そう思ってリズに理由を聞いてみた。

今日が雨だってのはもちろん知ってたらしい。

僕が雨の日はおとなしく家で過ごすことが多いことをリズもよく知っていて、一緒に過ごそうと思ったらしい。

それで僕の大好きなアップルパイを作って食べさせてあげようと思ったんだって。

問題はここから。

リズはりんご味の合成素材ではなく、本物の林檎が格安で手に入る料理教室ができたという噂を聞きつけてお小遣いをはたいて本物の林檎を作ったアップルパイの作り方を教わってきたということらしい。

初めての本物の林檎を使った料理で慣れないためかなり悪戦苦闘したらしく、本当は雨が降る前に帰ってくるはずが本降りになってしまったということだった。


そんなに急がなくても僕もアップルパイも逃げないのになぁと思ったけど、初めて作ったアップルパイがあまりにも美味しくできたので1秒でも早く僕に食べさせてあげたいって思って気がついたら雨の中を全力疾走していたらしい。

それを聞いた瞬間リズらしすぎて笑いをこらえるのが大変だった。

お礼を言ったら、「言葉だけで終わりじゃないよね、期待してるわよ」とウインクされた。

いったい何を要求されるんだろう?

今月の小遣いの残りが少ない僕の心は一瞬で土砂降りになった。



妄想ベースなので物理原則やその道の詳しい人たちから見ると、んなわけねーじゃん!ってツッコみたくなる部分がメチャクチャ多いと思います。

楽しけりゃいいってノリなのであまり考証せず書いてますけど、そーじゃなくてこーだ!って指摘は歓迎です。

ストーリーや世界観さえ破綻しなければ、さりげなく取り入れてしれっと書き直してるかもしれませんw

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