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アプリコットの海に溺れて
友達とケンカしちゃった夜は
アプリコットの海に溺れる
あんなことまで言うつもりなかった
そんな風に返されるなんて
波打つ湯気に浮かぶあのシーン
巻き戻しながら大反省会
先輩に迷惑かけちゃった午後は
アプリコットの海に溺れた
ダメな私にサヨナラしたい
できればちょっと認めて欲しい
元気を出してと囁く香りを
胸いっぱいに閉じ込めて充電
家族に反発した翌朝は
アプリコットの海に溺れよう
ここでは自由に泳いでいられる
縛られたくないだけだったから
指先が熱でヒリヒリするのは
愛情と同じだ、分かってる
貴方に恋焦がれてしまう日々は
アプリコットの海に溺れたい
忘れちゃいけないシーンがあるの
忘れられない香りがあるの
忘れたくない温度があるの
そのすべてがカップ一杯に眠る
アプリコットの海に溺れたい
きっと貴方は笑っちゃうわね
でも、聞いて
忘れてしまった甘さがあるの
直接思い出させて欲しいの
(五感の記憶は曖昧だから)