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第3話

さて、今更ながら俺が選んだゲームをちょっと説明しておこう。


俺が選んだゲームは『錬金術師マリア』

ゲーム会社『ガストン』の看板シリーズの第4作にして、(俺の中では)シリーズ最高傑作である。

この『錬金術師○○』シリーズは2068年に30作目を発売した名作シリーズだ。


ストーリーは『錬金術師のたまご』であるマリアが、錬金術を学びながら、様々な依頼をこなしつつ、仲間とパーティを組んで冒険をしたり、モンスターを倒したり、自分の菜園を作ったり、時には恋愛をしたりと、色々な事をしながら、『伝説の錬金術師』を目指す事を主軸にしつつも、女王になるエンドがあったり、勇者になるエンドがあったり、伝説の怪盗、幻の料理人、大富豪、ハーレムエンドまであるという驚異の自由度。

ゲーム初心者にもやさしく、やりこみ好きのゲーマーまで楽しめるゲームである。


まあ、とにかく(俺の中では)神ゲーです。


それはともかく、マリアの父親の話である。


ゲームでは、チュートリアルとしてマリアの父親が、ゲーム内時間で一ヶ月間、錬金術の基礎として、操作方法・ゲームの進め方等を教える仕組みになっている。


一ヶ月後に国からの依頼で父親は遠くの国まで仕事に出かけて行く。

仕事先が危険な所なので、マリアは連れて行かないという設定である。


また、二周目以降は[チュートリアルは無し]を選択すると、お父さんが自分に色々と教えるために、仕事の依頼を一ケ月待って貰っていることを知ったマリアが

「私なら大丈夫だから、お父さんはお父さんにしかできない仕事を頑張って」

と、一ケ月早く父親を送り出すことになる。


危険な所という設定の為、父親が死んでしまうイベントも何種類かあるが、

最短のイベントでもゲーム開始から2年後の筈である。


いったいどうなっているんだ?


自分の状況すら全く解らないのに、更に解らないことが増えてしまった。


今の所、1番困った問題は目の前で泣いているマリアなのだが、

「メガネの俺には出来ることはない」と自分を誤魔化して、棚上げすることにした。


しかたないだろう、実際何もできないし、どうしていいかさっぱり解らんのだ。

オレの嫁でもないしな。

……ヲレッてサイテーだな。


申し訳ない気持ちもあるが、まずは俺の問題を考察し、改善ないし解決を図りたいと思う。


(マリアの事は除いて)一番の問題は、このメガネの体であろう。

何せ自分で動けない。


しかし、何故か喋ることはできる。


何故だ?

いや、そこの追及は後回しだ。


メガネになった原因は?


 ――恐らくは次元転移の失敗にある。


次元転移を失敗した原因は?


 ――まあ、十中八九 マイケル(俺の飼い猫)のせいだな。


となると、次元転移をやり直すのが最善の方法であるだろう。


[次元転移を諦める]なんて選択肢は存在しない。

嫁が待っているからな。


普通ならそこで途方に暮れてしまう所であるが、

俺は用意周到な男。


俺の数少ない友達にもよく言われていた。

「お前って、何かをする時に必ず失敗した後の対策を用意するよな」

そう俺はまさかの事態に備える男。


ちゃんと、二次元から三次元に戻ることも考えてある。

ポケットの中にその装置が用意して……


「ポケットがねぇー!!!」


俺の数少ない友達にもよ~く言われていた。

「でもって、その対策が役に立たないことがほとんどなんだよな」

そう、ヲレは準備が空回りするヲトコ…デス。

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