第19話 第1章 END
このままじゃまずい。
どうにかしなければ。
条件が厳しすぎたか。
――でも確かこの世界の徒弟制度はそんな感じだった筈…
などと色々考えていると、
「ごめんなさい。
本当はこんな事言える立場ではない事は解っているけれど、
私にとって『師匠』はお父さんだけなの。
だから、あなたを『師匠』と呼ぶ訳にはいかないの」
とマリアが言葉を続けた。
「そっちかい!」
思わずツッコんだよ!
メガネじゃなかったら今頃、裏手ツッコミいれてるよ!
なんて不便なんだこのメガネの体。
「えっ?そっち??」
「いや、気にするな。
そうだよな『師匠』は父親だもんな。
そ~だな、じゃあ『先生』ということならどうだ?」
「『師匠』って呼ばなくてもいいの?」
「ああ、いいよ。
しかし、『先生』の言う事も絶対だからな」
「うん。――じゃなくて、はい。
ありがとう『センセー』」
あれっ、『先生』の発音おかしくね。
まっ、いっか。
「よし、そうと決まれば、ビシバシいくから覚悟しろよ!」
「望む所よ!」
「それじゃあ、さっそく……」
こうして俺は、(俺の目的を達成するために)マリアが立派な『錬金術師』になるための手助けをすることになった。
第1章 END