デッドヒート
黒いバンは、猛スピードで逃げて行く!
それを追う3台のパトカー!
黒いバンは赤信号で突っ込む!
左右から迫って来る車をギリギリでかわす!
また赤信号!前の一般車は止まる。
反対車線に飛び出して、交差点に突っ込む黒いバン!
急ブレーキで止まる左右の車!
後を3台のパトカーが追う!
レミのミニパトが黒いバンの後ろに張り付く!
「レミ、バンの前に出ろ!」
「OK!」
対向車が来ない事を確認して、一気に加速する!
横に並んだ時、バンが体当たりして来た!
急ブレーキを踏む!
「ふざけんな!ボケ~!!」
黒いバンは、国道に出る!
片側二車線を邪魔な車を弾き飛ばしながら進んで行く!
「無茶しやがるなコイツ!」
黒いバンの右側が一瞬空いた!
すかさずレミのミニパトがフル加速する!
黒いバンの前に出た!
「よっしゃ、取った!」
黒いバンの前でフルブレーキ!
ミニパトの後ろに黒いバンが突っ込む!
無線で指示を出すボッサン!
「ユオ!横から押さえ込め!」
ユオのパトカーは、黒いバンの右側から体当たりする!
「モリモリ!後ろを押さえろ!」
黒いバンは、モリモリのパトカーが後ろに回り込む前にフルブレーキ!
ユオのパトカーが前に行ったすきに反対車線に飛び出した!
対向車線の車はフルブレーキ!その後ろの車が追突していく!
その合間をぬってUターン!
そして、脇道に入って行った。
パトカー3台は、玉突き事故と後続車に挟まれて動けなかった。
「くっそ~!!」
謎の黒いバンには、辛くも逃げられた。
あのバンの運転手が、爆弾魔である事には間違いない。
すぐに川口市内一帯に非常線が張られて、夜どうしの捜索が行われた。
明け方になって、黒いバンが空き地に放置されているのが発見されたが、未だ犯人は見つかっていない。
朝8:30捜査1課の部屋
ユオがボッサンを起こす。
「ボッサン、ボッサンってば」
「ん~?今何時だ?」
「8時30分」
「ん~、3時間ぐらい寝たか~。ふぁ~、着替え取りに家帰るわ」
ボッサンの家
「帰ったよ~」
「随分早いわね?謹慎処分?」
「バ~カ、着替え取りに来たの」
ボッサンの妻、かおる。ボッサンと2人暮らしである。
「ゆーちゃん、なんか食べる?」
かおるの声にボッサンは、着替えを袋に入れながら
「食ってる暇ね~な。着替え持ってすぐ行かなきゃ」
着替えを持って玄関に行こうとして、敷居につまづいてひっくり返る。
「ちょっと大丈夫?」
「いててて」
ボッサンが立ち上がると、目の前に、かおるが仁王立ちしている。
「足元に気をつけてね♪」
かおるが、満面の笑顔で、ウインクした。
「気持ちわり~な、ウインクなんかして。あれ?お前ウインク出来たっけ?」
「練習したら出来たのよ~♪そんな事より、もう歳で足腰弱ってんだから気をつけてよ~」
最後にとどめの一発のウインク♪
「しょ~もない事、練習すな。行って来る」
ボッサンは出て行った。
しばらくして、
『ピンポーン』
チャイムが鳴る。
「何?忘れ物?」
かおるがドアを開けると、
フルフェイスの男に催涙スプレーをかけられ、タオルで口をふさがれた。
かおるの意識は遠のいて行った‥‥