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王と勇者の異世界日記  作者: 塩とわかめ
-- 1章 サンクとキリア --
8/15

【8話】ユーリとキリア

少しずつ、転がり始める物語。

ギャグがちょこちょこブレーキをかけるみたいです。

「カズキ、ここんとこよく来るなー? 勇者業はいいのかー?」


「なんだよ、勇者業ってww ちょっとした息抜きタイムだからいいんだよw それに、ちょこちょこ依頼はこなしてるしなww あと、キリアさんの珈琲ヤバうまだしwww」


「まぁ別にいいんだけどさw そーいや話変わるけど、守護龍の素材ってどうしたん? 加工してもらうとか言ってなかったっけ?」


「あーあれねw マジすげーのできるぞあれはww こないだドワーフのおっちゃんと仲良くなって、今加工してもらってるとこなんだよw」


「ほぉー、いいなぁ。できるのめっちゃ楽しみだな! 俺もなんか作ってもらおうかなぁ……」


「おー、俺の終わったら今度はマサトのも頼んどいてやるよww」


「マジか! 頼む! かっちょいいの!w」


「任せとけw まぁ作るの俺じゃねーけどなww」



「サンク様、よろしいですか?」


「ん? キリアか。大丈夫だよ、どうぞ」


「失礼します」


「キリアさん、珈琲いつもありがとねw この珈琲が1番美味いわww」


「いえ、お口に合って何よりです。サンク様、先ほどルナさんが来られまして、相談したい事があるとのことでして」


「あ、そうなんだ? 通してあげてもよかったけど、悪いことしたな。そしたらちょっとこれからルナんとこ行ってくるわ」


「よろしいのですか? お呼びしますが?」


「いいよいいよ。んじゃ、行ってくるけど良い子にしてるんだぞ、ユーリ」


「子供じゃねーしwww」


「はははw じゃあちょっと行ってくるから、キリアよろしくね」


「はい。いってらっしゃいませ」


「いてらーww」





「ルナー、いるかいー?」


「え、あ、はい…どう…ぞ!」


「こんにちはーっと。なんか相談があるんだって?」


「わざわ…ざ、ありが…とうで、す。えっ…と、魔撃、団の2番隊、隊…長を決めな…いと、で」


「あぁ、しばらく適任者がいなくて不在で、ルナが仮で統括してたんだよね? 確か。2番隊か……もしかして?」


「は…い。アルくんを、と考え…てます。サン…ク様の意見、も聞…きたく、て」


「確か、1番隊が純粋な攻撃部隊。2番隊は特殊任務も多いテクニカル部隊だったよな? 魔法を使っての潜入任務や索敵、諜報あたりの大事な任務も結構あるね」


「は…い。どう思…います、か?」


「彼は先日、俺からの諜報任務も期待以上の成果を出してくれたしね。他の任務遂行状況は? って、ルナが隊長に推すくらいだし、問題は無し、か」


「はい…。任務はもち…ろん問題無、し。同隊だけ…でな、く、1番隊…や騎士団と…の繋が、りも良好……で、す」


「ふむ。なら決まり、かな? いやー、アル君も出世だなぁ。これでモリモリと働いてもらえるね☆」


「社畜バンザ…イ?」


「まーたあいつの入れ知恵かい……」




 カズキのやつ、ルナをどうしたいんだよまったく……。

 まぁかわいいからいいけど……って、なんかあいつの罠にハマってる気がする……。

 まだいるんかな? あんま変なこと教えんなよって釘刺しとくか……ん?


(…の件よろしくお……致します)


(あぁ、バレな……にこっちでう……やっとくよw)


 扉越しで聞こえにくいけど、キリアとカズキが何か話してる……?


(それに……クには、あまり知られ……いんだろ?)


(はい…。……件が絡むと、過敏……れますから)


(んじゃ、そろ……俺は行くわw)


(はい。くれぐ……気をつけて)




「キリア、なんの話してたの? 今のユーリだよな?」


「サ、サンク様……いえ、仕事の依頼をしただけで、特には。それでは、私も書類が残っておりますので失礼します」


「ちょっ、キリア……って、行っちゃったし……」


 ちゃんとは聞こえなかったけど、俺には秘密の依頼ってことか……?

 キリアも明らか動揺してたし、なんの話だったんだ……。

 問い詰めても答えてはもらえなさそうだな。無理矢理聞き出せば、答えるんだろうけどそれはなぁ……。


 くそっ。モヤモヤするなぁ。






「いらっしゃいませー! あ、アルじゃん、いらっしゃーい!」


「おう、アル君いらっしゃーいw」


「え?! サンク様?! なんでここに?!」


「なんでって、サンク様、海行ってからもちょこちょこ来てくれてるのよー? うちのお得意様になんてこと言うのよー。中々来ないあんたより常連さんよ?」


「いや、確かにここんところ立て込んでて来れてはなかったけど……」


「週2で通ってます☆ あ、そうそう、一応ここではサンクはやめてね? 騒ぎになったらお店に迷惑かけちゃうし、一応お忍びで来てるから。ここではリードでよろしく!」


「あ、確かにそうですね……。リード…君……よし!リード君、新メニューの試作とか手伝ってくれててすっごい助かってんだよー! ほらアル、これ食べてみて? 魚の煮付けなんだけど…」


「あ、ビールも頂戴。どれどれ……あ、うまい。これ……梅干し?煮付けに?」


「そう! びっくりでしょ? 臭みがとれてすっごいさっぱりになるの! リード君のアイデアで入れてみたんだけど、これが美味しくってお客さんにも大好評!」


「いやいや、ちょっと食べたことあった味を提案してみただけで、ここまで美味いのはおやっさんのウデがいいからだよ。俺も美味いもん食えて、かわいい看板娘もいて幸せだしね」


