使命に走るローゼスの騎士
愛しのローゼス 美しき我が王女
王女の眠りを覚まさなければ 国王がお嘆きになられている
たったひとつの噂 雲を掴むようなオトギ話
高い高い山の上に住む 悪名高い魔法使い
そいつが人を永遠の眠りにつかせるのだと 騎士は聞いた
騎士は国を出て 魔法使いを打つため 旅に出る
旅の道中 幼き頃 騎士と王女が緑の生い茂る庭園でむじゃきに遊んでいる
あの日々を思い出していた あのころはただ ただ 楽しくて嬉しくて
王女がいつからか 庭に姿を見せなくなって 眠っているのだと知ってから
生活は暗くなって ローゼス 今、貴方はどんな夢を見ている?
旅も終点 山の頂上に魔法使いは姿を現した
騎士は剣を振るい 魔法使いは杖を振るう
確かな使命を胸に騎士は国へ帰ってきた
使命を果たしたと国王に告げて ローゼスの下へ向かう
かすかな可能性に命運を託した騎士は…
ローゼスが 確かに 静かな部屋に 声を漏らす
ゆっくりと目を開けて 驚き戸惑う王女に 騎士は 嬉しさのあまり 涙を
体を起こしたローゼス 意識を取り戻したローゼス 愛しきローゼス
やっと帰ってきた 騎士の生きる希望
「ローゼス お目覚めになられて 私は嬉しいです」
言葉の意味も知らずにローゼスは笑う
時の変化にローゼスは徐々に慣れてきている
不思議なことに眠っていた年月の経過は成長していなくて 体は幼いままだ
やっぱり ローゼスは 笑っている時が一番可愛いよ
このまま平和が永遠に続けばいいのにと 思わずにはいられない
ローゼスはまだ知らない その身に魔法を宿していることを
騎士は知らない ローゼスへの受難はまだ終わっていないことを
目覚めて時を待たずに ローゼスは自分の力に気づく
打ち明けるべきか 秘密にすべきか 悩むローゼス 答えは…
魔法使いの勘だろうか 嫌な予感がローゼスを駆け巡る
ざわつきに 不安に 眠れない夜を過ごす 受難の日は もうすぐそこ