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第20話 第2章 開始

第2章 開始



「ねぇ~、『センセー』は高品質の『融合剤』の錬成方法を知っているんでしょ。

 そのレシピを教えてよ」


『融合剤』を試行錯誤しながら錬成しつつ、俺に愚痴る、マリア。


「だめだ」


そのマリアの顔の一部と化したメガネが答える。


あの日以降、マリアは基本(メガネ)をかけて生活している。

初日こそ、違和感を感じていたようだが、今ではすっかり慣れてしまっている。

どのくらい慣れているかというと、俺をかけたまま、風呂に入ろうとしたり、トイレにも入ってしまうぐらいだ。

女の子としてどうなんだろう?

いや、メガネを異性として意識するのもどうかと思うが……


「なんで、だめなのよ~」


「何度も言っているだろう。自分で錬成できるようにならないと、身につかないんだよ」


「むむ」


お前は、どこのジエイだ。



――何だかんだで、マリアの『先生』になって6日が経った。

まだ6日とみるか、もう6日とみるか、どっちと言えばいいのだろう。


本来ならばマリアの成長について触れるべきなのだろうが、

メガネのことで、色々と解ったので、それを先に報告しよう。


1.飲食は必要ない……っていうか出来ないという方が正しい。

  エネルギー補給はどうなっているのだろう?

2.睡眠は必要ない。ちなみに寝る事はできる。

  最初の日はマリアにつき合って眠りについたが、それ以降は一睡もしていない。

3.視覚、聴覚、触覚はあるが、嗅覚、味覚はない。

  但し、触覚については、触られた事は感じられるが、熱は感じられない。

  また、痛覚は無いようだ。

4.呼吸はしていないようだ。真空中は試していないが、水中に数時間入っていても苦しくは無かった。

  なぜか、くしゃみや咳は(俺がしようと思えば)することが出来た。


とりあえず報告すべきは以上だろうか。


あとは例のスキルについて追加で解ったことかな。


6日間は『融合剤』の錬成に費やしたので、採取関連の新しい事は解っていない。


そして、マリアは『融合剤(緑)』以外の『融合剤』を錬成し、

今では6種類全ての『融合剤』に文字が浮かぶようになった。


更に追加の効果が判明した。

マリアが錬成したモノは、名前の他に『品質』が表示される事が解った。

ちなみに、初日に見た『融合剤(緑)』はマリアが錬成したものでなかった為、表示されなかった。


『品質』はゲームでも存在していた。

最高ランクの『S』から『A』『B』『C』『D』『E』の6ランクあり、

それぞれのアルファベットに『+(プラス)』『-(マイナス)』が付いたりする。


『品質』が高いほど、効果も高くなり、買い取り価格も『品質』に左右される。


以前、『融合剤』が最低銀貨2枚で売れると説明したと思うが、『E』ランクのモノがその価格である。

当然、『品質』のランクが上がれば、買い取り価格も上がる。

『S』ランクにもなると『融合剤』1本が金貨1枚になる。

ちなみにこれは買い取り価格なので、買おうと思うともっと高くなる。


そしてこの『品質』を見極めるには『鑑定』スキルが必要になる。

『鑑定』スキルは『錬金術』レベル10になると習得することができる。

『鑑定』スキルには「自分で作成したモノ」という制限はかからない。

なので、『鑑定』スキルを手に入れたとは言えない。

しかし、この段階で(マリアが作ったモノ限定とはいえ)『鑑定』のようなスキルを使えるのはかなり助かる。


そこで、早速『品質』のよい『融合剤』の錬成に取り掛かっている訳である。


『品質』のよい『融合剤』の方が高く売れる、得る経験値が少し多くなる等のメリットもあるが、

『C』ランク以上の『融合剤』を作成した時に発生するイベントを密かに狙っていたりする。

そのイベントを見る事によって定期的に手に入れられるようになる材料がある。


それを使って作るアイテムがレベルアップ効率がいいので、少しでも早く手に入れたいのだ。


もっとも、今のところマリアが錬成した最高ランクの『融合剤』は『D-』

それも、昨日試行錯誤を繰り返しやっと錬成したものである。

それですら、この世界の常識からしたら、驚異的な上達ではあるのだが…

何にせよ、『C』ランク以上の『融合剤』の作成には、まだ時間がかかりそうだ。


まあ、当面は『融合剤』を錬成し続けて『錬金術』のレベルを2にすることが目標だ。

なので、あと3日は『融合剤』を錬成し続ける………筈だった。

マリアがあんな事を言いだすまでは…

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