「もうー! リード君上手なんだからーっ! そんなこと言っても割引しないよー?」


「ホントのこと言ってるだけだから、そんなこと考えてないよw ん、アル君どした? 表情が固まってるよ?」


「イ、イエベツニ……」


(アル君がガツガツ行かないなら、俺が口説いちゃおっかなぁー。ミキちゃんかわいいしー)


(ちょ! 何言ってるんですか! だ、だめですよ……)


「ほほうー。それならガツガツ行っちゃう覚悟は出来たんですかな?2番隊隊長サン?」


「そ、それなんで! ってそらそうか……。俺もさっき聞いたとこなのに……」


「なんでも何も、最後推したのは俺だしなぁ。だから、今日はアル君の祝賀会! 俺のオゴリだから呑め呑め!」


「それはありがたいんだけど、何故今日俺が此処に来るとバレて……」


「そりゃ、君が誰に報告したいか考えたら、ここしか待ち伏せ場所が思いつかなかったけど?w」


「当たってるからなんも言えねぇ……」


「あ、ミキちゃん! 今日はアル君の出世祝いだから、こっち、美味い酒とツマミ持ってきてね!」


「はいは〜い! なにーアルってば出世したの? すごいじゃん! そしたら……これ!あたしの1番オススメのお酒!」


「お、おう。まぁな。忙しくなるだけな気もするけど……」


「この出世株のアル君、今超お買い得物件だけど、どう? ミキちゃんw 」


「あはは、お買い得ってw そうだね、昔約束したみたいに、お嫁さんにしてもらっちゃおうかな?」


「ぶっ!お嫁、さんっt○78+¥%<^885☆*」


「もうー、動揺しすぎだよー! そんな嫌がらなくても、昔の話しただけだよー」


「はっはっは。アル君は嫌がってないと思うけどね?w ま、アル君がんばりたまへよ! 俺はお先に帰るけどごゆっくり。ミキちゃん、これでアル君の分も一緒によろしく。今日は好きな物どんどん出してあげてね?明日からたいへーんなお仕事がたっくさん待ってるから、ミキちゃんも優しくしてあげてねー。んじゃまたー」


「はぁーーい! リード君も、また来てねーっ」


「嵐のような人だな……」




 ふぅ。ちょっとからかい過ぎたかな?

 モヤモヤしてると、ダメだな。


「あれー? さんちゃんだーっ!」


「え? ミント様?!」


「なんでこんなところにー? あっはー、さてはここのお店に入るとこ……かにゃ?」


「ここのお店って……『ドMの館』違います! 断じて違います!!」


「さんちゃん、そういうのが好みなの……? アタシはいつでも、さんちゃん好みの女になる…よ?」


「だから、違いますって! たまたま前を歩いていただけですよっ」


「そーいうことにしといたげようー。んじゃ、かわりにこれから1軒付き合ってねー?」


「はいはい。どこへでも付き合いますよ」




「はーい、さんちゃん、かんぱーい」


「乾杯。ここは俺がオゴリますよ。変な噂広められたら困りますしね……」


「相談料、だねー。で、何に悩んでるのかなー?」


「本当にこの人は……狙って出てきたんじゃないですよね……?」


「まさかー。たまたまあの辺りでご飯食べた帰りだよー。さんちゃんが、悩んでますー! って顔で歩いてたから、いかがわしいお店に入るのを悩んでるのかなーって……」


「それはもういいですって! …………大したことではないんですが、キリアのこと、です」


「きりちゃんと、距離を感じたーってとこ?」


「?!……そんなに顔色に出ます? 結構ポーカーな方だと思ってたんだけど、自信なくしますね。その通りです。隠し事、されてるみたいな感じで……」


「ふぅーん。乙女には、隠し事の1つや2つ、あるものよー?」


「いやでもっ、キリアが俺に隠し事なんてしたの初めてで……カズキとなんかコソコソやってるみたいで、なんかその……」


「妬いちゃった?」


「そういうんじゃ……」


「少し、放っておいてあげたらー? 大事なことなら、ちゃんと言う子でしょ? きりちゃんは」


「それは……そう、ですが……」


「何も聞かずに信じてあげることも、愛情の1つだよー」


「またそーやって、愛情とか。俺はキリアのこと……」


「ふふっ。結論は急がなくてもいいと思うよー? 大事な時に、大事な決断ができる心構えだけで、大丈夫」


「信じてはいる……んですよ。でも、なんかモヤモヤしちゃってるんです」


「アタシのカラダでムラムラ解消しちゃう……かにゃ?」


「ムラムラじゃなくて、モヤモヤです!!」


「似たようなもんでしょーっ」


「全然違いますっ!!」


「あははっ。やっぱりさんちゃんといると楽しいやー。心配しない、心配しないっ」


「はぁ……ありがとうございます。まだモヤモヤはしますけど、がんばって信じてみます」


「がんばらなくっても、いいんだよー」


「どっちですか! 信じろって言ったじゃないですかっ」


「がんばって信じろなんて言ってないわよー? さんちゃんは、さんちゃんのままでいいの。それでダメなら、また夜にアタシのこと誘ってくれていいよー?」


「なんか勘違いされそうなワードが散りばめられてましたが、言いたいことはなんとなくわかりました。また、頼りに行くかもわからないです」


「いつでもおいでー。さんちゃんならいつでも歓迎だよー」


「ありがとう……ございます」



 やっぱりミント様には敵わない。俺は俺のままでいればいい、ってことか……。



 あれ、ここの店の支払いたっけぇ………。

 オゴリを見越してこの店にしただろ。やっぱりミント様には敵わねぇ……。


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