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第6話

いったいどうなってやがる。


この時点で父親が『死んでいる』だけでもおかしいのに、

『殺された』だと。


何故俺がこんなに驚いているのかというと、

このゲームでは父親が『死んだ』と『殺された』では大きな違いがでてくる。


順序立てて説明していこう。

少々長くなるが頑張れ! 


※もし読むのが面倒くさい人がいたら『★要は~』まで読み飛ばして大丈夫です。


前にも言ったと思うが、確かに父親が死んでしまうイベントは何種類かある。

最短でゲーム開始から2年後に事故死というのがある。


これは、開始1年後に父親から手紙が届き、その手紙に返事を書かない事によってフラグが発生し、父親が事故にあってしまうというイベントで、簡単に回避できる。


ルートによっては父親が障害になることがあるので、

敢えてここで父親に死んでもらうという鬼畜な攻略もある。


話が逸れた、話を戻そう。


父親が『死んでしまう』イベントは何種類かあるのだが、

父親が『殺される』イベントは一つしかない。


何故『殺される』イベントが少ないかというと、

この父親――もの凄く強いのだ。


冒険者とマリアの結婚エンドを見るためには、

父親が生きていると、必ずイベントが発生する。

父親との対決イベントだ。


父親がお決まりのセリフを言う

「娘が欲しければこの私を倒してみせよ!」

そして戦うのだが、この父親――鬼強い。


元々、強い冒険者であれば、レベル上げをしっかりすれば大丈夫なのだが、

ある弱い冒険者だと、レベル上げが大変で、且つレベルカンストでどうにか倒せる強さである。


ちなみに、マリアも凄く強くなるの事が可能だが、このイベントクリアにマリアの手は借りられない。

正確には手を借りる事も出来るのだが、それではエンディングがちょっと変わってしまう。


よって、某攻略サイトでは、冒険者との結婚エンドを狙うなら、手紙に返事を書くな。

特に、弱い冒険者攻略では、手紙フラグで父親に死んでもらわないと攻略不可能とまで書かれていた。

地道にレベルを上げれば不可能ではないのに………


また、話が逸れた。

脱線しまくりだ、将来の夢の中から電車関連は外す事にしよう。


とにかく、父親が強いということは解っていただけたかと思う。

では、その強い父親を殺すのは誰なのかという話だ。


答えを先に言うなら、暗殺者だ。

この暗殺者というのが、とあるカルト教団の一員というか、

このカルト教団自体が暗殺者集団でもある。


仕事先が何度も移動する父親だが、ゲームの中盤を過ぎたあたりで某遺跡調査の仕事を受ける。

その遺跡をめぐりカルト教団と敵対してしまい、命を狙われ続ける。

父親は何度も暗殺者を返り討ちにするものの、最後には不覚をとってしまい殺されてしまう。


父親の遺跡調査の仕事自体を回避する方法も存在するが、

一度このフラグが立ってしまうと、カルト教団を殲滅しないと父親の死は回避できない。


それどころか、暗殺者の手がマリアの方にまで飛び火するのである。

当然、マリアが暗殺されればバッドエンドである。


このカルト教団の殲滅が大変だった。

このゲームは名作とされている(ファミTWOでもプラチナ殿堂をもらっている)が、

恐らく全てのエンディングを見た人は少ないだろう。


ゲームのクリア自体はゲーム初心者でもさほど問題は無い。


ただ、幾つかのエンディングを見る条件が非常に厳しい。

その中の一つのエンディング条件となっているのが、このカルト教団殲滅である。

このカルト教団殲滅ができなくて、オールエンドを諦めた者達を某攻略サイトでたくさん見てきた。


このカルト教団の殲滅の仕方であるが…


いやその説明まですると長くなりすぎるので、省略する。

一つ言えるのは、今のマリアの実力ではカルト教団の殲滅は不可能であるという事。


★要は何を言いたいのかというと、

もし、マリアの父親が『殺された』のであれば、カルト教団関係の可能性が高い。

そして、犯人がカルト教団関係であれば、マリアの命まで狙われる可能性が高いのである。


「ちょっと、いきなり叫んだと思ったら黙りこんでどうしたのよ?」


不安そうな顔を俺に近付けてくる。


「いや、ちょっと驚いてしまって。父親が殺されたというのは、間違いないのか?」


「うん。あなたも知っていると思うけど、お父さんは自殺するような人ではないし、

 自分で自分の背中をナイフで突くのは難しいと思うの」


思い出すのも辛いだろうに、表情を暗くしながらも、俺の質問にしっかりと答えてくれている。


「犯人は捕まっていな……いや、捕まっているなら私に犯人を見たかなどと聞いたりしないか」


「うん。犯人は捕まっていないの。というか殺人事件ではなく、事故で亡くなったって処理されそうなの」


「ちょっと待て、背中をナイフで刺されていたのだろう?普通は他殺を疑わないか?」


「お父さんはこの部屋で殺されたのだけれど、見ての通り入口はあの扉だけなの。

 窓は明かりとりの小さい窓があるだけで、あの窓から人の出入りは子供でも不可能よね。

 そしてこの部屋はお父さんが錬金術を行う部屋だから、色々な対策が施してあるから、

 魔法を使っても侵入不可能で、唯一の入口の扉は私とお父さん以外には開けれらないの」


「密室ってやつか」 


「そう、お父さんと『私』以外はこの部屋に入れない筈なの」


「そうか、父親とお前以外……ひょっとして、疑われたのか?」


「ちょっとだけね。わた・しの、ひっく・力・じゃ、ひっ・無理・って・いう、ひっく・理由、ひっ・で無実・だろ…」


その時の事を思い出したのか、泣きそうになるのを必死で堪えて、答える。


「マリアが父親を殺すはずないのにな」


突然、目を見開いて驚いた表情で俺を見るマリア。


「あなたは私を信じてくれるの?」


「はぁ、何言ってんだ。信じるも信じないも、お前が父親を殺すなんて絶対ありえない。

 ドラゴンが鼠一匹に倒された、というよりも有り得ない」


伊達にゲームをやり込んでいない。

ある意味、マリア本人よりマリアを知っていると言っても過言ではない……よな。

だから、断言しよう。


「マリアは絶対そんなことはしない!」


せっかく俺が断言したのに、堪え切れなくなったのか、マリアがまた泣き出してしまった。

仕方がないか、俺なんかに断言されてもなぁ。


「あ、ひっく・あり、ひっ・がとう、ひっく・ありがとう」


心なしか、少し嬉しそうに見えるのだが――気のせいだろう。


そんな事より、犯人についてだ。

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