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目を、閉じたら
何か見える気がした。
見出だせると思った。
本当は違うと知りながら、
瞬時に生まれた闇へ逃げる。
手にした物が見えなくて、
何を思うか確かめたくて、
行くべき方でなく、
行きたい方すら見失って、
もう一度、戻る。
もう一度、戻りたい。
もう一度、戻らせて。
光の消えない闇に、私は何を思う?
音が漂う静寂に、何を残して来た?
この、永遠の如き一瞬に、
独り浸れば蘇る。
私の望み、
私の責務、
そして今、逃げて来たのだ、という事。
最後にはいつも容易に引き戻される事を知りながら、
私は今日も、また。
(大学時代の詩をリメイク。今でも不意につらくなると、目を閉じます)




